(株)島津製作所は,業界最大視野(17インチ角サイズ)の直接変換方式フラットパネルディテクタ(FPD:平面検出器)を搭載した,X線画像診断用のCアームテーブル
( 商品名 : 多目的Cアームテーブル「Cvision safire 17(シービジョン
サファイア)」)を2月20日から発売する。
新製品は,頭部から下肢まで全身のさまざまな検査と治療(IVR)に対応する多目的システム「Cvision」シリーズの新機種で,業界最大の17インチFPDにより,上部・下部消化管検査をはじめ,腹部の血管内治療や内視鏡を用いた治療,整形分野,泌尿器など,広い視野の画像が求められる検査や治療をよりスムーズにする。同社は,これを主に中規模病院から大学病院等の大規模施設までを対象に拡販し,同シリーズにおける国内市場シェア30%獲得を目指す。
腹部や上部・下部消化管,整形分野,泌尿器などでは,診断やIVRに広い視野が必要である。これまでは,観察の際に視野が不足する場合,複数回の撮影を行うなどで対応することになり,余分な手間と時間がかかった。新製品は,最大で17インチ角視野(最小6インチ視野まで可能)の画像が得られる直接変換方式FPDを搭載していることから,一度に広い範囲を観察でき,全身の透視,撮影,DSAといったさまざまな検査やIVRをスムーズに行える。また,大視野画像の提供により,撮影回数を減らすことが可能なため,X線照射回数減少による被ばくの低減も期待できる。
●主な特長
- 業界最大視野17インチ角サイズで,超高精細の直接変換方式FPD
X線をX線変換膜(a-Se)で直接電気信号に変換するため,画質の劣化を引き起こす要因を大幅に削減でき,超高精細画像が得られる。ピクセルサイズが150μm,分解能3.3lp/mmを達成し,極めて高い解像度。FPDの視野サイズは,最大17インチ角(43cm×43p)で,広い視野を必要とする検査やIVRをスムーズに行える。
- 広範囲をカバーし,多機能により全身のさまざまな検査・IVRをサポート
同社独自のダブルCアーム構造を有し,あらゆる角度から透視・撮影が容易に行え,頭部から下肢まで219cmの広範囲をカバーする。また,検査に合わせてCアームを最適な検査スタートポジションに自動セットする機能,システム制御とX線および画像収集条件などをカスタマイズできる機能も搭載している。
7.5フレーム/秒の連続撮影が可能なことから血管撮影,咽頭,食道での動態観察も的確に行え,0.5秒のクイック撮影により透視下において最適なタイミングで撮影が行える。
- 診断・治療を支援する島津独自の画像処理技術(オプション)
対象領域を3次元的に観察でき,患者の息止め不要の撮影テクニック「RSM-DSA」を搭載することで,複雑な血管構造の立体的な把握,腫瘍に対する栄養血管の同定が容易に行える。また,次世代の高速画像処理機構SUREengine(シュアエンジン)により,透視動画像を構成する画像1枚ごとにマルチ周波数処理,ノイズリダクション処理,グリッドパターン抽出除去を同時に行うことで,優れたコントラストを保ちながら,ノイズの少ないなめらかな画質を実現し,診断と治療を支援する。
- 被ばく低減と高画質の両立
搭載している直接変換方式FPDは,高分解能でかつ高感度であることから,高画質を実現しつつ被ばくの低減にも貢献。また,画質向上に寄与しない軟X線を効果的に除去する「MBHフィルタ」,不要なX線波尾を遮断する「グリッド制御パルス透視」を標準装備している他,検査時のX線管球の配置を考慮したシステム設計により,透視時の患者と術者双方の被ばく低減を追求している。
- リモートメンテナンスによるサービスサポート
医用画像通信の標準規格DICOMに対応しており,院内の画像ネットワーク構築やHIS(病院情報システム)/RIS(放射線情報管理システム)に柔軟に対応。また,同社のリモートメンテナンス拠点とオンラインで結びサービスサポートが行える。
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