フィリップスエレクトロニクスジャパン
Technical Note

2010年1月号
Cardiac Imaging最前線−最新CTがもたらすイノベーション

CT−Patient Interface Module(PIM)の必要性

近年,心臓CT検査は多くの施設で実施され,1つの検査として確立されつつあるが,いくつかの課題も残している。その1つに被ばく線量の問題があり,各施設では各種の被ばく低減を行っているものと思う。冠動脈検査に限定した場合,フィリップスでは1つの手法として,プロスペクティブ心電同期アキシャル撮影のStep & Shoot Cardiac法による低被ばく検査が可能である。

■ PIM開発の背景

Step & Shoot Cardiac法はプロスペクティブ心電同期アキシャル撮影のため,事前数心拍から撮影中の心拍を想定し,拡張中期に存在するであろう心拍静止期にねらいを定めて撮影を行う。撮影中の突発的な期外収縮に対しては,スキャンを1心拍スキップさせる機能を備えることによりすでに対応しているが,従来の心電計では波形の感知にディレイがあるため,不整脈の発生時にスキャンを途中でキャンセルしスキップさせていた。

■ QRS complex

Patient Interface Module(PIM:図1)は,安定した心電図の読み取りを行うために4極方式を採用し,従来のR波感知ではなくQRSの変化波形として感知する。性能評価試験では,無作為に選択した331症例の心電図波形に対してSensitivity:99.96%,Positive Predict Value:99.4%という検出能力を示した。これにより,図2のようにノイズやtall T波をR波と間違えて感知することはなく,短時間に感知できるため,正確なプロスペクティブ心電同期撮影が行え,低被ばく撮影の検査の幅を広げる

図1 Patient Interface Module(PIM)
図1 Patient Interface Module(PIM)

図2 正確なQRS波形認識
図2 正確なQRS波形認識

■ ワークフローの改善

PIMは,心電同期広範囲検査が可能となっている最新のシステムに対応するために,寝台からの着脱式とし,寝台と一緒に移動することによりリードの引っ張りなどが起きないよう設計されている。また,心電図情報は,操作室モニタおよび検査室ガントリタッチパネル(図3)にも表示され,心臓検査をサポートする。PIMは,日常の冠動脈検査を支援する機能としてBrilliance iCTシリーズ(図4)に搭載され,心電図装着や撮影後の心電図エディットにかかわるワークフローを大きく改善する。

図3 ガントリタッチパネル
図3 ガントリタッチパネル
図4 Brilliance iCTシリーズ
図4 Brilliance iCTシリーズ


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