東芝メディカルシステムズ(株)は,PET装置の日本市場での販売に向けて,米国CTI
PET Systems(CPS)社との事業提携を含めた購入契約を締結した。CPS社は,PET検査の黎明期である1970年代から,PET装置を開発製造している技術者達が設立。優れた技術力を有し,米国だけでなく全世界で第1位のシェアを誇る,高性能PET装置のメーカー。
東芝は,2002年4月にFDGを用いたPET検査に保険が適用されたことで,医療機関のPET検査に対する需要が急激に高まっている点に注目。今回の提携により診断から治療,医療施設の情報システム構築まで含めたトータルソリューションを提供するという事業展開の一環としてPET事業に参入し,腫瘍の診断,治療および医業経営も含めたソリューションを 提供することで日本の医療の発展に寄与していきたいとして いる。
今後,CPS社のPET装置に,ガンマカメラで実績のある東芝の優れたアプリケーション技術を組み合わせ,より診断能の高いシステムを目指す。このPETシステムと放射線治療装置「PRIMUS」を中心とした治療システムや,HIS,RIS,PACSとの連携によって,診断から治療まで含めたトータル支援システムを提供することが可能になるという。また,保守,アプリケーションサービスについても,CPS社の研修 コースを受けた技術陣によるサービス体制を構築する。
さらに同社では,PETに関する国内の有力研究機関である国立循環器病センター研究所放射線医学部が開発した,脳機能定量解析,心筋機能定量解析などの臨床応用プログラムを製品化する共同研究を加速し,国内外に応用ソフトの普及に貢献する考えで,これにより,PETの国際的技術基盤の確立に努めていくという。
なお,新製品の価格,詳細仕様に関しては,輸入販売承認時に決定する。
|