島津製作所「第91回レントゲン祭・記念講演会」開催

2014-2-14

島津製作所

X線装置


祭詞・献花を行う中本 晃 代表取締役社長

祭詞・献花を行う
中本 晃 代表取締役社長

(株)島津製作所は,2月10日(月),同社三条工場研修センター(京都市中京区)において,「第91回レントゲン祭・記念講演会」を開催した。レントゲン祭はX線を発見したレントゲン博士の偉業を讃え,X線技術の発展に向け決意を新たにするために,レントゲン博士が亡くなった翌年より毎年行われており,今年で91回となる。

式典では冒頭,同社取締役専務執行役員医用機器事業部長の鈴木 悟氏が式辞を述べた。鈴木氏は,「来年(2015年)創立140周年を迎える島津製作所がX線発見から10か月後にX線撮影に成功し,105年前の1909年に国産初の医療用X線装置を発表した。そして,フィルムからI.I.(CCDカメラ),CRへとデジタル化が進み, 現在ではFPDでの撮影と透視を統合させたシステムが主流となっている。同時に,画像処理技術の進歩が,高度な検査画像をスピーディに提供することを可能にした。島津製作所は2003年,最初の直接変換方式FPDを搭載した血管撮影システムを発表し,X線テレビ,一般撮影用装置,回診用装置と製品ラインナップの拡充を図ってきた。さらに,トモシンセシスやスロットラジオグラフィなどアプリケーションの充実にも注力し,胸部領域,整形領域などさまざまな分野での臨床応用が進められている。また,昨2013年7月には,呼吸性移動に対応し,がん組織へのピンポイント照射を支援する放射線治療装置用動体追跡システム「SyncTraX」を発表した。これにより,正常領域への照射を大幅に低減し,放射線照射体積を1/2から1/4に縮小することを可能とした。同社はX線の島津として今後,X線を用いた診断から治療までのさまざまな幅広いニーズに応えていきたい」と述べた。

続いて,代表取締役社長の中本 晃氏による祭詞・献花が行われた。

記念講演会では,麻生智彦氏(国立がん研究センター中央病院 放射線診断部 診療放射線技師長)が,「放射線部門におけるネットワーク管理について」というテーマで最初に講演した。麻生氏は,「国の施策とIT技術の進化により,医用画像情報システムが全国的に普及した。IT化により即時性・利便性・標準化・共有化などのメリットを得た一方で,誤画像の配信,個人情報の流出,データの書き換え・修正等改ざんの懸念,などのリスクも抱えることとなった。主な管理責任者である診療放射線技師には,被ばくの管理とともに,撮影・検像・保管が担保された画像を提供する責務が生じている」と述べた。そして,いくつかの事例を示し,ネットワーク管理でのピットフォールとその対応の要点を紹介した。

次に,出雲雄大氏(国立がん研究センター中央病院 内視鏡科)が,「最新の呼吸器内視鏡とFPDトモシンセシス技術の有用性」をテーマに講演した。出雲氏は,「気管支鏡検査は肺病変の組織を採取し,病理学的な診断を得ることで治療方針を決定するための重要な検査法である。ただ,これまで適切な位置での検体採取が行われなかったため,小結節の診断は難しかった。そこで,病変位置の確認の新たな方法として,気管支腔内超音波断層法(R-EBUS)が開発され,そのマップイメージング(ガイド)として,画像が明瞭で検出率が高く,すりガラス影の描出にも優れたトモシンセシスを用いることとした。ただ,検査中に病変の位置がリアルタイムに確認できることが重要なことから,トモシンセシス画像を数秒で表示する技術を開発することで“リアルタイムトモシンセシスガイド下気管支鏡検査”を行っている」と述べた。そして,リアルタイムトモシンセシスガイド下気管支鏡検査の有用性と今後の可能性を紹介した。

鈴木 悟 氏(取締役専務執行役員医用機器事業部長)

鈴木 悟 氏
(取締役専務執行役員医用機器事業部長)

麻生智彦 氏(国立がん研究センター中央病院 放射線診断部 診療放射線技師長)

麻生智彦 氏
(国立がん研究センター中央病院 放射線診断部 診療放射線技師長)

出雲雄大 氏(国立がん研究センター中央病院 内視鏡科)

出雲雄大 氏
(国立がん研究センター中央病院 内視鏡科)

 

●問い合わせ先
株式会社島津製作所
医用機器事業部 グローバルマーケティング部 販売促進G
TEL 075-823-1271
http://www.med.shimadzu.co.jp

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