NECディスプレイソリューションズは,簡易DICOMモード対応の高精細電子カルテ用液晶ディスプレイ「MultiSync® for HR」シリーズの新商品として,19型液晶ディスプレイ「MultiSync® LCD1990SX-M」を,7月14日より発売する。
「MultiSync® LCD1990SX-M」は,従来の「MultiSync® for HR」シリーズの機能を継承しつつ,液晶パネルの変更等により,従来機種に比べてコストダウンを図り,コストパフォーマンスに優れた商品として発売するもの。
本商品は,電子カルテに求められる表示ムラを抑えた画像と長時間の注視にも配慮した様々な高画質機能,および医用画像参照に求められるDICOM近似画像の表示機能を継承している。また社団法人日本画像医療システム工業会(JIRA)規格である「医用画像表示モニターの品質管理」に関するガイドライン「JESRA X-0093」の受入試験を製造工程にて実施して,その試験報告書を製品に同梱して出荷するため,顧客のディスプレイの品質管理に掛かる作業負担の軽減が可能となる。
●主な特長
- 簡易DICOMモード対応
医用画像の階調特性としてスタンダードな基準となっている,DICOM Part14の階調特性を予め製造工程内でプリセット。OSD(On Screen Display) 操作により,DICOM形式で保存されている医用画像を最適な状態で参照できる。
- ご利用者の負担を軽減する管理システム
(1) JESRA対応
社団法人日本画像医療システム工業会(JIRA)規格である「医用画像表示モニターの品質管理」に関するガイドライン「JESRA X-0093」の受入試験を製造工程にて実施。その試験報告書を製品に同梱して出荷するので,顧客による画像品質の確認作業を省くことができ,ディスプレイの品質管理に掛かる作業負担を軽減する。
(2) データ管理用ソフトウェア「GammaCompMD」対応(同梱)
診断画像データを時間が経過しても同じ画像品質でディスプレイに表示させる為に,定期的な表示品位確認(不変性試験:表示品質が変わっていないかの確認試験)を行う際の便利な多機能データ管理用ソフトウェア「GammaCompMD」に対応している。ガンマ特性や白色点,輝度などのキャリブレーションの実施および,その履歴管理なども簡単に行える。
- 見やすい,使いやすい機能と性能
(1) ムラ補正機能(UNIFORMITY)
独自開発の「専用画像処理IC」搭載により,画面の輝度ムラ,色ムラ,ガンマムラを,5段階で補正できる「ムラ補正機能(UNIFORMITY)」を搭載。個々の液晶パネルによって微妙に異なる表示特性に応じた最適な補正値を,計測データをもとに一台ごとに設定することより,電子カルテ用途として求められる均一な表示性能を提供する。
(2) レスポンス・インプルーブ(RESPONSE IMPROVE)回路
中間調の応答速度を改善する「レスポンス・インプルーブ(RESPONSE IMPROVE)回路」を搭載。内蔵された温度センサーにより,応答速度が低下する起動直後などの低温時にも最適値に自動補正する。動画表示時における残像感や違和感を低減させることで,より高度なパフォーマンスを実現する。
(3) 12ビットガンマ補正機能
RGB各色に12ビットのルックアップテーブルを採用することで,約679億6723万色中約1677万色の表示が可能。医用で求められる滑らかできめの細かい階調表現,正確な色の分解能力を発揮する。
(4) オートデミング機能
照度センサーを内蔵することで,室内の明るさ・暗さに応じて輝度を最適な状態に自動調節が可能。常に適確な輝度を維持しますので長時間使用での目への刺激を和らげる。また,周囲の暗さに合わせて自動的にパワーセーブモードに入る「オフモード機能」も搭載している。
(5) ピボット(表示部90゚回転)機構付きスタンド
表示部全体を90°回転させて,タテ形表示させることも可能であり,タテ形の文書が多い電子カルテの表示に適している。また,タテ形表示でもヨコ形表示でも,スタンドの高さを上下150mmの幅で調節できるエルゴノミクスに配慮した高さ調節機能を備えている。さらに,スタンドについているレバーを操作するだけで簡単にスタンドの取り外しが可能な為,スタンドを外して,アームや壁掛け用途として設置する際などに便利。
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