日本メドトロニックが条件付きMRI対応神経刺激システムSureScan MRI発表会を開催
2014-1-27
SureScan MRI各製品
日本メドトロニック(株)は2014年1月6日に,国内初となる一定条件下での全身MRI検査を可能にする神経刺激システム「SureScan MRI」の販売を開始した。この製品発表も兼ねて,1月23日(木)には,メドトロニック・エデュケーションセンター&トレーニングセンター(東京都港区)にて,「神経の痛みの実際と診療最前線〜全身MRI検査が可能な神経刺激システムの登場が痛み診療にもたらす変化〜」と題した記者発表会を開催した。
SureScan MRIは,体内に植え込まれた刺激装置から脊髄に微弱な電気刺激を与えて疼痛を緩和する装置で,リードにシールド技術を採用することで集中的な誘導電流の放出を抑制。リード全体に発熱を分散させることで,電極周辺組織が発熱により損傷するリスクを低減した。また,神経刺激装置にはフィルターフィードスルー技術を採用して誘導電流の流入を防ぎ,磁性体使用量を最小限とすることで磁場の影響を受けにくくして,装置の破損リスクを低減している。さらに,MRI検査時の誤動作を防ぐための新たなプログラミングソフトウエア“MRI-CSモード”により, MRI適合性確認における不確実性を低減することができる。これにより神経刺激装置による脊髄刺激療法患者に禁忌であった全身MRI検査が一定条件下で可能となる。
発表会では,製品説明に先立ち,名古屋第二赤十字病院副院長,整形外科・脊椎脊髄外科部長である佐藤公治氏が「脊椎脊髄術後の慢性疼痛」をテーマに,慢性痛の定義やメカニズム,慢性痛に対する治療法の変遷について講演した。
佐藤氏は,慢性痛の治療は,心療内科による心理的な対処のみだった時代から比べると,オピオイドが慢性痛に適応拡大されたことなどにより,前向きに対処できるようになったと説明。しかし,有効な治療法のひとつである脊髄刺激療法(SCS)については,神経刺激装置の進歩こそ著しいが,神経の検査・診断,または日本人の疾患率が高い脳梗塞の検査などに必須のMRI検査との併用が禁忌となっており,オピオイドなどの薬物療法が中心となっていたと述べた。佐藤氏は,「SureScan MRI」が国内で発売されたことで,治療法の選択肢がさらに広がり,患者のQOLを向上させることができると期待を示した。
次に,日本メドトロニック(株)ニューロモデュレーション事業部の佐南拓郎氏がSureScan MRIの説明をした上で,SureScan MRIでのMRI検査を行うために必要なオンライントレーニング,医師・患者向けのWebサイト(www.mri-surescan.com )などのサポート体制を紹介。安全な検査に向けた日本メドトロニックの取り組み姿勢を示した。
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日本メドトロニック(株)
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