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RSNA2009

■学術セッション(CAD,肺,肝臓)の研究報告

RSNA2009 [第4日目:12月2日(水)]

午前のRefresher Coursesでは,肝臓,脳,筋骨格系を対象としたCADのセッション(8:30 〜10:00)を拝聴した。このセッションでは,最初に,CTやMRなど3次元の医用画像に対応したセグメンテーションや表示を支援する医療用画像処理ツールキット(MITK: http://www.mitk.net/)が紹介され,人体臓器のセグメンテーションのサポートやボリュームレンダリング表示などが示された。MITKはオープンソフトウェアであり,無料でダウンロードできるため,筆者の研究に利用できるか検討してみたいと思った。続いて,脳の解析,骨格を対象としたCADの順に紹介された。骨格を対象としたCADでは,肋骨や椎体の骨折の自動検出や,骨粗鬆症の評価を支援する研究などが紹介された。

続いて,午前のScientific Sessionsで肺のセッション(10:30〜12:00)に参加した。しかし,肺だけでも2つのセッション(「肺結節の評価」と「定量的画像化」)があり,いずれも興味深い内容であるため,筆者はどちらに参加するか迷ったが,昨日は肺結節の発表に参加していたため,今日は「定量的画像化」に参加することにした。このセッションでは,肺がんのリスク,胸水,線維症,COPDなどの定量化や血流の評価などについての発表があった。また,「肝臓の線維化」のセッションで筆者等の研究グループによる発表があるため,筆者も途中から「肝臓の線維化」のセッションに移動した。筆者等の研究グループでは,3TのMRタギング画像を用いた肝臓の硬さを定量化の内容で発表を行った。発表が終わると研究内容について質疑応答で活発に議論されるなど,参加者等に好評に受け止められていた。

午後のScientific Sessionsでは,去年まで筆者等の研究室に所属していたG.Lee先生の発表があるため,Physics「CAD:胸部」のセッションに参加した。このセッションでは,マンモグラフィーにおける病変の良性と悪性の識別など興味深い発表がいくつもあり,参加者達は熱心に耳を傾けていた。

また,先ほどのセッションの間に,Education Exhibitsの受賞が発表されていた。筆者の演題は受賞しなかったが,G. Lee先生の演題がCertificate of Meritに受賞しており,関係者全員で喜びをわかちあった。

インナビネット記者 林 達郎(岐阜大学)


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