GEヘルスケア・ジャパン

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Technical Note

2010年1月号
Cardiac Imaging最前線 −最新CTがもたらすイノベーション−

CT−冠動脈CT検査におけるGEの最新技術

MDCTの登場により,冠動脈CT検査は研究的な要素からルーチン検査という位置づけに変遷した。現在では,MDCTによる冠動脈病変評価の有用性に関する報告は国内外の多くの施設で行われている。
MDCTによる冠動脈疾患の検査では,高心拍,不整脈,呼吸性変動などさまざまな阻害因子があると言われている。これらは,β遮断薬の使用や呼吸方法の練習等で改善を図ることができるが,予期せぬ不整脈やβ遮断薬の使用不可能な症例においては,これらの方法では回避できない場合もある。CT装置の進化によって,心拍変動や不整脈の異常な波形を感知し,リアルタイムにアラートを出す機能(ECG Alert)や,心電波形上で画像再構成のトリガーを任意位置に設定できる機能(ECG Editor2)など,不整脈対策の機能も充実してきており,冠動脈CT検査はより幅広く活用することが可能となった。
また近年では,同じ内容の結果を得るためであればより低侵襲の検査が望まれており,代表的な低被ばく心臓スキャン法として,コンベンショナルスキャン+テーブル移動を数回繰り返し,より低被ばくで撮影する技術(SnapShot Pulse)がある。図1は,SnapShot Pulseで撮影した症例であるが,従来の心臓CT検査の被ばく線量が平均で7mSv程度であったのに対し,1mSvをも切る被ばく量で十分に診断できる画像が収集可能となった。さらに,このSnapShot Pulseは進化し,リアルタイムに不整脈を感知して,不正な波形時には撮影をせず,次の波形まで待って撮影する機能(Adaptive Gating)も付加された(SnapShot Pulse2:図2)。


図1 SnapShot Pulse
図1 SnapShot Pulse

図2 Adaptive Gating
図2 Adaptive Gating
Irregular Beatが発生したら,それを避けて撮影する。
Irregular Beatを何回まで避けるかの設定も可能である。

また,新しい画像再構成法“ASiR(Adaptive Statistical Iterative Reconstruction)”は,高解像度高画質を最小限の被ばく線量で実現可能とした。この画像再構成法は,逐次近似法を応用し,ノイズやアーチファクト成分のみの除去を可能にした画期的な画像再構成方法である。ASiRを使用することにより,X線量を半分に落としたとしても,十分なSNRを保つことが可能となる(図3)。


図3 ASiRの原理
図3 ASiRの原理

GEヘルスケアは,常に最良の診断画像を最小限の犠牲(被ばく)で提供可能な装置の開発を進めてきた。MDCTを世界に先駆けて開発・発表し,最適な線量で最適な画像収集を可能としたCT-AEC機能(Auto mA)を早くから実用化した。また,心臓CT撮影による被ばく線量を,ヘリカルスキャンと比較して最大90%も低減可能とする撮影法(SnapShot Pulse)も早くから実用化し,いまや多くの施設で積極的に使用いただいてる。



【問い合わせ先】 CTセールス&マーケティング部 TEL 0120-055-919