2008年6月12日,Accuray社(米国)の定位放射線治療システム「CyberKnifeU(サイバーナイフU)」が体幹部治療適用拡大の薬事承認を取得した。
この承認によって,日本国内で,頭頸部(頭蓋内を含む)のみならず,脊髄・肺・肝臓・膵臓・前立腺等を含む体幹部病変の治療にサイバーナイフUの使用が可能となった。
サイバーナイフUは,無痛の非侵襲性治療を癌患者に提供する治療法のひとつで, 頭頸部の病変治療目的にサイバーナイフが日本で最初に承認されたのは1996年のこと。現在,日本国内では20台のサイバーナイフUが設置され,アメリカに次いで世界第二のサイバーナイフ設置国となっている。
サイバーナイフUは,体内のあらゆる箇所の病変に対する非侵襲性治療を目的に設計された世界唯一のロボット放射線治療システムである。画像撮影システムによりターゲットの位置をリアルタイムで解析し,ロボットアームがリニアックの照射位置・角度を調整しながら治療を行う。これによって,患部周辺の正常な組織への損傷を最小限に抑えながら高線量放射線を高精度の照準で照射することができ,頭頸部や体幹部への侵襲的な固定フレームの使用が不要となる。 |