DOC TOKYOが「オンライン診療カンファレンス」を開催

2018-7-2

ヘルスケアIT


オンライン診療に関心のある医師が参加

オンライン診療に関心のある医師が参加

DOC TOKYOは2018年6月24日(日),日本橋ライフサイエンスビルディング(東京都中央区)において,「オンライン診療カンファレンス」を開催した。DOC TOKYOは,(株)エグゼメディカルが運営し,開業支援や診療所向けの経営コンサルティングサービスを提供している。今回のカンファレンスは,「クリニックにおけるオンライン診療の有効な活用方法と実施時の不安を解消」と題し,オンライン診療に関心のある医師を対象としてプログラムが構成された。厚生労働省が 取りまとめたガイドラインのほか,課題とめざすべき方向,2018年度診療報酬改定でのオンライン診療に関する加算などに関する講演が設けられた。また,オンライン診療の事例報告や,展示企業によるサービス,関連システムの紹介も併せて行われた。

エグゼメディカル代表取締役の髙山豊明氏の挨拶に続き,最初の基調講演として,厚生労働省医政局医事課課長補佐の奥野哲朗氏が登壇。「オンライン診療の今後〜ガイドラインを踏まえ,医療機関での注意点〜」をテーマに講演した。奥野氏はまず,オンライン診療の定義について取り上げ,2018年3月に厚生労働省が取りまとめたガイドライン「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に記された,情報通信機器を通じて行う遠隔医療のうち,医師と患者間において診断や処方などの診療行為をリアルタイムで行うことであると説明 した。その上で,医師を取り巻く環境の変化として,(1)地域包括ケアの推進,入院治療から在宅診療・外来診療へ,(2)医師の働き方改革,女性医師の増加,(3)医師偏在の解消,(4)生産年齢人口の減少,を挙げ,これらに対応するために,オンライン診療が期待されていると述べた。さらに,ガイドラインに示された医師と患者の関係,患者合意,適用対象,診療計画,本人確認,薬剤処方・管理,医師の所在,患者の所在などを解説したほか,オンライン診療におけるセキュリティについても紹介した。

奥野哲朗 氏(厚生労働省)

奥野哲朗 氏
(厚生労働省)

   

 

次の基調講演では,「オンライン診療の未来展望と現在の活用方法,乗り越えるべき課題とは?」をテーマに,京都大学医学部附属病院医療情報企画部教授の黒田知宏氏が登壇した。黒田氏は,病院内のネットワーク上で運用しているオーダエントリシステムも,ある意味オンライン診療であることを踏まえると,すでにオンライン化できている医療機器を活用した遠隔モニタリングは,効率的であると説明。遠隔モニタリングの3つの類型として,予防ケア,急性期後ケア,慢性期ケアを挙げて,運用方法を解説した。また,黒田氏は,薬機法により医療機器プログラムが設けられたことを踏まえて,スマートフォンなどを利用した医療機器も紹介した。さらに,黒田氏は,遠隔医療に対応した医療機器を訪問看護に用いた湖北遠隔医療事業についても紹介。その上で,将来的には,センサーによりバイタルなどの情報を読み取り,人工知能を組み合わせて解析などを行うことで“守護霊エージェント”として,住民の健康を管理できるようになると述べた。

黒田知宏 氏(京都大学医学部附属病院)

黒田知宏 氏
(京都大学医学部附属病院)

   

 

3人目に基調講演を行った日本遠隔医療学会遠隔診療モデル研究分科会長の加藤浩晃氏は,「オンライン診療料の算定要件と今後の展望」をテーマに,2018年度診療報酬改定の内容を中心に説明した。今年度の改定では,オンライン診療料,オンライン医学管理料,オンライン在宅管理料が新設されたが,加藤氏はその算定要件について解説。算定のための届け出についても紹介した。さらに加藤氏は,前述のガイドラインについても取り上げた上で,オンライン診療は質の高い医療を日本中に広げる手段であり,医師にとっては対面診療に置き変わるものではなく,役に立つ技,引き出しであると述べた。

加藤浩晃 氏(日本遠隔医療学会)

加藤浩晃 氏
(日本遠隔医療学会)

   

 

3題の基調講演の間には,展示企業のプレゼンテーションや,オンライン診療の事例報告も行われた。企業のプレゼンテーションでは,Ubie(株)がAI問診「Ubie」,(株)HealtheeOneの医療事務BPOサービスと紙カルテ・紙文書電子化サービス,(株)アイソルがオンライン診療サービス「リモートドクター」,(株)情報医療がオンライン診療サービス「クロン」,(株)インテグリティ・ヘルスケアがオンライン診療サービス「YaDoc」,MRT(株)が「ポケットドクター」の説明を行った。また,オンライン診療の事例報告では,情報医療がユーザーの利用動向を紹介したほか,YaDocのユーザーである医療法人社団桃医会小野内科診療所院長の小野卓哉氏が「オンライン診療を始めてわかる医療」をテーマに,導入のねらいや使用経験を紹介した。

小野卓哉 氏(小野内科診療所)

小野卓哉 氏
(小野内科診療所)

   

 

カンファレンス当日は,60名を超える医師が参加。急速に普及が予想されるオンライン診療への関心の高さがうかがえた。なお,DOC TOKYOは2018年7月に一般社団法人となる。

●企業展示

ポケットドクターを紹介したMRT

ポケットドクターを紹介したMRT

オンライン診療サービスのクロンをPRした情報医療

オンライン診療サービスのクロンをPRした情報医療

   
AI問診UbieをPRするUbie

AI問診UbieをPRするUbie

インテグリティ・ヘルスケアはYaDocを紹介

インテグリティ・ヘルスケアはYaDocを紹介

   
神奈川県医療機器開発コーディネーターネットワーク(MedeK)

神奈川県医療機器開発コーディネーターネットワーク(MedeK)

医療事務BPOサービスを手がけるHealtheeOne

医療事務BPOサービスを手がけるHealtheeOne

   
リモートドクターを提供するアイソル

リモートドクターを提供するアイソル

 

 

●問い合わせ先
DOC TOKYO
運営事務局(株式会社エグゼメディカル)
TEL 03-3524-7212
http://doctokyo.jp

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