シーメンス・ジャパン株式会社

別冊付録

巻頭言

内藤博昭 国立循環器病センター 放射線診療部部長
MODERATOR
内藤博昭
国立循環器病センター
放射線診療部部長

2005年12月,64スライス2X線管のDual Source CT「SOMATOM Definition」が登場したときは非常に衝撃を受けた。CTの開発当初から,複数のX線管を搭載するアイデアは考えられていたが,これまで実現には至っていなかった。その最大の原因と思われる散乱線の問題を技術的に解決して,シーメンス社が開発に成功したことには驚きを隠せない。

Dual Source CTは,Cardiac ImagingとDual Energy Imagingという2つの大きな特長がある。

Cardiac Imagingは,90度に配置された2つのX線管と検出器が同時にスキャンを行うため,時間分解能83msという心拍数に依存しない高速撮影を実現し,循環器領域で高く評価されている。

Dual Energy Imagingは,物質の減弱係数がX線エネルギーによって異なることを利用して,2つの異なるピーク管電圧(80kVと140kV)のX線を照射して得られる多元的な情報から,例えばヨード造影剤や骨,軟部組織などを明確に分離した画像化を可能にする。また,80kVと140kVの画像を任意の比率で加算すると,仮想の管電圧のcomposit image(合成画像)を作成することもできる。現在,各社さまざまなDual Energy Imaging技術を研究開発しているが,ルーチンで臨床に役立つデータを出せているのは,2つの管球から異なる管電圧のX線を同時照射してデータ収集を行うDual Source CTのみである。

2008年のRSNAでは,新たに128スライスのDual Source CT「SOMATOM Definition Flash」が発表され,大きな話題になった。時間分解能75ms,FoV 330mm,ビーム幅約4cmに向上したことで,ハイピッチ・ダブル・スパイラル・スキャンによる46cm/sの超高速撮影を実現し,被ばく線量の大幅な低減も可能にした。また,Dual Energy Imagingにおいても,X線スペクトルの分離により,精度が向上することが期待される。

今回の第1回Definision Symposium(2009年8月29日開催)では,前半のSessionT:Cardiac Imagingで3題,後半のSessionU:Dual Energy Imagingで4題の講演が行われる。さらにSessionTとUの間に,SOMATOM Definition Flashの国内第1号機導入施設からのSpecial Reportが予定されている。

本日は,初めてのDual Source CTのシンポジウムとして,実りある内容になるものと期待している。

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