MRIは,1.5T MRI 「ECHELON」(日本ではECHELON Vega),1.2T 高磁場オープンMRI 「OASIS」,永久磁石型0.4T MRI 「APERTO Lucent」(日本国内未発売)が展示された。
同社が磁石,電源からワークステーションまで,すべてを独自で開発したOASISは,超電導型オープンMRIとしては世界最高の1.2Tの静磁場強度を誇る。アプリケーションは1.5TのECHELONと同じものをほぼカバーしているほか,垂直磁場方式によってトンネル型1.5T装置と同等の高画質が得られ,閉所恐怖症の患者さんが多い米国では,オープンタイプでありながら優れた検査性能を有する装置として高く評価されている。また,ECHELONは,ガントリ長160cmのショートボア,強力な傾斜磁場性能(33mT/m,150T/m/s),高機能撮像シーケンスに対応した基本性能,さまざまなアプリケーションによって,患者さんへのやさしい検査環境の提供と,将来の高い拡張性,高画質画像の提供を実現している。今回の展示では,この2つの製品に搭載されている同社独自の優れた技術や,現在開発中のアプリケーションを中心に紹介された。
なかでも,静磁場の乱れを高精度に補正する技術“HOSS”は,通常,被検者がガントリ内に入ることで乱れてしまう静磁場を,高度なシミング技術によって均一に保つことができる。これにより,特に脂肪抑制を高精度に行うことができる。さらに,パネルでは,現在開発中の優れたアプリケーションとして,岩手医科大学との共同研究によって開発された“Plaque Imaging”,神戸大学との共同研究によって開発された“μ TE”などが紹介された( いずれもW.I.P.)。Plaque Imagingは,血管内のプラークを画像化する技術。超音波やCTなどでも存在診断は可能だが,Plaque Imagingでは,RADARという同社独自のラディアル計測技術によって,プラークの信号強度のきわめて微妙な違いを認識し,高いコントラスト分解能によって性状評価までも可能となった。信号強度の違いを色分けして表示することも可能であり,視覚的に非常にわかりやすくなっている。
μ TEは,360μ秒程度の非常に短いTEをとり,通常のT2データと差分することで,腱や靭帯,軟骨などを画像化する技術。腱や靭帯,軟骨の状態が詳細に描出可能となり,従来よりも詳細な損傷の評価が可能となる。
このほか,永久磁石型装置では,日本以外のアジアを中心に販売を行っている0.4Tの「APERTO Lucent」が展示された。デザインが一新されたほか,ECHELONなどの高磁場装置に搭載されているRADARが新たに搭載された。 |