フィリップスがユーザー向けイベントで最新血管撮影装置「Azurion」をPR

2017-3-22

フィリップス・ジャパン

X線装置


アンベールされたAzurionのロゴ

アンベールされたAzurionのロゴ

(株)フィリップスエレクトロニクスジャパンは2017年3月11日(土),血管撮影装置の国内ユーザー向けイベント「Beyond The Future」を開催し,新製品「Azurion」を一足早く,参加者に発表した。Azurionは,2017年3月1〜5日に開催された欧州放射線学会(ECR)で発表されたばかりのハイエンドクラス装置。従来の「Allura」シリーズの高画質,低被ばくなどの技術を受け継ぎつつ,1000以上の新たなコンポーネントが採用され,インターベンションのワークフローを改善する製品として登場した。効率性を重視した床置き式の「Azurion 3」と豊富なアプリケーションを搭載した天井走行式の「Azurion 7」の2シリーズがある。FPDサイズは,Azurion 3が12インチと15インチ,Azurion 7は12インチと20インチが用意される。

Azurionに搭載された新OS“コネクトOS”は,血管内超音波(IVUS)や心電計などの情報を統合的,かつリアルタイムに管理できるようになっている。58インチ高精細液晶モニタの“FlexVision”において,“FlexVision Pro”機能を使うことで,IVUSなどの情報を画面に表示させて操作することが可能である。また,インターベンションの内容や術者に最適な装置の設定を事前に登録し,簡単に設定できる“プロシージャーカード”も新しい機能として搭載された。透視・撮影条件の設定や画面レイアウトをワンクリックで呼び出せるため,治療前の準備作業を効率化できる。加えて,従来の装置では,透視撮影中にほかの画像処理を行うことができなかったため,リファレンス画像の作成や撮影画像の解析などに時間がかかっていたが,新開発の“インスタントパラレルワーキング”によって並行処理が可能となり,治療時間の短縮を図れるようになる。さらに,FOVが従来装置よりも39%拡大したことで術野が確保しやすくなったほか,ピクセルサイズを15%縮小して高解像度し微細な血管を描出できるようになった。そのほか,最大陽極冷却率が従来の910kHU/minの2倍となる1820kHU/min,最大陽極熱容量が従来の2.4MHUから6.4MHUへと引き上げられ,長時間の手技でも安定稼働する。

当日は,まず3月1日に代表取締役社長に就任したばかりの堤 浩幸氏が登壇。日本の医療の課題として患者の増加,慢性疾患の増加,医療費の高騰の3つを挙げ,予防医療から診断・治療,在宅医療に至るまでの継続的なソリューションを提供していくことで,これらの課題解決に貢献していくと述べた。

堤 浩幸 氏(代表取締役社長)

堤 浩幸 氏
(代表取締役社長)

   

 

続いて,Azurionの製品ロゴのアンベールが行われ,Image Guided Therapy(IGT)Systemsマーケティング部門バイスプレジデントのダニエル・ミリケン氏が,Azurion開発の経緯について紹介した。ミリケン氏は,Azurionについて臨床ニーズと病院経営における経済性へのニーズの両方に応える製品として,効率性や拡張性を追究した製品であると述べた。その開発には7年の月日を要し,延べ400人がかかわったと説明。Azurionは新世代のインターベンション治療のプラットフォームであり,簡便な操作性を実現しているとともに,治療室のパフォーマンスを向上し,質の高い治療をサポートするとまとめた。さらに,IGT Systemsビジネスマーケティングマネージャーの藤田守昭氏が,Azurionの最新技術や特長を中心に紹介した。

ダニエル・ミリケン 氏(IGT Systemsマーケティング部門バイスプレジデント)

ダニエル・ミリケン 氏
(IGT Systemsマーケティング部門バイスプレジデント)

藤田守昭 氏(IGT Systemsビジネスマーケティングマネージャー)

藤田守昭 氏
(IGT Systemsビジネスマーケティングマネージャー)

 

 

次に,Azurionの国内第1号機の導入施設である医療法人札幌ハートセンター札幌心臓血管クリニック理事長の藤田 勉氏が,「20年のあゆみ〜フィリップスと私〜」と題して講演した。藤田理事長は,施設の概要を紹介し,現在6台ある血管撮影装置がすべて同社のものであると説明。勤務医時代の1995年以来,長年にわたりユーザーであり,画質や信頼性の高さ,被ばく低減技術を評価していると述べた。また,複雑・高度化するインターベンションの現状についても触れ,時間短縮やスタッフの省力化といった課題に言及。Azurionの優れたユーザーインターフェイスやスループットを向上させる機能などにより,これらの課題を解決する可能性があることを示唆した。

藤田 勉 氏(札幌ハートセンター)

藤田 勉 氏
(札幌ハートセンター)

   

 

講演に続き,前社長で,取締役会長に就任したダニー・リスバーグ氏が挨拶を行い,東日本大震災の犠牲者に向けて,参加者全員で黙祷した。

ダニー・リスバーグ 氏(取締役会長)

ダニー・リスバーグ 氏
(取締役会長)

   

 

この後,「今後のインターベンションを取り巻く環境について」をテーマとしたパネルディスカッションが行われた。ファシリテーターをIGTビジネスマーケティンググループ統括長兼ボルケーノ・ジャパン(株)取締役社長の内田貴之氏が務め,東邦大学医療センター大橋病院の中村正人氏,久留米大学病院の上野高史氏,宮崎市郡医師会病院の柴田剛徳氏,福岡山王病院の横井宏佳氏の4人が,パネリストとして登壇した。このパネルディスカッションでは,インターベンションの課題や,病院経営の観点から他施設との差別化を図るための方策が話し合われたほか,会場の参加者の意識調査が行われた。

内田貴之 氏(IGTビジネスマーケティンググループ統括長兼ボルケーノ・ジャパン取締役社長)

内田貴之 氏
(IGTビジネスマーケティンググループ統括長兼ボルケーノ・ジャパン取締役社長)

中村正人 氏(東邦大学医療センター大橋病院)

中村正人 氏
(東邦大学医療センター大橋病院)

上野高史 氏(久留米大学病院)

上野高史 氏
(久留米大学病院)

     
柴田剛徳 氏(宮崎市郡医師会病院)

柴田剛徳 氏
(宮崎市郡医師会病院)

横井宏佳 氏(福岡山王病院)

横井宏佳 氏
(福岡山王病院)

 

 

最後には,営業統括本部長の大石恭裕氏が挨拶して閉会となった。なお,Azurionは,4月14日(金)〜16日(日)に開かれる2017国際医用画像総合展(ITEM in JRC 2017)で実機が初披露される予定である。

大石恭裕 氏(営業統括本部長)

大石恭裕 氏
(営業統括本部長)

   

 

参加者の意識調査を行ったパネルディスカッション

参加者の意識調査を行ったパネルディスカッション

Azurionの機能などのデモンストレーションコーナー

Azurionの機能などのデモンストレーションコーナー

   
Azurionに搭載される領域・疾患別アプリケーション

Azurionに搭載される領域・疾患別アプリケーション

会場入り口でフィリップスの血管撮影装置の歴史を紹介

会場入り口でフィリップスの血管撮影装置の
歴史を紹介

 

●問い合わせ先
株式会社フィリップスエレクトロニクスジャパン
TEL 0120-556-494
www.philips.co.jp/healthcare

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