第16回オートプシー・イメージング(Ai)学会学術総会が開催

2018-8-9

AI(人工知能)


台風をもろともせず321名が参加

台風をもろともせず321名が参加

第16回オートプシー・イメージング(Ai)学会学術総会が2018年7月28日(土),29日(日)の2日間,つくば国際会議場大ホール(茨城県つくば市)で開催された。大会長を小林智哉氏(筑波メディカルセンター病院放射線技術科),実行委員長を早川秀幸氏(筑波剖検センター)が務め,大会テーマには「We are team Ai〜Aiを担う多職種の輪〜」が掲げられた。初日の28日に開会の挨拶に立った小林氏は,6〜7月に開催されたサッカーのロシア・ワールドカップについて触れ,サッカー同様Aiもチームプレーが大事と述べた。そして,茨城県の名産である納豆のような粘りのあるチームプレーでAiに取り組んでほしいと,今回のテーマに込めた思いを語った。さらに,小林氏は,日本はAiの先進国であり,最新情報を世界に発信していくことが重要だと訴えた。

大会長:小林智哉 氏(筑波メディカルセンター病院)

大会長:小林智哉 氏
(筑波メディカルセンター病院)

   

 

開会挨拶に続き,オープニング講演が行われた。河野元嗣氏(筑波メディカルセンター病院救急診療科)が座長を務め,大橋教良氏(帝京平成大学健康科学研究科)が「PMCT(Post Mortem Computed Tomography検査)事始め」をテーマに講演した。大橋氏は1985年に開院した筑波メディカルセンター病院の救急部長となったが,同院では開院当時から現在のAiであるPMCTに取り組んできた。同院が日本初のPMCTを行ってから30年以上の時を経て,Aiは社会インフラとして普及している。大橋氏は,CTの歴史について概説した上で,PMCTを始めた理由として,CTの普及,当時監察医制度がなかったこと,承諾解剖が困難であったこと,救命救急センターが普及してきたこと,同院が新設であったことなどを挙げ,それぞれの背景を説明した。その後,大橋氏が,PMCTは死因究明に役立つことなどを学会誌などで発表していくうちに,Aiの有用性が知れ渡るようになり,今日の発展に結びついている。オープニング講演は,日本におけるAiの原点を探るものとなり,多くの参加者から拍手を贈られながら,大橋氏は降壇した。

オープニング講演座長:河野元嗣 氏(筑波メディカルセンター病院)

オープニング講演座長:
河野元嗣 氏
(筑波メディカルセンター病院)

オープニング講演:大橋教良 氏(帝京平成大学)

オープニング講演:
大橋教良 氏
(帝京平成大学)

 

 

続く,一般演題のセッション1では,阿竹 茂氏(筑波メディカルセンター病院救急診療科)と藤田法久氏(龍ヶ崎済生会病院放射線技術科)が座長を務め,「マネージメント」をテーマに,5演題の発表があった。また,休憩を挟んだ後に行われたセッション2「個人識別」では,藤本秀子氏(京都法医歯科解析センター),福谷悌和氏(聖麗メモリアル病院放射線科)を座長に,5演題が発表された。

この後,初日最後のプログラムとして,特別講演が設けられた。座長を塩谷清司氏(聖隷富士病院放射線診断科)が務め,今泉和彦氏(警察庁科学警察研究所生物第二研究室)が,「Aiとの連携による白骨鑑定の高度化」と題して講演した。科学警察研究所は,鑑定・検査技術の研究・開発,警察・検察から依頼を受けての鑑定や検査,都道府県の科学捜査研究所職員の研修・指導を行っている。この中で,今泉氏の所属する生物第二研究室は,白骨死体の個人識別,顔の個人識別などを担当している。同研究室では,個人識別などの鑑定作業において死後CTを行っており,医用画像処理ワークステーションを用いて,骨の3D形状抽出による性別や,加齢による骨の形態変化による年齢を推定したり,頭蓋骨と皮膚表面形状の関連の検討による三次元的な複顔を行ったりしている。今泉氏は,画像解析からわかる骨や顔の特徴などを解説した。さらに,今泉氏は,今後の展開として,機械学習など人工知能(AI)技術の活用,全国の科学捜査研究所でCT画像を扱える体制の整備について言及した。

特別講演座長:塩谷清司 氏(聖隷富士病院)

特別講演座長:塩谷清司 氏
(聖隷富士病院)

特別講演:今泉和彦 氏(警察庁科学警察研究所)

特別講演:今泉和彦 氏
(警察庁科学警察研究所)

 

 

なお,2日目の29日には,一般演題として,法木左近氏(福井大学医学部腫瘍病理学Aiセンター)と斎藤 創氏(筑波メディカルセンター病院放射線技術科)が座長を務めたセッション3「検体・死後変化」,兵頭秀樹氏(北海道大学大学院医学研究院死因究明教育研究センター)と萩田智明氏(新小文字病院放射線部)が座長を務めたセッション4「症例報告・Aiの有用性」が行われた。また,田所俊介氏〔(株)日立製作所日立総合病院〕が座長を務め,槙野陽介氏(東京大学大学院医学系研究科法医学/千葉大学大学院医学研究院法医学教育研究センター法医画像診断学)によるランチョンセミナー「頸椎損傷の法医学画像診断」が用意された。さらに,大会長の小林氏が座長を務めたシンポジウム「Aiと各職種の関わり〜茨城県の輪〜」も設けられた。

初日の28日には台風12号によって交通機関が麻痺したり,イベントが中止になったりするなど,首都圏には被害が出たものの,会場は多くの参加者で席が埋まった。2日間で321名が参加し,Aiへの関心の高さがうかがえた。次回は,2019年8月24日(土)に,熊本県医師会館(熊本県熊本市)で開催される。大会長は川口英敏氏(医療法人川口会川口病院)が務め,テーマには「Ai改革〜検案活動とAi〜」が掲げられた。

 

●問い合わせ
オートプシー・イメージング学会
事務局
E-mail aigakkaijimu@gmail.com
https://plaza.umin.ac.jp/~ai-ai/

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