富士通の電子カルテフォーラム「利用の達人」が第14回総会を開催

2017-7-4

富士通

ヘルスケアIT


全国の会員施設から約170名が参加

全国の会員施設から約170名が参加

電子カルテフォーラム「利用の達人」の第14回総会が2017年7月1日(土),富士通(株)本社ビル汐留シティセンター(東京都港区)で開催された。富士通社製電子カルテシステムのユーザー会として設立された利用の達人は,ホームページや各種イベントを通して,会員相互の情報提供・交換・検討を行い,よりよいシステム活用の方法を追究している。それと同時に,検討・提案されたユーザーの意見は集約され,富士通の電子カルテシステムのレベルアップへとつなげられている。2017年6月末時点での会員病院数は437施設に上り,総会には約60施設,170名が参加した。

はじめに,利用の達人の会長を務める社会医療法人河北医療財団理事長の河北博文氏が開会の挨拶を述べた。河北総合病院(東京都杉並区)は2004年に外来で,2007年に病棟で電子カルテシステムが稼働したが,システム構築にあたって河北氏は,「将来,電子カルテのデータはビッグデータとなる可能性があるため,データ分析をできるシステムにしてほしいことと,ユーザー会設立の2点を富士通に依頼した」と,利用の達人がスタートしたきっかけを振り返った。そして,現在はビッグデータが注目されつつあるが,1970年代にがん登録が始まった米国と比べ,日本は医療データの集積・分析に関しては遅れをとっている現状を指摘し,電子カルテシステムを紙カルテの代替として使用するだけでなく,ビッグデータの集積・分析に応用する重要性を述べた。また,そのためには周辺環境も変革していく必要性があるとした上で,「われわれはユーザーとして,電子カルテシステムを“使う達人”にならなければならない」と参加者に訴えた。

会長:河北博文 氏(河北医療財団)

会長:河北博文 氏
(河北医療財団)

代表世話人:竹田 秀 氏(竹田健康財団)

代表世話人:竹田 秀 氏
(竹田健康財団)

 

 

この後,司会進行を事務局の高橋弘充氏(東京医科歯科大学医学部附属病院薬剤部長)と藤本智裕氏(池田市役所地域活性課課長)が務め,プログラムが進められた。世話人改選では,松澤一郎氏(南町田病院泌尿器科),吉田誠治氏(香川県立中央病院医療情報管理室主任),村上 久氏(県立広島病院医療情報室,副看護師長)の3名が推薦され,承認された。また,功績賞授与では6名が表彰された。

司会:高橋弘充 氏(東京医科歯科大学医学部附属病院)

司会:高橋弘充 氏
(東京医科歯科大学医学部附属病院)

司会:藤本智裕 氏(池田市役所)

司会:藤本智裕 氏
(池田市役所)

 

 

続いて特別講演2演題が行われた。特別講演1では,富士通AIサービス事業本部AIプラットフォームサービス事業部長の土屋 哲氏が「AI活用を実現する『Zinrai』」を講演した。土屋氏は,人工知能(AI)の歴史と現在の到達点,今後想定される社会・産業への影響を説明し,富士通のAIの知見・技術群を体系化した「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」の活用事例を紹介した。2015年11月にZinraiを発表後,さまざまな業種・領域から反響が寄せられており,すでに都市監視・駐車場管理やコールセンター,企業ナレッジの活用(大量文書の整理)などにAIが利用され始めている。ヘルスケア領域の事例としては,患者データとオープンデータを分析して健康リスクを提示するサンカルロス医療研究所(スペイン)での実証検証や,国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の臨床ゲノム情報統合データベース整備事業を紹介した。2017年4月からは,世界最速クラスのディープラーニング基盤をベースとし,実用性の高いAI技術をAPIとして提供する「Zinraiプラットフォームサービス」を開始している。また,2018年度からは,スーパーコンピュータ「京」の開発技術を投入したディープラーニング処理向けプロセッサ「DLU(Deep Learning Unit)」の提供も開始されることを紹介した。最後に,2017年3月に開設した理研AIP-富士通連携センターでのAIに関する研究を展望し,これからもユーザーとの共創を通してAIによるイノベーションを創造していくと締めくくった。
また,特別講演2では,富士通研究所フロントテクノロジー研究所の福岡敏之氏が「言葉の壁を越えて 〜医療向け多言語音声翻訳〜」を講演した。

特別講演:土屋 哲 氏(富士通AIプラットフォームサービス事業部)

特別講演:土屋 哲 氏
(富士通AIプラットフォームサービス事業部)

特別講演:福岡敏之 氏(富士通研究所フロントテクノロジー研究所)

特別講演:福岡敏之 氏
(富士通研究所フロントテクノロジー研究所)

 

 

休憩を挟み,利用の達人の3フォーラムから報告が行われた。導入/運用関連フォーラムからは,担当世話人の高口浩一氏(香川県立中央病院院長補佐,肝臓内科診療部長,医療情報管理室室長)が2016年度の活動実績と2017年度の活動内容を報告。2017年9月23日(土),24日(日)には,汐留シティセンターをメイン会場に,利用の達人&地域医療ネットワーク研究会合同企画として導入/運用ノウハウ事例発表会の開催が予定されている。レベルアップフォーラムからは,担当世話人の楢林 敦氏(川崎市立川崎病院小児科医長)が2016年度の活動報告を行うとともに,現在見直しを進めている電子カルテシステムのレベルアップに反映させる意見・要望の集約・採用の仕組みについて,検討状況を報告した。最後に,情報管理/活用フォーラムからは,担当世話人の兵藤敏美氏(千葉県済生会習志野病院事務次長)が,eXChart,DWH,情報管理,情報活用の各ワーキンググループの活動状況・予定を報告した。

高口浩一 氏(香川県立中央病院)

高口浩一 氏
(香川県立中央病院)

楢林 敦 氏(川崎市立川崎病院)

楢林 敦 氏
(川崎市立川崎病院)

兵藤敏美 氏(千葉県済生会習志野病院)

兵藤敏美 氏
(千葉県済生会習志野病院)

 

閉会の挨拶に立った代表世話人の一般財団法人竹田健康財団理事長の竹田 秀氏は,「地域包括ケアの構築が進められているいま,電子カルテシステムだけで完結することはなく,地域全体を支えるシステムの構築が求められている。2018年は,第7次医療計画,第3期介護保険事業計画,第7期医療費適正化計画がスタートし,診療報酬と介護報酬の同時改定が行われる,大きな変革が訪れる年となる。利用の達人のフォーラムでは,情報収集に終わらず,来たるべき時代に向けて,どのような医療・介護システムを作っていくべきかという情報発信を行えるような力を付けていきたい」と,これからを展望した。

 

●問い合わせ先
電子カルテフォーラム「利用の達人」事務局
富士通株式会社カスタマー・コミュニケーション推進部
TEL 03-6252-2521
https://www.r-tatsujin.com

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