(株)日立メディコ製のX線透視撮影装置「オフセットオープン式多目的イメージングシステムCUREVISTA」が日刊工業新聞社主催,経済産業省後援の第38回機械工業デザイン賞 経済産業大臣賞に選ばれ,7月15日付の日刊工業新聞で発表された。
機械工業デザイン賞は外観面や技術面においてその時代のデザインの方向を示唆する先端的製品に表彰されるものであり,最優秀賞の経済産業大臣賞を受賞するのは1990年の「超電導MRイメージング装置MRH-500」(当時通商産業大臣賞),1996年の「永久磁石式MRイメージング装置 AIRIS」(当時通商産業大臣賞)に続いて今回で3度目となる。
今回受賞した「CUREVISTA」は,これからの透視撮影装置に求められる臨床ニーズをVOC調査により的確に捉え,「最適な操作環境・安全な検査・IVR支援機能」をコンセプトに2007年7月に発売したFPD搭載X線透視撮影装置である。
テーブルシフト+オフセットアームの組み合わせでテーブル奥側に広いワークスペースを確保したことにより,車イスやストレッチャーからの載せ換え作業や,救急対応が迅速に行えるなど最適な操作環境を実現。被検者の体内にプローブやカテーテルが挿入されている際に,テーブルを固定したままで視野移動できる2ウェイアーム機構は検査を安全に行うために非常に有用。また,画像サーバシステムを直接ネットワーク接続し,CTやMRIの画像を透視像と並列表示することで,病変部の同定を容易にした(IVR支援機能)。
審査委員からは,「開発の上流からデザイナーが積極的に関与し,デザイン主導型のプロセスで展開したところに成功の大きな鍵が潜んでいる」,「デザインは色や形の創造行為という認識から飛躍し」,「機械工業デザインのあり方,あるべき姿を真摯に追求した本製品は,結果として高い完成度実現に結びついており,最優秀賞にふさわしい仕上がりをみせている」と評価されている。
「CUREVISTA」は,2007年度グッドデザイン賞,2008年iFデザイン賞(ドイツ)を受賞するなど国内外からデザイン面で高い評価を得ている。 |