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RSNA2010

■Ziosoft
  次世代の4D解析技術であるPhyZiodynamicsを前面に技術力をアピール

RSNA2010 [第2日目:11月29日(月)]

  Ziosoftは,スーパーコンピューティング技術に基づき同社が独自に開発した最新画像処理技術“PhyZiodynamics”を前面に出した展示を展開した。ブース正面のPhyZiodynamicsコーナーでは,さらに一歩進めた“PhyZiodynamics inVivo”(W.I.P.)という最新の技術を含めてデモンストレーションを行い,Ziosoftが持つ高い技術力をアピールした。ブース内では,3D医用画像処理ワークステーション「ziostation2」に搭載,あるいは搭載予定のアプリケーションを中心に展示を構成した。CTでは,肺(COPD),肝臓,冠動脈,大腸解析の改良版を展示,MRでは,冠動脈解析の改良版をはじめ,新しく心機能,心筋パフュージョン,遅延造影解析や脳神経トラクトグラフィなど,MRに関してはフルラインアップをそろえた。これらのアプリケーションの一部には,すでにPhyZiodynamics技術が応用されており,同社の先進的な技術力が他社にない機能を実現していることを印象づけた。また,VersaWebを用いたiPadによる3D画像参照のネットワークソリューションなども展示した。

【ザイオソフトのRSNA2010最新情報ページ】
http://www.zio.co.jp/rsna/index.html
【PhyZiodynamics動画サイト】
http://www.ziosoftinc.com/index.php?option=com_content&view=article&id=94&Itemid=159


Ziosoftブース
Ziosoftブース
PhyZiodynamicsを前面に展示
PhyZiodynamicsを前面に展示

●PhyZiodynamics & PhyZiodynamics inVivo

  PhyZiodynamicsは,独自の画像解析アルゴリズムと膨大なデータ処理が可能な高速化技術によって実現された技術で,大量の画像データを最適に高速に処理することができる。その結果,心臓や脳の詳細な構造を4Dで解析することを可能にし,モダリティから得られるさまざまな情報を融合して,動きの中で生体情報を可視化できる。PhyZiodynamicsは,現在,アメリカのハーバード大学,クリーブランドクリニック,メイヨークリニック,UCSF,UCSTなど,主要な大学や研究機関との共同研究が始まっている。

  さらに,今回は“PhyZiodynamic inVivo”(W.I.P.)という,最新の技術が参考出品された。inVivoでは,4Dで画像処理を行うことが可能で,1万6000スライスの画像をリアルタイムに処理できる。それによって,心臓や脳の内部の動きがリアルに観察でき,従来には考えられなかった知見が得られるという。デモコーナーでは,心臓の4D再構成による弁の動きや,脳神経領域で血流とパフュージョンのデータを重ね合わせた4D Brain perfusion,4D SPECT/CTなどの画像が紹介されていた。

山村雅夫社長
山村雅夫社長
(PhyZiodynamicsの動画はこちらへ)4D Brain perfusion
4D Brain perfusion


4D心機能フュージョン
4D心機能フュージョン

心臓の弁の動きをなめらかに表示
心臓の弁の動きをなめらかに表示


●ziostation2の最新のアプリケーション

  3D医用画像処理ワークステーション ziostation2 のCT, MRの最新アプリケーション類をモニタで紹介した。ziostation2では,自動抽出機能や自動前処理機能,医療機関のワークフローにあわせてパレットやメニューの変更・登録が簡単に行えるカスタマイズプロトコル,目的に合った画像作成を素早く行えるクリニカルガイド機能を搭載して,使い勝手の向上が図られている。


●CT大腸解析

  CT Colonography(CTC)検査における前処置で,バリウムやガストログラフィンで標識した残渣,残液を画像処理で取り除く,エレクトロニッククレンジング機能を紹介した。同社独自開発のVGP表示を含め,2体位を同時に表示観察が可能であり,簡便なワークフローも提供されている。今年(2010年)11月から開始された国立がん研究センターでのCTCスクリーニング検査で実際に使用が始まっている。

CTCのエレクトロニッククレンジング機能
CTCのエレクトロニッククレンジング機能


●CT肺野・気管支測定

  CTによる肺のCOPD(慢性閉塞性肺疾患)における気管支解析では,気管支の抽出が自動で行われ,1クリックによる気管支のパスの作成,ストレートCPR像 が自動で表示され,気管支の短径,長径,壁厚などの計測も簡単に行える。また,肺のボリュームの測定も自動で行われ,肺の低吸収域(LAA%)の表示なども容易に行える。

CT気管支測定
CT気管支測定
CT肺気腫ボリューム解析
CT肺気腫ボリューム解析

●CT肝臓体積測定

  CT肝臓体積測定では,PhyZiodynamicsの技術を応用して,門脈相,動脈相,静脈相の抽出と,高精度な位置合わせが可能となり,ボリュームでの肝臓の抽出が高精度に自動で可能になった。 左葉,右葉の自動分割,8区域の自動分割等,実用的な機能が搭載されている。

CT肝臓体積測定
CT肝臓体積測定


●CT冠動脈解析

  冠動脈解析のアルゴリズムを改良して,冠動脈のセンターを正確に素早く抽出できるよう機能を向上し,ワンクリックで,血管の選択,CPRやストレートビューを表示できる。

CT冠動脈解析
CT冠動脈解析


●MR冠動脈解析

  MRの冠動脈解析の画面をCTと同様のレイアウトに変更し,血管抽出の精度も向上した。  定評のあるziostationのCT冠動脈解析のインターフェイスを適用することで,CTと同様の使い勝手を実現した。

MR冠動脈解析
MR冠動脈解析


●MR心機能解析

  従来,左室(LV)だけだった心機能解析を,右室(RV)の解析も可能にした。心機能解析では,PhyZiodynamicsの技術を応用し,心筋の壁の自動抽出と自動補間機能によるワンクリックのオートトレース機能を搭載している。

MR心機能解析
MR心機能解析


●MRストレイン解析

  MR心機能解析の中で,心臓にタグをつけてその動きを観察する“タギング”の機能(W.I.P.)を開発中のアプリケーションとして紹介した。PhyZiodynamicsの技術を応用したもので,3T MRIによる高画質とタギング機能と組み合わせることで,新しい知見が期待されている。

MRストレイン解析(W.I.P)
MRストレイン解析(W.I.P.)

●VersaWebとiPadによるネットワークソリューション

  “ziostation2 zioMobile Gateway”によって,ziostation2の3D画像をiPadで表示,拡大などの操作を行うネットワークソリューションを紹介した。iPadでは,ワークステーションレベルの画質を保ちながら,iPadのピンチやフリックなどでの操作ができる。zioMobileは,通信回線の帯域を選ばないため,ネットワークではもちろん,WI-FIのような無線環境,ナローバンドでも利用が可能だ。

VersaWebとiPadでワイヤレスで3D表示
VersaWebとiPadでワイヤレスで3D表示
iPadでもワークステーションと同等の画質で操作が可能
iPadでもワークステーションと同等の画質で操作が可能

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