GEヘルスケアグループの日本法人であるGE横河メディカルシステム(株)はこのほど,一般X線撮影装置用としては日本初となるトモシンセシス「Volume RAD(ボリューム・ラド)」を本格導入する。
トモシンセシスは,一回の撮影で,検査部位に異なる角度でX線を連続パルス照射し,撮影後コンピュータで画像を再構成することで,任意の複数断層画像を一度に得る技術。人体を透過したX線を受ける検出器に,X線を瞬時にデジタル信号に変換するフラットパネル型デジタルディテクタ(以下FPD)を採用することで,高精細な断層像の撮像が短時間で可能になった。
同製品は日本で初めて一般撮影装置に搭載可能なトモシンセシスで,同社独自で設計・開発・供給を行なう41cm × 41cmの大口径一枚成形FPDを採用したフルデジタル一般撮影装置「Definium 8000(デフィニアム8000)」にオプションで搭載できる。
同製品を使用することで,一度で最大60枚の画像再構成が可能になるため,通常の単純X線撮影では見逃す可能性のある,手首や足首の微小骨折の診断に優れている。また,CT(コンピュータ断層撮影装置),MRI(磁気共鳴断層撮影装置)の撮影で起こりやすい金属アーチファクト(偽像)が少ないため,人工関節が埋め込まれた部位周辺の診断などにも有効で,既に整形外科領域において高い有用性が報告されている。 |