GEヘルスケアグループの日本法人であるGE横河メディカルシステム(株)は4月3日(木)から,GE社製フルデジタルマンモグラフィ(乳房X線撮影装置)「Senographe」シリーズの最上位機種を2製品発売する。今回市場投入するのは,乳がん検診専用装置「Senographe DS Depister(セノグラフ・ディーエス・デピスティ)」と,乳がんの精密検査で行うバイオプシー(穿刺)のためのステレオ撮影機能を備えた「Senographe DS LaVerite(セノグラフ・ディーエス・ラベリテ)」。
Senographe DS Depisterは,世界初のフラットパネル型デジタルディテクタ(検出器)を搭載したフルデジタルマンモグラフィである「Senograph 2000D」の上位機種,Senographe DS LaVeriteは日本初のバイオプシー機能を備えたデジタルマンモグラフィ「Senographe DS」の上位機種。両装置の最大の特長は,検査効率向上や保存可能画像枚数の増加など,今後のマンモグラフィ検診の件数アップに対応した機能を備えていることである。
厚生労働省が2010年までに検診率を50%にするという目標を掲げているが,この目標を達成するためには,4,500台すべてが一日平均15件の検診を週5日フルにこなして丸一年かかる計算となる。装置の機能や医療施設の体制が個々に違うため,今後さらに検診率をアップするためには,一台当たりの検診件数の大幅な伸びが不可欠であり,そのためには高精細画像の撮影だけでなく,検査のスピードアップなどの効率性向上や大容量のハードディスクなどトータルなマンモグラフィの機能向上が必要となる。また検診率向上に伴って,バイオプシーの実施回数も確実に増加することから,そのスピード向上も望まれている。
同機種はワークステーションを改良することにより,,これまでスピードに定評のあった自社のデジタルマンモグラフィと比較し,撮影後のモニタへの画像表示時間,およびばく射間隔の短縮を実現。これにより,一人当たりの検診時間が平均20%削減されることを期待している。
さらに,両装置ではワークステーションのハードディスク容量を250GBに増やし,最大2万5,000枚(従来は最大8,000枚)までの画像保存を可能にしている。
同社のフルデジタルマンモグラフィ「Senographe」シリーズは,2000年に世界初のフラットパネル型デジタルディテクタ(検出器)を搭載した「Senographe 2000D」,2004年に日本初のバイオプシー機能を備えたハイエンド機種「Senographe DS(セノグラフ・ディーエス)」を発売。最近では特にハイエンド機種の需要が伸びており,同シリーズは2008年3月現在,大学病院および地域の基幹病院などを中心に国内で約全250台が稼働している。同社のデジタルマンモグラフィの市場シェアは約8割と業界トップを誇っており,同市場は本年4月の診療報酬の改定によるCR加算の廃止とフィルムレス加算の増額に伴い一段と拡大することが見込まれている。 |