東芝メディカルシステムズが「画論―The Best Image 2015」を開催

2015-12-14

東芝メディカルシステムズ


1993年に始まり今回が23回目

1993年に始まり今回が23回目

東芝メディカルシステムズは2015年12月13日(日),東京国際フォーラム(東京都千代田区)において,「画論―The Best Image 2015」を開催した。今回で23回を迎える画論は,同社のCT,MR,超音波を用いた臨床的に有用な画像や画質,新たな検査技術法,画像処理技術,創意工夫などを評価する場として,1993年にスタートした。例年,革新的かつユニークな検査技術などが発表され,同社の技術開発にフィードバックされることも多い。2014年の画論において,CT部門のAquilion ONE部門で最優秀賞・テクニカル賞を受賞した地方独立行政法人佐賀県医療センター好生館の発表「破裂頭蓋頸椎移行部硬膜動静脈痩」は,その後さらに研究を重ね,第101回北米放射線学会(RSNA 2015)のEducation Exhibitに採択された。“Cerebral Disease: Optimal Imaging Method for Preoperative 3DCT - Arteriovenous Separation Scanning Method”と題したこの発表は,最も栄誉のあるMagna Cum Laudeを受賞した。今回の画論では,筆頭発表者の三井宏太氏を招き,ランチョンセミナーとして,受賞演題の発表が行われた。

当日のプログラムは,例年どおり,午前中はCT,MR,超音波各部門の入賞作品のディスカッションが設けられ,午後は特別講演に続き,上位入賞画像の発表と表彰式が行われた。また,昼食の休憩時間には,RSNA 2015のトピックスが紹介された。

審査は,CT部門が1~32列部門,64~160列部門,64列~160列(心血管)部門,Aquilion ONE部門,Aquilion ONE(心血管)部門で構成され,22件が入賞した。MR部門は,1.5テスラ以下MR部門と3テスラMR部門に分けられ,入賞は15件であった。超音波部門は,血管部門,心臓部門,表在部門,腹部部門が設けられて,各5件合計20件が入賞した。

RSNAの受賞演題を紹介する三井宏太氏(佐賀県医療センター好生館)

RSNAの受賞演題を紹介する三井宏太氏
(佐賀県医療センター好生館)

三井氏とCT部門審査員(前列左から,興梠征典氏,三井氏,辻岡勝美氏。後列左から,吉岡邦浩氏,粟井和夫氏,山口隆義氏,陣崎雅弘氏。東芝メディカルシステムズ提供)

三井氏とCT部門審査員(前列左から,興梠征典氏,三井氏,辻岡勝美氏。後列左から,吉岡邦浩氏,粟井和夫氏,山口隆義氏,陣崎雅弘氏。東芝メディカルシステムズ提供)

   
CT部門のディスカッション会場

CT部門のディスカッション会場

MR部門のディスカッション会場

MR部門のディスカッション会場

   
超音波部門のディスカッション会場

超音波部門のディスカッション会場

 

 

午後の特別講演は,CTとMRをテーマにした第一会場と超音波をテーマにした第二会場に分けて行われた。

第一会場では,まずCTをテーマにした特別講演として,粟井和夫氏(広島大学大学院医歯薬保健学研究院/研究科放射線診断学研究室教授)が登壇。「逐次近似再構成FIRSTのclinical capability~CTのさらなる高画質化,低線量化を目指して~」と題し講演した。座長は,陣崎雅弘氏(慶應義塾大学医学部放射線医学教室教授)が務めた。粟井氏は,CT検査における被ばくリスクについて広島大学で行ったDNA損傷の検討結果を説明して,被ばく低減の重要性を示した。一方で,線量を下げることにより画質も劣化すると述べた。その上で粟井氏は,被ばくと画質のジレンマを解決する技術として,“FIRST”を紹介。臓器や部位に応じた画像の最適化,空間分解能の向上,高周波領域でのノイズ低減,ストリークアーチファクトの低減,高吸収体近傍でのアンダーシュートの低減といったFIRSTの特長について,検討結果を示した。さらに,粟井氏は,FIRSTを用いた低線量CTの例として,広島県三次市における肺がんCT検診や,肝ファントムでの検討を解説。FIRSTにより,低被ばくと高画質を両立できる可能性があるとまとめた。

座長:陣崎雅弘 氏(慶應義塾大学)

座長:陣崎雅弘 氏
(慶應義塾大学)

粟井和夫 氏(広島大学)

粟井和夫 氏
(広島大学)

 

 

続く,MRの講演では,似鳥俊明氏(杏林大学医学部放射線医学教室教授)が座長を務め,中村克己氏(社会医療法人共愛会戸畑共立病院放射線科)が「明日から使おう! 非造影MRA~CTA,Gd-MRAとのすみわけ~」をテーマに講演した。中村氏は,下肢の血流イメージングでは,病変の有無や部位,広がり,程度の描出が求められると説明。非造影MRAであるFBI法の自検例を示しながら,アプリケーションやハードウエアの進化に伴い,これらの情報がより容易に得やすくなったとし,CTAや造影MRAと同等の診断能があると述べた。特に,高度石灰化症例では,CTAでは評価できないこともあり,FBI法が有用だという。また,中村氏は,3テスラ装置におけるFBI法についても解説を行った。3テスラMRでのFBI法は,撮像時間の延長,成功率が低い,拡張期の高信号時期が短いといった問題があるが,現在ではその解決が進んでいると,中村氏は述べた。さらに,中村氏はTime-SLIP法についても紹介し,脳髄液への応用など,アイデア次第で可能性が広がる撮像法だと期待を示した。その上で,非造影MRAの有用性を示すエビデンスが出てきているとして,将来的には,まず非造影検査を行い,その後,必要に応じて造影検査を施行することが望まれると説明した。

座長:似鳥俊明 氏(杏林大学)

座長:似鳥俊明 氏
(杏林大学)

中村克己 氏(戸畑共立病院)

中村克己 氏
(戸畑共立病院)

 

 

第二会場では,高松平和病院乳腺外科の何森亜由美氏がランチョンセミナーとして「超音波を使った乳癌検診の現状と今後の展望」と題したミニレクチャーを行った。何森氏は,乳がん検診における超音波検査の有用性について高濃度乳腺の症例やJ-STARTの結果などを供覧し,高濃度乳腺が多い日本人女性に適した乳がん超音波検診のよりいっそうの普及の必要性を訴えた。続いて,特別講演として小川眞広氏(日本大学病院消化器内科超音波室室長)が「肝超音波診断のNew Technology SMIとSWE――propagationの必要性と臨床的有用性」を講演した。畠 二郎氏(川崎医科大学検査診断学内視鏡超音波部門)が座長を務める同講演では,小川氏が超音波検査の3つのソフトウエアの改良点を紹介した。まずはじめに,剪断波の伝播速度を測る“SWE”では,“分散表示”という表示方法の追加について触れ,より正確なROI設定が可能になったと述べた。低流速の血流の描出を実現した“SMI”では,従来よりも感度が向上し元来あるものがよりはっきりと描出されるようになったことで,より確実な診断に直結していくだろうと語った。また,SWE,SMI共に3D表示対応ソフトウエア“Smart 3D”により,volumeを意識した検査が行え,直感的に理解できるようになっている。次に,B-mode画像のトピックスとして,ソフトウエア“Precision Imaging(Precision5)”を紹介した。このソフトウエアによりコントラスト分解能が強化され,これまでよりも明瞭な腫瘍輪郭の表現や浅部・深部の存在診断の補強が実現されているとし,造影超音波検査への応用にも期待を示した。最後に,今後もソフトウエアが改良され,操作性が向上することを期待するとして,講演を締めくくった。

何森亜由美 氏(高松平和病院)

何森亜由美 氏
(高松平和病院)

小川眞広 氏(日本大学病院)

小川眞広 氏
(日本大学病院)

座長:畠 二郎 氏(川崎医科大学)

座長:畠 二郎 氏
(川崎医科大学)

 

特別講演後は,第一会場で,CT,MR,超音波各部門の上位入賞者と表彰式が行われ,同社代表取締役社長の瀧口登志夫氏から表彰状が贈られた。すべての表彰後に挨拶した瀧口氏は,今後もFIRSTやSMIなどの被検者や医療者に安全で優しい技術を提供していきたいと話した。また,東芝の医療機器の100に及ぶ歴史を振り返り,臨床に有用な高品質な装置を提供できるよう努力してきたと説明。経営スローガンの“Made for Life”の下に,次の100年に向けて,さらに臨床価値の高い技術を世界中の人々に提供していきたいと述べて閉会した。

瀧口登志夫 氏(代表取締役社長)

瀧口登志夫 氏(代表取締役社長)

上位入賞者への表彰状の授与

上位入賞者への表彰状の授与

   
CT部門審査員。右から興梠征典 氏(産業医科大学),粟井和夫 氏(広島大学),吉岡邦浩 氏(岩手医科大学),陣崎雅弘 氏(慶應義塾大学),辻岡勝美 氏(藤田保健衛生大学),山口隆義 氏(JCHO北海道病院)

CT部門審査員。右から興梠征典 氏(産業医科大学),粟井和夫 氏(広島大学),吉岡邦浩 氏(岩手医科大学),陣崎雅弘 氏(慶應義塾大学),辻岡勝美 氏(藤田保健衛生大学),山口隆義 氏(JCHO北海道病院)

MR部門審査員。右から似鳥俊明 氏(杏林大学),大友 邦 氏(東京大学),扇 和之 氏(日本赤十字社医療センター),小林邦典 氏(杏林大学),川光秀昭 氏(神戸大学医学部附属病院),和田博文 氏(済生会熊本病院)

MR部門審査員。右から似鳥俊明 氏(杏林大学),大友 邦 氏(東京大学),扇 和之 氏(日本赤十字社医療センター),小林邦典 氏(杏林大学),川光秀昭 氏(神戸大学医学部附属病院),和田博文 氏(済生会熊本病院)

   
超音波部門。超音波部門審査員。左から吉川純一 氏(西宮渡辺心臓・血管センター),竹中 克 氏(日本大学板橋病院/東京大学医学部附属病院),遠田栄一 氏(国際医療福祉大学),松尾 汎 氏(松尾クリニックほか),平井都始子 氏(奈良県立医科大学),水口安則 氏(国立がん研究センター中央病院),金田 智 氏(東京都済生会中央病院),畠 二郎 氏(川崎医科大学)

超音波部門。超音波部門審査員。左から吉川純一 氏(西宮渡辺心臓・血管センター),竹中 克 氏(日本大学板橋病院/東京大学医学部附属病院),遠田栄一 氏(国際医療福祉大学),松尾 汎 氏(松尾クリニックほか),平井都始子 氏(奈良県立医科大学),水口安則 氏(国立がん研究センター中央病院),金田 智 氏(東京都済生会中央病院),畠 二郎 氏(川崎医科大学)

 

 

【受賞施設】

〈CT部門〉

●1~32列部門

【優秀賞】
医療法人 慈風会 白石病院
「頚椎症性筋萎縮症(CSA)」

●64~160列(心血管)部門

【優秀賞】
社会福祉法人 函館厚生院 函館中央病院
「完全型心内膜症欠損症、Fontan術後のshunt血流」
一般財団法人厚生会 仙台厚生病院
「両側腕頭静脈に対する希釈造影法」

●64~160列部門

【最優秀賞】
奥州市総合水沢病院
「腰椎椎体間固定術(PLIF)シミュレーション」

【テクニカル賞】
岩手医科大学附属病院
「半坐位での顎関節動態撮影」
医療法人 立川メディカルセンター 立川綜合病院
「肺動脈血栓症(Dual Energy CTによる肺血流評価)」

【優秀賞】
草加市立病院
「鎖骨下静脈狭窄疑い」
近畿大学医学部附属病院
「難聴」
独立行政法人 地域医療機能推進機構 JCHO九州病院
「両側人工関節置換術後の80列ノンヘリカルCTA」
独立行政法人 地域医療機能推進機構 JCHO九州病院
「胎児小顎症」

●Aquilion ONE(心血管)部門

【最優秀賞】
医療法人 健人会 益子病院
「慢性下肢動脈閉塞症疑い」

【テクニカル賞】
社会医療法人 友愛会 豊見城中央病院
「MICS CABGに対する術前ITA 3D imagingについて」

【優秀賞】
JA北海道厚生連 遠軽厚生病院
「移行型房室中隔欠損症」
一般財団法人厚生会 仙台厚生病院
「巨大Valsalva洞動脈瘤」
一般財団法人厚生会 仙台厚生病院
「肺がん」

●Aquilion ONE部門

【最優秀賞】
磐田市立総合病院
「気胸(肺瘻)」

【優秀賞/テクニカル賞】
杏林大学医学部付属病院
「肺血栓塞栓症に対するCTラングサブトラクション法 MAA Like Image への挑戦」

【テクニカル賞】
社会福祉法人函館厚生院 函館五稜郭病院
「CTガイド下RFA」

【優秀賞】
札幌医科大学附属病院
「後下小脳動脈瘤」
平塚市民病院
「HoLEP手術(経尿道的前立腺レーザー腺腫核出術)術前排尿時4DCT撮影による尿路評価」
杏林大学医学部付属病院
「尺骨茎状突起骨折による靭帯損傷疑い」
社会福祉法人 恩賜財団 済生会松阪総合病院
「320列ADCTによる機能的評価にて術式を検討した高齢の未手術口蓋裂患者」

〈MR部門〉

●1.5テスラ以下MR部門

【最優秀賞】
社会福祉法人恩賜財団済生会 千葉県済生会習志野病院
「大脳白質病変に対する DIR-Like 画像による評価」

【最優秀技術賞】
医療法人社団 千栄会 高瀬クリニック
「呼吸不安定患者の2回息止め非造影冠動脈MRA」

【優秀賞】
医療法人 照甦会 あかね台眼科脳神経外科クリニック
「ICA狭窄後の側副血行路の発達の違いによる血流動態の評価」
医療法人社団 三喜会 横浜新緑総合病院
「総胆管結石陥頓(濃縮胆汁)」
社会福祉法人恩賜財団済生会 千葉県済生会習志野病院
「原発性硬化性胆管炎」
社会福祉法人恩賜財団済生会 千葉県済生会習志野病院
「下肢静脈瘤」
しんむら整形外科クリニック
「睡眠時無呼吸症候群疑い」
金沢医科大学病院
「膵臓がん自由呼吸下Dynamic検査 (DRKS+Quick3Ds)」
社会医療法人 川島会 川島病院
「脊髄硬膜外くも膜嚢腫」
医療法人八重瀬会同仁病院
「頚椎症性脊髄症」

●3テスラMR部門

【最優秀賞】
京都大学医学部附属病院
「左腎細胞がん疑い」

【最優秀技術賞】
日本私立学校振興・共済事業団 東京臨海病院
「上腕動静脈瘻」

【優秀賞】
社会福祉法人 北海道社会事業協会帯広病院
「Time-SLIP法による左浅大腿動脈ステント留置術前後の血流評価」
藤田保健衛生大学病院
「iNPH(L-Pshunt下)」
社会福祉法人 恩賜財団 済生会 富山県済生会高岡病院
「外側ヘルニア治療前後(DTTによる末梢神経の評価)」

〈超音波部門〉

●血管部門

【最優秀賞】
岩手医科大学附属病院
「SMIでプラーク内血流を観察し得た一例」

【特別賞】
医療法人社団聖嶺会立川記念病院
「相対的コントラスト法による下肢静脈血栓の評価」

【優秀賞】
金沢医科大学病院
「大伏在静脈高周波焼却術後に認めた動静脈瘻の一例」
神戸大学大学院医学研究科
「造影CTでは同定し得なかった感染性大動脈内膜炎の一例」
徳島大学病院
「解剖学的異常を認めない膝窩動脈捕捉症候群の1例」

●心臓部門

【最優秀賞】
岡山大学病院
「Loffler's endocarditis」

【特別賞】
関西電力病院
「心房細動、左心耳血栓」

【優秀賞】
みなみ野ハートクリニック
「重複僧帽弁口症」
社会医療法人 若弘会 若草第一病院
「急性下壁心筋梗塞でVSPを合併した症例」
兵庫県立尼崎総合医療センター
「心エコーを契機に発見された門脈気腫症の一例」

●表在部門

【最優秀賞】
医療法人 豊田会 刈谷豊田総合病院
「示指屈曲障害の症例」

【優秀賞】
日本赤十字社 相模原赤十字病院
「関節リウマチ」
東京大学大学院医学系研究科
「褥瘡内部の低流速な血流が明瞭に描出し得た1例」
奈良県立医科大学
「甲状腺腫瘍が疑われた悪性リンパ腫の1例」
筑後市立病院
「右手掌異物(葦の茎)」

●腹部部門

【最優秀賞】
成田赤十字病院
「潰瘍性大腸炎」

【優秀賞】
医療法人渓仁会 渓仁会円山クリニック
「肝細胞癌」
太田綜合病院附属太田西ノ内病院
「尿管ポリープ」
東京医科大学病院
「セフトリアキソン(CTRX)による偽結石症」
藤枝市立総合病院
「若年性ポリープによる腸重積」

 

●問い合わせ先
東芝メディカルシステムズ株式会社
「画論ザ・ベストイメージ」事務局
TEL 03-6369-9400
http://www.toshiba-medical.co.jp/

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