東芝メディカルシステムズ株式会社(社長:桂田 昌生 本社:栃木県大田原市)は、1978年に日本初の全身用CT装置を発売して以来、先端技術の開発と高品質な製品の提供により日本国内はもとより、世界各地の医療施設に導入されてきたが2007年10月31日をもって、CT装置の生産累計、20,000台を達成した。
CT装置は1972年に英国のハンスフィールド博士により開発された。1974年に東芝は、CT装置を製品化したEMI社(英)と販売契約を結び、日本での販売を開始、1975年には東京女子医大に日本で初めてCT装置を納入した。
1990年には、世界で初めてヘリカルCT*1機能を搭載した装置を販売。この装置は、1983年に米国、欧州、日本で特許を申請し、その後権利を取得した同社独自のヘリカルに関する基本特許に基づいており、同社の豊富な先端技術の蓄積により実現したものである。ヘリカルCTの導入により、臓器全体を短時間で精密に検査することが可能となり、被験者の負担が軽減された。さらに1993年にはCT透視*2技術を、1998年にはマルチスライスヘリカルCT技術を開発。2002年には世界最小0.5mmスライス厚で16枚同時収集可能なマルチスライスCT装置を開発し、2004年には心臓を10秒以内で撮影できる64列マルチスライスCT装置を開発し、循環器領域のルーチン検査での使用を可能にするなど、常に世界のCT技術をリードしている。そしてヘリカルCT装置開発の功績が認められ、1993年には「機械振興協会通産大臣賞」を、1998年には「市村賞」、2003年にはマルチスライス検出器の開発に対して「蛍光体賞」を受賞した。
*1:ヘリカルCT:X線管を高速で連続回転させながら患者を撮影し、らせん状に撮影データを連続収集する方式。従来のCTと比べて短時間に広範囲の撮影ができる。
*2:CT透視:CTのリアルタイム画像再構成技術を応用し、医師がCTスキャンの横に置いたモニター画面を見ながら針を刺したり、組織の一部を取るなどの処置ができる。
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