ホーム の中の 取材報告 の中の RSNA2010の中の Philips Healthcare―新しいコンセプト「Imaging2.0」を柱に多数の新製品が登場 Vol.2 【X-ray・US】

RSNA2010

■Philips Healthcare
  新しいコンセプト「Imaging 2.0」を柱に多数の新製品が登場 Vol.2
  【X-ray・US】

RSNA2010 [第2日目:11月29日(月)]
●X-ray―超音波と連携する血管撮影装置や女性医療に対応するマンモグラフィを展示

  フラットディテクタを搭載した外科用移動式CアームX線撮影装置「Veradius(ベラディウス)」(日本でも2010年5月より販売)を展示した。フラットディテクタには,27cm×27cm(12インチ相当)のパネルを採用し,いろいろな診療科で使えるように汎用性を意識したデザインになっている。フラットディテクタによって,広いダイミックレンジと高コントラストの画像を提供し,I.I.に比べてひずみや線量の低減を実現している。表示モニタは,18インチカラー液晶モニタを採用し,BVシリーズから引き続き,上下動や回転移動がスムーズにできる使いやすい設計になっている。

  血管撮影装置は,全身のインターベンションに対応する汎用性の高いAllura Xper FD20を展示。FD20では,56インチの大型マルチモニタ「FlexVision」を搭載している。FlexVisionは,複数の入力信号を扱うことができ,信号の変更やレイアウトのカスタマイズ,拡大,縮小が簡単に行える。モニタは,FD20に統合されており,ベッドサイドのXperモジュール(操作卓)から,術中に画像の変更やレイアウト,入力ソースの変更などが操作できる。また,本体内にバックアップの電源系を内蔵し,一部が壊れても残った部分で表示が継続して可能な設計になっている。ケーブルを太くしてノイズの影響を減らし,画像の劣化を防ぐほか,拡大表示では間隙補間,辺縁処理などの画像処理をして,最適な画像が表示できる機能を搭載するなど,インターベンションに特化したモニタになっている。

  FD20は,超音波診断装置とのインテグレーションも可能で,Xperモジュールからの超音波画像のコントロールを可能にする(日本国内薬事未承認)。また,インターベンションと手術を連携して行うハイブリッドORへの対応としては,テーブルをオペ専用テーブルに変更可能で,マッケ社のテーブルとシステムをインテグレーションしている。日本では,国立循環器病研究センターでの稼働を予定している。アプリケーションとしては,3D-RA,XperCT,3Dロードマップ,MR,CTの画像を利用したナビゲーション機能を紹介していた。新しい機能としては,XperCTの進化形として,脳神経外科領域での血管狭窄に対するステント留置術のフォローなどに使われる,静脈造影画像のCTライク画像であるVasoCTを搭載した。

  マンモグラフィは「MammoDiagnost DR」を出展した。直接変換方式のフラットディテクタを搭載したデジタルマンモグラフィ装置で,87μmのピクセルサイズで,撮影後6秒で画像が表示される。表示方法の選択など,使い勝手の向上を図っているのが特長だ。フィリップスでは,ウィメンズヘルスケア(WHC)として,女性医療に対してトータルのソリューションを提供するアプローチで,マンモグラフィのラインナップを加えることで,MRI,超音波とあわせてWHCに対するソリューションをトータルに提供していくという。MammoDiagnostDRは,日本では2011年1月から本格販売を予定している。

直接変換方式フラットディテクタ搭載の「MammoDiagnost DR」
直接変換方式フラットディテクタ搭載の「MammoDiagnost DR」

外科用移動式CアームX線撮影装置「Veradius」
外科用移動式CアームX線撮影装置「Veradius」

血管撮影装置「Allura Xper FD20」
血管撮影装置「Allura Xper FD20」

56インチの大型マルチモニタ「FlexVision」
56インチの大型マルチモニタ「FlexVision」


●US―3D,4Dデータを1秒で収集可能なxMATRIXテクノロジーを搭載

  超音波では,腹部汎用超音波診断装置iU22の後継機で,xMATRIXテクノロジーを搭載して機能を大幅にアップした「iU22 xMATRIX」(日本国内薬事申請中)を発表した。iU22 xMATRIXの特長は,X6-1プローブに搭載されたxMATRIXテクノロジーである。プローブの表面に,9220の独立した素子を配列し,独立したトランスデューサーで処理することで,2Dのイメージクオリティの向上を図ると同時に,3Dボリュームデータを約1秒で表示できる。これによって,プローブを動かすことなく,CTやMRと同じようなボリュームデータが得ることができ,縦,横,深さ方向など任意の断面の画像を表示することができる。また,3D,4Dデータの収集が可能で,スライス数や厚さをコントロールすることもできる。さらに,PACSとの連携機能を強化して,ボリュームデータからスライス画像の転送などが簡単にできるようにした。これは,PACSのベンダーを問わず対応可能で,Imaging 2.0のコンセプトを取り入れて開発した機能のひとつだという。

腹部汎用超音波診断装置「iU22 xMATRIX」(日本国内薬事未承認)
腹部汎用超音波診断装置「iU22 xMATRIX」(日本国内薬事未承認)

9220素子を備えたX6-1プローブ
9220素子を備えたX6-1プローブ

3D,4Dデータの収集が可能で,任意の断層像で観察可能
3D,4Dデータの収集が可能で,任意の断層像で観察可能

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