GEヘルスケア・ジャパン

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Technical Note

2009年7月号
特集1−ボーダレス時代のPACS & WS選び−PACS最新技術

PACS−あらゆる画像を一元管理可能な新世代医療画像情報システム「Centricity PACS」

●高速画像表示を実現!

「Centricity PACS」(図1)は,シリーズ発売当初からオンデマンドによる高速画像表示を実現している。Centricity PACSでは,GE独自の可逆画像圧縮技術である“Progressive Wavelet”により圧縮して高速画像転送を行う。さらに,“ダイレクトメモリアクセス”により,ハードディスクに書き込みすることなく,直接メモリに展開し画像表示することで高速化を実現している。
これらの技術により,オンラインサーバにあるすべての画像をオンデマンドで高速表示することを実現した。例えば,2000画像のCT検査を数秒以内に表示することが可能で,そのままページングが行える。近年,CTやMRI等のモダリティから出力されるデータの量は爆発的に増加しているが,高速画像表示は,これらの多量の画像を快適に読影するための,PACSで最も重要な基本機能である。

図1 高速画像表示を実現したCentricity PACS
図1 高速画像表示を実現したCentricity PACS

●豊富なアプリケーション!

PACSは,静止画の保管,配信を担うシステムであると広く認識されているが,Centricity PACSは動画,3Dを含むすべての画像をPACSで一元管理するというコンセプトでデザインされている。したがって,CentricityシリーズのすべてのWSおよびWebアプリケーションにおいて,静止画,動画を表示させることができる。
3D画像については「Centricity AW Suite」を使用することにより,2Dと同時に3D画像を表示し連動させることが可能となっている。「Centricity RA1000」から起動が可能なため,スタンドアローンタイプの3D WSに移動する必要がない(図2)。最新のAW Suite では,“Advanced Vessel Analysis”,“Card IQ”など,「Advantage Workstation」で定評のあるアプリケーションを搭載している。特に,肺の病変診断をサポートする“Lung VCAR”(図3)においては,画像診断におけるアシストアプリケーションとして,結節の描出,体積などの値を経時的にとらえることが可能になっている。作成されたデータは,スクリーンキャプチャーはもちろん,3Dボリュームデータでの保存も可能であるため,複数のユーザーがデータを共有,加工することも可能である。
また,モダリティ特有の表示もサポートしている。これまで専用WSで行われることが多かったマンモグラフィの読影をPACSのWSで行えるように,Centricity RA1000ではデジタルマンモグラフィで多用されるミラー表示に対応している。“マンモワークフロー”というアプリケーションにより,シナリオ表示や専用のツールも使用可能となっている。さらに,GEのデジタルマンモグラフィ装置「Senographe」とCAD (Computer- Aided Detection)の組み合わせにより,Centricity RA1000上でCADのマーカーの表示が可能である。マンモグラフィ専用WSのみならず,読影用WSにおいてもCADを活用することで,さらなる効率化が期待できる。


図2 3D解析も可能なCentricity PACS(RA1000&AW Suite)
図2 3D解析も可能なCentricity PACS(RA1000&AW Suite)
図3 3Dでの過去画像との比較が可能なLung VCAR
図3 3Dでの過去画像との比較が可能なLung VCAR

●進化し続けるCentricity PACS!

Centricity PACSは,大学病院や地域の基幹病院をはじめ全国の病院で多数の実績を有しており,フィルムレス運用や電子カルテとのシームレスな連携を実現することで病院の効率化をサポートしている。今後,さらに高機能なアプリケーションにより,画像データが持つ情報をあますことなくユーザーに伝え,人々が有機的につながることのできる医療画像情報システムの開発をめざしていきたい。



【問い合わせ先】 ヘルスケアIT事業部  TEL 0120-202-021