3D PACS研究会,画像による手術支援をテーマに夏期セミナーを開催

2016-8-1

ヘルスケアIT


代表世話人:立石敏樹 氏(国立病院機構山形病院)

代表世話人:立石敏樹 氏
(国立病院機構山形病院)

3D PACS研究会夏期セミナー2016が,7月30日(土),31日(日)の両日,埼玉県済生会川口総合病院で開催された。30日には「3D作成のための基礎知識」と題して,企業からのプレゼンテーションと北里大学北里研究所病院の小林隆幸氏による「3D画像作成のポイント」が行われた。また,31日には,実機を用いたハンズオンセミナーを中心にしたプログラムが組まれた。

開催に当たって挨拶した代表世話人の立石敏樹氏(国立病院機構山形病院)は,「3D PACS研究会は,夏期のハンズオンセミナーと12月の講演を中心とした研究会を中心に活動している。今年は夏期セミナー初めての試みとして,講義とハンズオンで2日間のプログラムとした。テーマは“3D作成のための基礎知識”としたが,これは日本診療放射線技師会の新しい認定資格である“画像等手術支援認定診療放射線技師”に対応したものだ」と述べた。

日本診療放射線技師会の認定診療放射線技師制度の新たな認定資格として追加された,「画像等手術支援(Intelligent imaging)認定診療放射線技師」は,“三次元画像の質の向上”と“画像手術支援に関する支援画像および医療安全”を確保し,“標準医療を担保”することなどを目的とする。今回のプログラムでは,それを踏まえてアブレーション手術などに必要な知識としての心電図,3D画像による術前治療計画が求められることからTAVIに関する情報,3Dワークステーションによる画像処理の基本,3Dプリンタによる臓器モデル作成などのトピックが取り上げられた。また,31日には,同認定資格の概要について富田博信氏(埼玉県済生会川口総合病院)が解説した。同研究会からは多くのメンバーが認定機構の委員として参加しており,今後も情報発信していきたいと立石氏は述べた。

セッション1の第1部では,立石氏を座長として最初にフクダ電子から「心電図の基礎」が講演された。心臓の構造の動きから心電図の読み方まで基本的な内容を説明し,P波やQRS波といった波形の意味や診断のポイントについて基礎的な解説を行った。続いて,フォトロンメディカルイメージングから「フォトロンが提供する最新の解析ソフトとその立体形成への取り組み」を講演。Pie Medical Imaging社のIVUS/OCT解析ソフトウエアの「CAAS IntraVascular」,TAVI支援の「3mensio」などの解析ソフトを紹介した。

セッション1第1部:フクダ電子

セッション1第1部:
フクダ電子

セッション1第1部:フォトロンメディカルイメージング

セッション1第1部:
フォトロンメディカル
イメージング

 

 

第2部では,津坂昌利氏(名古屋大学)を座長として,最初にAZEが「3D画像処理の基礎知識」を講演した。3D画像処理における画像補完方法やMIP,VRなどの作成方法などを,AZE独自の画像生成技術である“PRISMA”なども含めて解説した。続いて,フィリップスエレクトロニクスジャパンが,「Philips WS IntelliSpace Portal最新情報」を講演し,フィリップスのワークステーションであるIntelliSpace Portalを使った3Dモデリングと,二層検出器を搭載したIQonスペクトラルCTによる最新のDual Energy解析について紹介した。

セッション1第2部座長:津坂昌利 氏(名古屋大学)

セッション1第2部座長:
津坂昌利 氏(名古屋大学)

セッション1第2部:AZE

セッション1第2部:
AZE

セッション1第2部:フィリップスエレクトロニクスジャパン

セッション1第2部:
フィリップスエレクトロニクスジャパン

 

セッション2では,牛尾哲敏氏(滋賀医科大学)を座長として,「3D画像作成のポイント」を小林隆幸氏(北里大学北里研究所病院)が講演した。小林氏は,3D作成のポイントを料理の手順に例えて説明し,献立(検査内容)→材料(元画像)→道具(ツール)→調理方法(作成方法)→盛り付け(表示方法)の流れを考えて作成することが重要だと述べた。それぞれの段階での注意点を概説した上で,3D画像の作成のポイントとして,まず良好な元画像を取得することが重要で,その上で3Dの各種画像の意味を理解して,症例に応じた撮影・造影方法の工夫を行うことが大切だとまとめた。
なお,定例の研究会である「第9回 3D PACS研究会」は,2016年11月23日(水),北里大学白金キャンパスで救急をテーマに開催の予定となっている。

セッション2座長:牛尾哲敏 氏(滋賀医科大学医学部附属病院)

セッション2座長:
牛尾哲敏 氏
(滋賀医科大学医学部附属病院)

セッション2:小林隆幸 氏(北里大学北里研究所病院)

セッション2:
小林隆幸 氏
(北里大学北里研究所病院)

 

 

夏期セミナーでは,協賛企業各社による展示も行われた。協賛企業は次の通り。インフォコム,エーザイ,EIZO,キヤノンライフケアソリューションズ,グッドマン,テラリコン・インコーポレイテッド,日本メドラッド,バルコ,フィリップスエレクトロニクスジャパン,フォトロンメディカルイメージング,フクダ電子南東北販売,伏見製薬,メディカルクリエイト,リマージュジャパン。

協賛企業による展示も行われた。

協賛企業による展示も行われた。

 

 

31日に行われたハンズオンセミナーの様子

31日に行われたハンズオンセミナーの様子

 

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