シーメンス・ジャパン株式会社

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Technical Note

2008年4月号
Abdominal Imagingにおけるモダリティ別技術の到達点

DR/DA−多軸血管撮影装置「Artis zeego」による腹部インターベンション環境の革新

林 昭人
マーケティング本部AXグループ サイエンティスト

Artis zeegoは,Cアームスタンドの各関節部に回転駆動機構を搭載した多軸方式の血管撮影装置である(図1)。多軸方式による柔軟なCアームの動きは,多彩なポジショニングや新しいイメージング環境を実現し,腹部を中心とする体幹部インターベンション環境に革新をもたらす。
本稿では,装置の概要と関連する画像支援ツールについて紹介する。


図1 Artis zeegoの外観
図1 Artis zeegoの外観
8軸の回転機構を有する多軸方式Cアームスタンドを採用。高精度で柔軟性の高いアーム動作を実現した。

■ 装置概要

1.多軸アームスタンドがもたらす多彩なポジショニング
ガントリは,Cアームスタンドの6軸の回転機構にコリメータとFDの回転機構を加えた計8軸の回転機構から構成されている。精度,自由度に優れた多軸方式ガントリは高い旋回性能を有し,サポートスタッフや周辺機器の配置状況に応じて,多彩なCアーム挿入ポジションおよびパーキングポジションを選択できる。
頭部,体幹部,四肢など全身領域での使用を想定して,FDには30cm×38cmタイプを採用し,床設置式ながら約200cmの広範囲な撮影範囲を実現した(図2)。

2.FISによる新しいイメージング環境
自由度の高い多軸方式を活用し,アイソセンターを柔軟に設定できるFIS(Flexible Isocenter System)を搭載した。例えば,透視中のパン操作(長手・横手方向への視野移動)は,コントローラを用いてCアームを平行移動させるだけであり,術者が寝台を移動させる必要はない。また,寝台高を連動させた状態でCアームの高さも変更でき,術者の身長や手技フォームに合わせた最適な作業高を選択できる。
このようにFISは,術者を中心に据えた新しいイメージング環境を提供する。

3.インターベンションに適した高い操作性と運用性
テーブルサイドに装備した専用の多次元コントローラを用いることで,術者は直感的にCアームの操作を行える。安全対策も十分に考慮されており,近接センサー・接触センサーに加え,患者保護領域の設定や安全監視機構も備えた。設置性も高く,推奨設置面積は天井懸垂式血管撮影装置とほぼ同等である。
そのほか,新しいユーザーインターフェイスや操作プロセスの採用など機能面だけでなく,操作性や運用性の面でもインターベンションに適した設計になっている。


図2 多彩なアームポジション
図2 多彩なアームポジション
目的,部位,用途に応じて,多様なアームポジションが選択可能。FISによるアイソセンターの変更も行える。

■ 先進のインターベンション画像支援ツール

1.撮影モードを拡張させたsyngo DynaCT
2004年に登場したsyngo DynaCT(オプション)は,画質・処理速度の面で機能向上が進んだ。加えてArtis zeego上では,体幹部に適した新しい撮影モードが搭載されている。
1つめが,長方形FDを体軸に対して縦方向にしDynaCT撮影を行うPortraitモードである。従来の横長での撮影(Landscapeモード)と比較し,体軸方向の撮影範囲を約25cmへと拡大できるため,大血管系や椎体などの描出で有利となる。従来のLandscapeモードと合わせ,対象の形状に最適なモードを選択できるようになった。
2つめが,FISを応用して大視野撮影を行うLarge Volume syngo DynaCT(オプション)である。これはデータ収集時の回転撮影を2回に分け,アイソセンターに対する検出器の位置を左右にオフセットさせる撮影法である。2つの偏心回転撮影データを統合して再構成することで,視野範囲は最大約47cmとCTに匹敵するほどに拡大し,肝臓をはじめとする体幹部DynaCT施行時に威力を発揮する(図3)。

2.適用領域が広がるデバイス誘導ツールsyngo iGuide
syngo iGuide(オプション)は,主に腹部の非血管系IVRにおいて各種デバイスの誘導を支援するツールである。DynaCT画像上でパスを設定でき,作成パスを透視画像上に投影表示できる(図4)。
標準的なDynaCTでは,対象と体表面とを含む広範囲撮影が難しい例もあるが,Artis zeegoでは前述の撮影モードの拡充により,パス計画に必要な視野範囲が得られやすい。さらに多軸方式Cアームでは,パス設定時の自由度が高いほか,視点の移動もアーム側で高精度に行える。
このように,本機能は多軸方式との併用により,その適用領域を拡大できる。


図3 機能拡張したsyngo DynaCT
図3 機能拡張したsyngo DynaCT
左上:Landscapeモード 右上:Portraitモード
左下:標準DynaCT 右下:Large Volume syngo DynaCT
 
図4 syngo iGuide
図4 syngo iGuide
三次元画像上(a)で計画したパスが透視画像上(b)に投影され,術者のデバイス誘導を支援する。多軸アームとの併用により,適用可能な領域が広がる。


以上,多軸血管撮影装置Artis zeegoの概要と関連機能について紹介した。インターベンション支援環境に革新をもたらす本装置の展開に,ぜひご注目いただきたい。



【問い合わせ先】 マーケティング本部 AXグループ  TEL 03-5423-8409