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RSNA2009

■学術セッション(Physics)におけるCADの最新の研究発表

RSNA2009 [第1日目:11月29日(日)]

RSNAのScientific Papersはマルチセッション方式で進められる。日曜日の午前は,24のセッションが並列に進行した。筆者は,Physics (CAD: Thoracic, Abdominal, and Vascular) のセッション (10:45〜12:15) に参加し,多くの興味深い研究を拝聴した。研究内容の一部を挙げると,Curved multiplanar reformatting (CMPR) 技術を用いたアテローム性動脈硬化症の自動検出法,冠状動脈の石灰化の自動スコアリング,ヘッセ行列とsupport vector machineを用いた全自動かつ高速なMR画像を用いた前立腺のコンピュータ支援検出法,MRA画像における動脈瘤のコンピュータ支援検出法,3D Zernike descriptorsを用いた肺結節の自動検出法,CT画像からの肝臓HCCの検出法などが報告された。この中で,筆者の印象に残った研究は冠状動脈の石灰化の自動スコアリングである。この研究は,肺がんのスクリーニングのために低線量の胸部CT画像を撮影したとき,画像上に同時に描出される冠状動脈のリスクの推定も行うことを目的としたものであり,肺がん検査と同時に追加の被曝なしに冠状動脈の検査も可能であるため,患者にとって有用であると考えられる。また,別の研究では,CT画像から肝臓のHCCを自動検出する演題についても,FPが1症例あたり1.9個と良好な結果が示されており,興味深い内容であった。

インナビネット記者  林 達郎(岐阜大学)


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