シーメンス旭メディテック(株)は,世界で初めて開発に成功した“デュアルソース(Dual
Sources)”タイプの高機能新型CT「SOMATOM Definition(ゾマトム
デフィニション)」を世界同時発表した。管球と検出器を2対搭載し,同時に撮影とデータ収集を行うため,従来の高性能マルチスライスCTを超える高速撮影が可能になった。心拍数にとらわれず,幅広い受診者に対して心臓を鮮明に撮影できる。
●主な特長
〈時間分解能83msの高速撮影〉
2対の管球と検出器が同時に撮影とデータ収集を行うため,時間分解能は83ms,心臓のスキャンデータはわずか5sで収集可能になり,検査時間が大幅に短縮された。また,βブロッカーを投与することなく,高心拍でも心臓CT検査が可能。
〈被曝量が半減〉
高速撮影が可能になったことに加え,新たに開発した制御機構(ECG-pulsing)により,イメージングに必要とされる線量のみの照射が可能になり,現行のシングルソースCTと比較して,被曝量が約1/2に低減された。
〈救急治療でもone-stop診断〉
78cmのガントリ開口径と200cmのスキャン範囲を有し,体の大きな患者や呼吸停止が困難な患者,高心拍な患者の心臓を,迅速かつ高画質で撮影可能。操作も容易に行え,救急 治療のワークフローを単純化し,スピードアップと効率化を図っている。
〈デュアルエナジーイメージングの可能性〉
2対ある管球から同時に異なるエネルギーでのX線照射(デュアルエナジーイメージング)が可能なことにより,1回のスキャンで異なる情報を有する2組の撮影データを同時に取得でき,デュアル・エナジー・サブトラクションが可能になる。また,機能診断への可能性も期待されている。 |