(株)フィリップス エレクトロニクス ジャパンは,クラス最高の堅牢性を持つAED(自動体外式除細動器)ハートスタート FRx(エフアールエックス)を2008年4月10日より販売開始した。国内初年度の販売目標台数は12,000台を見込んでいる。
2004年7月1日の厚生労働省からの通達により,一般の方でもAED(自動体外式除細動器,以下AED)が使用できるようになった。突然の心停止の患者数は毎年10万人にものぼり,その主な原因の一つである心室細動に対する唯一の治療法は除細動だけである。心停止後,除細動器による治療が1分遅れるごとに,生存退院率は約10%減少するといわれている。しかし標準的な地域で救急隊員が患者の所に到着するまでの所要時間は約6分程度かかるとされている。
最近,空港や航空機内,市役所等をはじめとする公共施設,職場,学校等で,急速にAEDの普及率が高まっている。公表された研究結果によると,AEDが公共の場に配置され,救急車が到着する前に一般市民により使用されることで生存退院率を向上させていることが明らかになっていいる。公共の場所での普及が進むにつれて,屋外の苛酷な環境下でも使用できる,使いやすいAEDが求められてきた。
ハートスタート FRxは,特許技術や数々の受賞歴を誇るデザイン,短時間で習得可能な優れた操作性などを備えている。建物内だけでなく,建物外の過酷な環境下でも使用できるよう,クラス最高のIP55(耐防塵・耐防水),耐荷重230kg,動作温度0℃〜50℃等の仕様を実現した。 また1歳以上8歳未満の小児に使用する場合で,小児パッドがある場合は,従来のAEDは小児用パッドに付け替える必要があった。同製品は成人・小児共通のパッドを採用し,小児キー(オプション)を本体に差し込むことにより,小児モード(小児用ショックエネルギーに減衰,小児用の音声メッセージ)に切り替わり,従来のようにパッドを付け替える手間を省くことにより無駄な時間を短縮できる。あわせてランニングコストの削減にもなる。
ハートスタートHS1で高い評価を得ているCPRコーチング機能(心肺蘇生法の手順の音声ガイダンス)も搭載している。緊急時,平常心ではない状態で心肺蘇生法を行う場合でも,ハートスタートFRxのCPRコーチング機能が心肺蘇生法の手順を音声ガイドで説明を行うので,一般市民の方でも安心して使用することができる。また,パッドの点検を含む,85項目にも及ぶセルフテスト機能を備え,万一システムに何か問題がある場合は,警報ブザーを発しその問題箇所を知らせる。
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