株式会社フィリップス エレクトロニクス ジャパンは、フラットパネルディテクタ(FPD)を搭載したデジタルエックス線一般撮影装置「Essenta
DR(エセンタ ディーアール)」を2007年12月より日本で販売する。エックス線照射による被ばく線量を通常の撮影では1/2(撮影する部位によっては最大1/10(同社従来製品比))に低減可能なFPDと、エックス線管をU字型アームに搭載した床固定のコンパクトな装置となり、短期間で容易に設置が可能となった。FPDとフィリップス独自のデジタル画像処理技術UNIQUE(ユニーク)の2つの要素により、これまでの撮影と比較し、被ばく低減を実現しながらも高画質のエックス線画像を提供することも可能にした。Essenta
DRで撮影されたデータは、直接デジタルデータとして取得、画像化される。近年、医療業界におけるITの進化に伴い、ニーズの増してきた一般撮影領域のデジタル環境に適応した装置となっている。特に、総合病院の特殊撮影室用や専門病院の一般撮影室用としての購入が考えられ、初年度は50台の受注を目指す。
主な製品の特長
◎高安定、ハイパフォーマンス
- U字型アームに高い安定性を示すCsI間接方式FPD(冷却設備不要)とエックス線管を対面式に搭載したコンパクトなデジタルエックス線一般撮影装置
- このシステム1つで、胸部などの立位撮影、腹部などの臥位撮影、四肢撮影など一般的なエックス線撮影が可能となり、また、カセッテを用いた撮影も可能
- 使用目的や予算に合わせて、天板、DICOM*1オプションなど、フレキシブルにシステム構成を組むことができる
- DICOM準拠で、DICOMビューワーやPACS*2などにデジタルエックス線画像を転送することにより、フィルムレスなどのデジタル環境の構築をサポート
- RIS(放射線情報システム)とEssenta DRを接続することで患者データの入力作業がなくなり、データ入力ミスを防ぎ、容易に撮影を開始することができる
- RISからの情報に基づき、最適な画像処理パラメータ、画像出力方法が自動的に選択され、従来のワークフローを改善
- デジタルエックス線撮影画像をCDに書き込み、他施設のDICOMビューワーで画像の閲覧が可能
- デジタルエックス線画像はCDへ保存するのみではなく、フィルム出力も可能
◎低線量高画質・安全で簡単な操作
- 柱状結晶構造のヨウ化セシウムとアモルファスシリコンフォトセンサーで構成された安定性の高いFPDは量子検出効率(DQE)が高く、低線量での撮影が可能なため、被検者への被ばくを最小限にすることができる
- フィリップス独自のマルチ周波数処理“UNIQUE*3”により、デジタルエックス線画像の最大の利点を生かし、低線量でもノイズの少ない高画質を提供することが可能
- フィリップス エックス線装置共通のユーザーインターフェイス“Eleva(エレーバ)”も標準搭載されており、タッチスクリーン機能により直感的に回転・フレーミングなどの操作を行うことができる
- オートポジション機能が標準装備されており、ボタンワンプッシュで使用頻度の高いポジショニングへ自動的にUアームを移動させることができ、ワークフローを改善する
- ライトバリア機能により、人や物への衝突を防ぎ自動的に停止する安全機構が標準装備されている
*1 DICOM(Ditigal Imaging and COmmunication
in Medicine:ダイコム)
医用デジタル画像を提供する装置間の相互接続・通信をする際の標準規格。
*2 PACS(Picture Archiving and Communication
System:パックス)
CT(コンピュータ断層診断装置)、MRI(磁気共鳴診断装置)、一般撮影などの医療デジタル画像をフィルムレスで配信し運用するシステム。
*3 UNIQUE(UNified Image QUality Enhancement:ユニーク)
得られたデジタルエックス線画像を適切な画質に調整するためのフィリップス独自オリジナルの画像処理技術ソフト。画像データを各周波数帯域ごとに分け各々に適正な画像処理を施すことにより、高品質画像を提供する。
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