Spring of 2011—モダリティWeb展示会

AZE

インテグラルワークフローを追求したアプリケーション

今回AZEが提案する「インテグラルワークフロー」とは,ワークステーションが受け持つタスクを統合的に管理し,高速演算技術によりスムーズに実行させるシステム構想です。このシステムの最適化により「AZE VirtualPlace」では,これまでにない高速データローディングと高速データ転送を実現しています。ここではソフトウェアの解析速度や操作性を十分に生かすことで,ユーザーへのストレスを大幅に低減できるシステムとアプリケーションを紹介します。

●CT細血管解析ソフトウェア
新しく改良された「CT細血管解析ソフトウェア」

今回新しく改良されたCT細血管解析ソフトウェアは,独自の並列演算処理と負荷分散技術を取り入れ,既存のワークフローを損なうことなく解析速度や血管抽出精度の向上を実現しています(図1)。
新機能を3つ紹介します。まず1つ目は画面レイアウトです。読影およびレポーティング,画像保存など,目的に応じたレイアウトに改善されました。最適化されたレイアウトでは,1本の血管をあらゆる角度から閲覧でき,詳細な血管の情報を得ることができます。2つ目はVRとCPRとの角度連動機能です(図2)。角度連動機能により,見た目にも直感的にわかりやすい情報提供を可能にしています(図3)。3つ目はレポーティングです。抽出された血管のストレッチCPRや直交断面,VRなどは指定した角度をすべてワンクリックで保存することができます。さらに,より迅速な評価とレポーティングを可能にする冠動脈病変評価チェックシートを搭載しました。
今回CTで使用されている技術は,MRI細血管解析ソフトウェアにも応用され,冠動脈MRAにおいて高精度な心臓抽出を可能にしています。左心耳や肺動脈だけでなく,心臓を取り巻く心嚢水などの高信号成分をボタンのワンクリックで除去できるようになりました。この機能により,MRI心臓データ処理時間を大幅に削減できます。

図1 新・CT細血管解析 バックグラウンド処理技術により,処理中もダブルオブリーク操作が可能になります。
図1 新・CT細血管解析 バックグラウンド処理技術により,処理中もダブルオブリーク操作が可能になります。
図2 新・CT細血管解析ーCPR重視レイアウト 連動したCPRや直交断面に対してあらゆる角度から血管の状態を評価できます。
図2 新・CT細血管解析ーCPR重視レイアウト 連動したCPRや直交断面に対してあらゆる角度から血管の状態を評価できます。
図3 新・CT細血管解析 シンプルなインターフェイスで迅速に結果を提供します。
図3 新・CT細血管解析 シンプルなインターフェイスで迅速に結果を提供します。
 
●フュージョンEX
ワンクリックでレジストレーションできる自動画像融合ソフトウェア

「フュージョンEX」は,AZEが独自に開発し国内外の学会で評価を得た「アトラス法」を用いた形態画像と機能画像の自動画像融合ソフトウェアです(図4)。ワンクリックでレジストレーションが完了するため,高い定量性と再現性があります。このレジストレーションは,CTとRIのみならずMRIとRIでも操作が可能で,より非侵襲的な画像の作成を可能にしています。rest画像とstress画像の3D比較機能,bull's eye比較機能も搭載しており,より説得力のある画像を出力することができます。また,rest画像とstress画像によるwash-outの計算を行うことで,灌流異常部位を描出することが可能です。

図4 フュージョンEXソフトウェア Rest画像とstress画像の3Dとbull's eyeとを比較表示することができます。
図4 フュージョンEXソフトウェア
Rest画像とstress画像の3Dとbull's eyeとを比較表示することができます。

●肝臓解析ソフトウェア
新レンダリング技術の採用により肝臓内部の血管走行を明瞭に表現

肝臓には動脈,門脈,静脈などの血管系が存在し,複雑に走行しています。その内部の血管走行をあらかじめ知っておくことは,肝切除術の術前情報として非常に重要です。肝臓解析ソフトウェアでは,新しいレンダリング技術を採り入れることにより,肝臓内部の血管走行を明瞭に表現することを可能にしました(図5)。さらに,血管支配領域をシミュレートした際の境界面にMPRを表示させることも可能です(図6)。それぞれの血管の位置関係や距離,腫瘍付近の血管の詳細情報,および対象物の肝臓表面からの位置関係などを明瞭に表現することができます。

図5 肝臓解析ソフトウェア 新しいレンダリング法を用いることで肝臓内の血管走行を明確に表示します。
図5 肝臓解析ソフトウェア 新しいレンダリング法を用いることで肝臓内の血管走行を明確に表示します。
図6 肝臓解析ソフトウェア カット面にMPRを表示させることで,組織に対する血管走行を明確に表示できます。
図6 肝臓解析ソフトウェア カット面にMPRを表示させることで,組織に対する血管走行を明確に表示できます。
●ダイナミック4D解析
対象物体のタイムデンシティカーブを描画し血流速度などを評価

ダイナミック撮影ではターゲットの造影パターンによって腫瘍診断が行われます。新たに開発されたダイナミック4D解析は,対象ROIのタイムデンシティカーブを描画し,血流速度などを評価できるソフトウェアです。すべての時相のデータ間で非剛体レジストレーションを行うことによって,画像全体を補正し,より正しい値を抽出できるシステムとなっています(図7)。すべての時相に対する画像補正はワンクリックで行うことができるため高い再現性があります。補正されたデータを使いカーブフィッティングを行うことで,ダイナミックデータから血流速度値を算出できるシステムを構築中です。

図7 ダイナミック 4D解析 補正を施すことでより精度の高い解析を行うことができます。
図7 ダイナミック 4D解析 補正を施すことでより精度の高い解析を行うことができます。

●AZE VirtualPlace
新しい発想による新型プラットフォーム

AZEは,これまでの発想を一新したプラットフォームを開発中です。これはAZE VirtualPlaceの機能性を引き継いだまったく新しいソフトウェアです。ソフトウェアとしての中心部分を根本から開発することで,従来では想像もできなかった利便性の高いネットワーククライアントシステムやインターフェイス,解析機能を提供することができるようになります。新しい発想によるプラットフォームは,世界最先端の医用画像工学技術をスムーズに採り入れ,その効果をいち早く医療へ還元することを実現します。そのインターフェイスは,スマートフォンやタブレット端末などでも高い操作性を発揮できることを目的として設計され,「マニュアルを読まずに誰もが使える」ストレスを感じさせないインターフェイスを目指しています。

問い合わせ先:
株式会社AZE
〒100-0005
東京都千代田区丸の内1-8-1 丸の内トラストタワーN館13F
TEL 03-3212-7721 FAX 03-3212-7722
E-mail info@aze.co.jp
http://www.aze.co.jp/