シーメンスと千葉県がんセンター
世界初の分割利用が可能な
アンギオCT「3WAYアンギオ
システム」の第1号機を稼働

(2004/7)


●問い合わせ先
シーメンス旭メディテック(株)
TEL 03-5423-8340
http://www.med.siemens.co.jp

 シーメンス旭メディテック(株)と千葉県がんセンターは,CT装置がCT室とアンギオ室の間を移動することで,アンギオとCTそれぞれ単体としての利用とアンギオCTとしての利用ができる3WAYシステムを世界で初めて本格稼働させた。
 通常のCT検査ではベッドを移動させて撮影を行うが,アンギオCTでは治療中の患者を動かさずCT装置を移動させて撮影を行う。その際,精密な検査を行うため,その移動を精密に制御する必要がある。本プロジェクトは,アンギオ室とCT室の長い距離を,重量があるCT装置(約2100kg)が移動してかつ精密な検査を行うための特殊なレール技術と制御システムを開発し,「3WAYアンギオシステム」を実現させた。また,設置環境の面でも国の設置基準をクリアするため,鉛製の自動制御間仕切り防護扉(重さ約540kg)を設置し,それぞれの部屋の漏洩X線量を基準値以下に抑えることにも成功した。これにより,アンギオCTによる検査・治療だけでなく,完全に独立した2つの検査室で,2つの検査を同時に行うことができる環境が整った。
 アンギオCTは高額なシステムであり,CT単独の検査を行うことも困難で,維持費もかかり導入が難しいシステムだった。シーメンスでは,この相反する要求を可能なかぎり実現し,経営の効率化にも貢献するものになったとしている。
 なお,今回設置されたのは「Angio CT 雅」で,アンギオ装置「AXIOM Artis dTA」と16列マルチスライスCT「SOMATOM Sensation 16」を組み合わせたもの。特に「AXIOM Artis dTA」は,フラットディテクタを搭載しており非常に鮮明な画像を描出することができる。また,血管形成術でのステントなどの視認性が飛躍的に向上し,撮像の歪みや補正,被ばく量の軽減も実現。CT画像と連動させることで,血管が三次元的につながっている臓器の治療に対して,より精度の高い診断を行うことができる。