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クラウドとモバイル時代に解き放たれる3Dの無限の可能性

【月刊インナービジョンより転載】

■冠心会 大崎病院 東京ハートセンターでの「ZIOSTATION」マクロ機能の活用法
─マクロで冠動脈の画像処理を最適化する

大崎病院 東京ハートセンター 放射線科 村上 敬

当施設では,スクリーニング検査として冠動脈CTを施行している。入院・外来問わず即日,3D画像処理を行い,医師に結果をフィードバックしている。
CT装置は「Aquilion 64」(東芝メディカルシステムズ社製),撮影したデータは0.5mmスライス厚0.3mm間隔にて最適心位相に再構成した後,ZIOSTATION(ザイオソフト社製)に転送し,3D画像処理を行っている。
冠動脈の3D画像処理では,冠動脈の器質的変化や形状を忠実に再現することが重要であり,狭窄部の有無やプラークの性状も意識して画像処理を行っている。
検査後ルーチンで作成している処理画像は,VR画像,MIP画像であるが(図1),当施設ではZIOSTATIONの「マクロ機能」を用いて冠動脈の画像処理の初期工程を自動化し,処理時間の短縮を図っている。これまで1症例20〜30分程度を要していた画像処理が,5〜10分程度短縮可能となった。外来検査の場合,検査後30分ほどで診察室に結果をフィードバックするように努めているわれわれにとって,この時間短縮効果は大きい。

図1 VR画像(a)と MIP画像(b) マクロ機能と操作性の向上で,VR画像とMIP画像の処理が5〜10分短縮された。
図1 VR画像(a)と MIP画像(b)
マクロ機能と操作性の向上で,VR画像とMIP画像の処理が5〜10分短縮された。

「マクロ機能」は,冠動脈のVR処理するために必要な心臓抽出,プリセットや背景色の適用,最適なレイアウト選択などをマクロ化しておくことで,未処理の3D画像から胸骨・肋骨・気管支・脊椎などを取り除く,手間のかかっていた前処理が,ワンクリックで実施できる (図2)。手間のかかる従来の方法で手動の前処理を行うと2分ほどかかるが,マクロ化すればワンクリックで実施でき,時間も約20秒にまで短縮される。

図2 冠動脈画像処理:マクロ処理後の画面 「寝台除去」「背景色設定」「プリセット適用」「心臓抽出」「マスク表示」まで,一連の処理がワンクリックで進んでいく。
図2 冠動脈画像処理:マクロ処理後の画面
「寝台除去」「背景色設定」「プリセット適用」「心臓抽出」「マスク表示」まで,一連の処理がワンクリックで進んでいく。

さらにVR処理過程で,使用頻度の高いマスクツールやプリセット等のツールを使いやすいよう「パレット」に登録しておくことができる。ルーチンの画像処理は,「パレット」に集約したツールを使用することで,ツールを選択するマウス操作が1か所に集中し効率的である (図3)。多機能なツールを選び,登録してシンプルに使えるという点が,非常に便利である。

図3 パレットのカスタマイズ例 画像処理では,ほとんどこのパレット 内ツールで3Dルーチンの画像処理ができる。
図3 パレットのカスタマイズ例
画像処理では,ほとんどこのパレット 内ツールで3Dルーチンの画像処理ができる。

3D画像処理の手順・方法は多種多様であるが,ZIOSTATIONの「パレット」や「マクロ機能」を上手に使用することで,3D画像処理の目的や部位に最適化したユーザーの利便性を取り入れたワークステーションとなり,日常業務に非常に役立っている。

(2009年9月号)

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