富士通が在宅医療・介護事業向けのクラウドサービス「往診先生」を発表
2013-1-24
往診スケジュールの作成機能
富士通(株)は2013年1月23日(水),在宅医療・介護事業者を対象とした高齢者ケアクラウドサービス「Fujitsu Intelligent Society Solution 往診先生」(以下,往診先生)を1月から開始すると発表した。同日,東京ステーションコンファレンス(東京都千代田区)において記者会見を行い,事業概要の説明を行ったほか,このサービスの開発に協力した医療法人社団鉄祐会祐ホームクリニック理事長である武藤真祐氏から,そのメリットなどが紹介された。
同社が手がける往診先生は,「高齢者をみんなで支えあう社会へICTで貢献」というコンセプトの下に,社会全体で高齢者とつながることをめざすための,第一弾のサービスとして開発された。今回開始された往診先生のサービスは「在宅医療支援SaaS」「在宅チームケアSaaS」「在宅医支援コンタクトセンターサービス」の3つ。在宅医療支援SaaSは,1月23日から開始。Dr.ナビゲーション機能,スケジュール名人機能,訪問シート機能を提供し,在宅医療の効率化を支援する。在宅チームケアSaaSは2013年5月の開始を予定。在宅医療,介護連携で重要となる医師や訪問看護師,ケアマネジャー,薬剤師,介護士などの多職種連携のためのサービスで,スケジュール管理やメッセージといった情報を共有できる。在宅医支援コンタクトセンターサービスは,1月23日から開始した。同社がコンタクトセンターを設置して,専門のトレーニングを受けた看護師が患者やその家族からの問い合わせに対応するというものである。
在宅医療支援SaaSと在宅チームケアSaaSは,初期費用が30万円で,利用料が月額7万円からとなっている。また,在宅医支援コンタクトセンターサービスは,初期費用が10万円で,利用料は月額10万円からとしている。同社では,2015年度の販売目標を累計60億円,1000事業者としている。また,往診先生は今後,訪問薬局システム,訪問看護システム,介護システムへと拡充していく予定である。
記者会見では,まず執行役員常務の川妻康男氏が,「ヒューマン・セントリック・インテリジェント・ソサエティ」というコンセプトに基づいた,同社のシステムやサービス提供への取り組みについて説明した。その上で,同社ソーシャルクラウド事業開発室長の阪井洋之氏が,往診先生のサービス概要を解説。この往診先生を利用することで,在宅医療における医師の診療業務の効率化,業務負担軽減による医療・介護の質が向上し,経営が安定化するなどのメリットがあると述べた。
さらに,武藤氏が挨拶を行った。武藤氏は,わが国の医療福祉政策は,在宅医療や介護を重視した施策を進めているが,マンパワー不足の状況にあると述べた。そして,ICTを用い,業務効率化や多職種間での情報連携を図ることで,マンパワー不足を補い,医療・介護の質を高めていくことができるとし,同社と協力して東京都北部と宮城県石巻市で行った実証実験の成果を紹介した。
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