シーメンス・ジャパン株式会社

別冊付録

巻頭言

内藤博昭(国立循環器病研究センター病院 病院長)

2管球搭載型のDual Source CTの最新知見を報告するDefinition Symposiumも,今回が第3回目となった(2011年8月27日開催)。64スライス2管球搭載型「SOMATOM Definition」と128スライス2管球搭載型「SOMATOM Definition Flash」の普及は国内においても急速に進み,Dual Source CTの2つの大きな特長であるCardiac ImagingとDual Energy Imagingが,実臨床でさまざまな有用性を発揮している。

Cardiac Imagingでは,Definitionで83ms,Definition Flashで75msという画期的な時間分解能を実現。また,Definition Flash では,High-Pitch Double Spiral Scan(高速二重螺旋スキャン)によって,1秒間に46cmの範囲で75msの時間分解能画像が得られ,著しい低被ばくでの超高速撮影が可能となった。一方,Dual Energy Imagingでは,2つの異なるX線エネルギー照射で得られる情報から,例えば造影剤や骨,軟部組織などの生体構成成分を明確に分離した画像が得られるようになった。

会場

以上のように,これまでのDefinition Symposiumでは,Dual Source CTの最先端情報を中心に報告されてきた。しかし,忘れてならないのは,SOMATOM Definitionファミリーには,1管球型の「SOMATOM Definition AS」という,もう一つの家族がいることである。特に,128スライスのDefinition AS+は,0.30s/rotという圧倒的な回転速度と,往復運動型の連続Spiral Scanにより,検出器のカバレージに依存することなく経時的ボリュームデータを取得可能な“Adaptive 4D Spiral”という最新技術が搭載されており,4D Imaging,つまり三次元ボリュームデータのダイナミック撮影に非常に適した装置である。これからの画像診断を考える上で,この4D Imagingは欠かすことができない。

そこで今回は,従来のCardio-Vascular Imaging(SessionU)とDual Energy Imaging(SessionX)という2つのテーマに加え,SessionTにAdvanced TechnologiesとしてSOMATOM CTの技術解説を,SessionVに4 Dimensional Imagingを追加した。さらに,SessionWとして,最近大きな話題となっている逐次近似画像再構成技術に関するShort Lectureを設けた。回を重ねるごとにますます充実した内容となっている本シンポジウムは,ご参加いただいた皆様の日常臨床に大きく役立つものと確信している。

MODERATOR
内藤博昭(国立循環器病研究センター病院 病院長)

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