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GE横河メディカルシステム（株）は，放射線治療計画用のマルチスライスCT装置「LightSpeed
RT」を発売した。「LightSpeed RT」は，従来よりも10cm広い80cmのガントリ開口径に加え，呼吸同期機能を装備し，放射線治療の精度向上に貢献する4列マルチスライスCT。2003年9月に世界初の放射線治療計画用CTとして米国で発売が開始されて以来，現在までに全世界で約90台が稼動し，各国の機関から高い評価を得ている。
●主な特長
〈80cmの開口径で広い有効視野を確保〉
放射線治療では，治療前にCTなどで病変部の画像を取得し，それをもとに治療計画を策定する。ただ，従来は，CTのガントリ開口径が狭く，診断に必要な有効視野も狭い。このため，治療時に必要な器具を付けたままの計画策定のための撮影ができないなどの問題が生じている。こうしたことが，治療前と撮影時で患者姿勢を同じ形にすることと困難にし，治療精度の低下につながっていた。これに対し，「LightSpeed
RT」では，ガントリ開口径を従来のCTよりも10cm広い80cmに拡大し，有効視野を65cmとすることで，この問題を克服。治療時に大型の器具を使用する乳がんの温存療法でも，撮影時と治療時の両方で同じ患者姿勢を確保することができる。年々発症率と死亡率が増加している乳がんの放射線治療を強力にサポートする。
〈呼吸同期機能〉
米VARIAN社の呼吸監視装置（RPM：Real-time Positioning Management
System）との接続機能を持っており，RPMが取得した患者の呼吸波形とCTの連続断面画像をワークステーション「Advantage-Sim」で解析することで，各呼吸位相に合わせて撮影画像を描出することができる。この呼吸同期機能により，腫瘍が呼吸によりどのように動いているかが把握できるようになり，その動きに合わせて放射線治療を施すことが可能。従来では，呼吸による腫瘍の動きをシミュレーションすることが困難なため，治療時には腫瘍部以外にも放射線を照射する可能性があったが，腫瘍部へのピンポイント照射が可能となり，治療精度の向上につながる。 |
