日本医療機器産業連合会が「『健康・医療戦略』の実現に向けて」をテーマに医機連メディアセミナーを開催

2015-5-27

日本医療機器産業連合会(医機連)


会場風景

会場風景

一般社団法人日本医療機器産業連合会(以下,医機連)は2015年5月26日(火),飯田橋スクエアビル(東京都新宿区)にて「『健康・医療戦略』の実現に向けて〜医療機器産業の成長軌道を描く〜」をテーマに医機連メディアセミナーを開催した。
医機連メディアセミナーは,医機連の取り組みや産業界の中での医療機器産業の立ち位置について,広く周知することを目的に初めて設けられた。今後,このようなメディアセミナーを継続的に実施し,情報発信を充実させていくとしている。

セミナーでは,まず初めに専務理事の菊地康昭氏が医機連の活動についてを紹介した。菊地氏は医療機器産業界がめざす5つの目標として,「医療機器の研究開発環境整備」「医療機器テクノロジーの創出・提供」「医療機器産業の発展」「グローバルで長期的な成長」「国民・世界の人々の健康・福祉への貢献」を掲げた。その上で,実現に向けた医機連の重点施策を「政策提言力の強化」「産業基盤の強化」「国際化の推進」の3本の柱であるとし,2014年度の医機連の活動実績を紹介した。特に,2014年11月より施行された医薬品医療機器等法に関する周知活動や外国薬事規制手続きの簡素化に向けた活動では,一定の成果・進展があったことをアピールした。また,今年度の重点課題として,引き続き医薬品医療機器等法の周知徹底と課題解決に向けた活動や諸外国の薬事規制手続きの簡素化など国際展開の推進をしたいと説明,一方で,2016年4月の診療報酬改定に向けた医療保険制度改革への対応,東北大学・東京大学・大阪大学で今秋より始まる医療機器イノベーションリーダー人材の育成についても語った。

続いて,産業政策会議議長の三澤 裕氏より,日本の医療機器産業界の成長戦略が説明された。三澤氏は,4月13日に行われた「革新的医薬品・医療機器創出のための官民対話」の資料を引用。日本が最先行の超高齢化社会という医療環境であること,法改正などの取り組みにより急速に医療機器の開発研究環境の整備が進められたことが,海外から注目を集めていると述べた。次に,日本の医療機器産業界全体の成長と国際競争力の強化に向けた取り組みを紹介した上で,政府に対する5つの要望として,「製品開発環境の整備・充実」「イノベーション評価制度の整備・拡充」「医療のIT化に向けた環境整備」「医療の国際展開推進」「医療機器の備蓄と医療情報の保管の予算措置」を挙げた。具体的には,「製品開発環境の整備・充実」「イノベーション評価制度の整備・拡充」では法改定や医療費抑制により医療の質が低下せず,サービスが滞らないよう政府に求めるとしている。また,「医療のIT化に向けた環境整備」「医療の国際展開推進」は,国内外での競争力強化に必要として,政府に対する働きかけに積極的に取り組みたいとした。さらに,「医療機器の備蓄と医療情報の保管の予算措置」は,災害や大規模な感染症が起こった際に迅速な初期対応を行うために,政府を中心に産官学が連携して議論し,適切な利活用をしていくことが重要であると述べた。

最後に,会長の中尾浩治氏が閉会の挨拶に立った。中尾氏は,医療機器産業界の成長に重要な要素として,海外分野では日本の医療そのものを海外に輸出しているMedical Excellence JAPAN(MEJ)の展開,そして海外での医療機器の許認可の手続きの簡素化の推進を挙げた。後者については厚生労働省がワーキンググループを立ち上げる点に触れ,今後の動向に興味を示した。また,国内動向としては,今秋から始まる医療機器イノベーションリーダー人材の育成により,システムや商品などの完成品を製作する総合力の養成につながるという期待を述べた。中尾氏は最後に,医療機器産業界全体として,医療費の抑制や削減だけでなく,医療の質を向上するためにどうすべきかを議論し,行動していくことが大事だとまとめた。

菊地康昭 氏(専務理事)

菊地康昭 氏
(専務理事)

三澤 裕 氏(産業政策会議議長)

三澤 裕 氏
(産業政策会議議長)

中尾浩治 氏(会長)

中尾浩治 氏
(会長)

 

●問い合わせ先
日本医療機器産業連合会
TEL 03-5225-6234
http://www.jfmda.gr.jp

日本医療機器産業連合会(医機連)


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