フィリップスエレクトロニクスジャパンが,MRIガイド下前立腺生検システム「DynaCAD」を発表

2013-9-30

フィリップス・ジャパン

MRI

ワークステーション


シミュレーション画像

シミュレーション画像

(株)フィリップスエレクトロニクスジャパンは2013年9月30日(月),日本初のMRIガイド下前立腺生検システム「DynaCAD(ダイナキャド)」を発表し,同日に本社(東京都港区)にて記者説明会を行った。

「DynaCAD」は,診断用/バイオプシー用ワークステーション,ニードルガイド,ダイナトリム,MRI対応非磁性体生検針(18G150mm,18G175mm)からなるシステムで,現在,超音波ガイド下での前立腺生検が一般的に行われているわが国においては,MRIガイド下での生検を行うための国内初のシステムとなる。フィリップス社は,ワークステーションと生検針の薬事承認を,それぞれ2013年4月,7月に受け,11月1日より販売を開始する。

ダニー・リスバーグ 氏(代表取締役社長)

ダニー・リスバーグ 氏
(代表取締役社長)

ワークステーションでは,画像診断で良悪性の鑑別をするとともに,穿刺シミュレーションを容易に行うことができる。また,ニードルガイドは直径1cmで,超音波ガイド下で用いる経直腸超音波用プローブ(2cm以上)よりも直腸への負担が少なく,かつ腹臥位での検査が可能で,患者の負担軽減につながる。生検針はチタン製で,アーチファクトの発生を抑えて明瞭に穿刺部を確認できることから,確実な生検実施を支援する。
DynaCADは,フィリップス社の1.5Tと3TのMRI装置「Ingenia」シリーズ,「Achieva」シリーズ,「Multiva」のすべての装置で使用でき,前立腺がん手術件数の多い基幹病院などを中心に販売していくという。

記者発表会では,はじめにフィリップス社代表取締役社長のダニー・リスバーグ氏が挨拶に立ち,DynaCAD導入の市場背景として日本国内のがん,前立腺がんの罹患状況や,将来予測を説明した。リスバーグ氏は,60歳以上で罹患率が急激に増加する前立腺がんは,高齢化が進む日本では2020年以降に男性で最も多くなるがんと予想されていることや,乳がんと比べ啓発もあまり行われておらず,右肩上がりで罹患数の増加が予測されることを踏まえて,泌尿器科医の役に立つイノベーションとしてDynaCADを市場投入したと述べた。

門原 寛 氏(マーケティング本部)

門原 寛 氏
(マーケティング本部)

続いて,マーケティング本部MRビジネスマネージャーの門原 寛氏が登壇し,DynaCADの概要・特徴について説明した。

最後に,熊本中央病院放射線診断科部長の片平和博氏が,「前立腺生検の現状とMRガイド下前立腺生検の必要性」と題して,DynaCADの臨床的有用性について講演した。はじめに片平氏は,前立腺がん検査の現状を説明し,一般的にガイドとして用いられている超音波やCTでは前立腺がんを観察しにくいため,超音波ガイド下のランダム生検では約30%の偽陰性が生じ,最も悪性度が高い病変に穿刺できない可能性があることを指摘。これにより,PSA高値でも診断がつかなかったり,悪性度の過小評価や,反対に過剰診断・過剰治療が行われている可能性があるとした。一方MRIでは,画像により病変の位置や悪性度を診断できることから,MRIガイド下生検が従来の超音波ガイド下生検の弱点を克服すると述べ,同院で2013年7月に導入したフィリップス社のDynaCADの使用経験や症例を紹介した。手順や操作は簡便であり,超音波ガイド下生検でネガティブであった症例に対しても,MRIガイド下での再検査で前立腺がんが検出可能であったことなどを報告した。片平氏は,診断の難しい症例に対してMRガイド下生検は有効であり,普及のために早期の保険収載が望まれると締めくくった。

片平和博 氏(熊本中央病院)

片平和博 氏
(熊本中央病院)

     

 

●問い合わせ先
株式会社フィリップスエレクトロニクスジャパン
〒108-8507 東京都港区港南2-13-37
TEL 0120-556-494
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