ITEM2024 インフォコム ブースレポート 
検像やレポート,RISなどの「Intelligence System」で放射線科の働き方改革に貢献


2024-4-30


インフォコムブース

インフォコムブース

インフォコムは,「Information SystemからIntelligence Systemへ」をテーマに掲げ,放射線情報システム「iRadシリーズ」のさらなる進化を推し進めている。テーマには,単に情報を扱うだけでなく,情報を共有・活用できるシステムを提供することで,業務の効率化や生産性の向上,働き方改革に貢献するというメッセージが込められており,2023年には情報をつなげるための機能を実装した放射線情報システム「iRad-RS」やレポートシステム「iRad-RW」などの最新バージョンをリリースしている。
今回の展示では,検像システム「iRad-QA」へのAI機能の実装や,シーメンスヘルスケアのAIソフトウエアとレポートシステムiRad-RWの連携,スタッフ間の情報共有を促進する新機能など,情報をつなぎ活用するためのIntelligence Systemの一端を披露した。

●胸部CR読影を支援するAI機能を検像システムiRad-QAに実装

インフォコムは,トップクラスのシェアを有する検像システムiRad-QAにおいて,2024年7月より新たにAIを用いた読影支援機能を標準機能として提供することを発表し,新機能の「肋骨陰影減弱」と「CTR計測」を初展示した。肋骨陰影減弱は,AIを用いて肋骨の陰影を薄く(減弱)する画像処理を行う機能で,肋骨に重なった病変の見落とし防止を支援する。また,CTR計測は,心臓と胸郭の最大幅をAIにより自動で計測し,心拡大の判断基準となる心胸郭比(CTR)を自動算出する。マニュアルでの計測が省略されるため,読影時間の短縮に寄与する。
これらの機能は,iRad-QAで胸部CR画像を受信すると自動で解析が行われ,解析結果は検査画像の最後のシリーズとして追加される。AI解析では肺切除後など肺の状態によってエラーとなる場合もあるが,iRad-QAではステータス(未,済み,エラー)が表示されるため解析状況を容易に把握できる。処理スピードの速さも特長で,診療放射線技師による検像時に解析結果を確認でき,技師が読影補助を行う場合にも活用することができる。また,専用アプリケーションではなく検像システムの標準機能として提供されるため,コストメリットも大きい。既設のiRad-QAに対しても,7月以降にバージョンアップで対応する。

検像システム「iRad-QA」の標準機能としてAI機能「肋骨陰影減弱」などを提供

検像システム「iRad-QA」の標準機能としてAI機能「肋骨陰影減弱」などを提供

 

●レポートシステムiRad-RWと画像診断AIソフトウエアの連携事例を紹介

昨年のITEM2023において参考展示したレポートシステム「iRad-RW」と他社の画像診断支援AIソフトウエアを連携したソリューションについて,今回はシーメンスヘルスケアの画像診断支援AIソフトウエア「AI-Rad Companion」と連携した伊勢崎市民病院でのトライアル事例を紹介した。同事例では,胸部CT解析AIソフトウエアである「AI-Rad Companion Chest CT」との連携により,iRad-RW上にAI解析結果(計測データ)を表示し,「所見」ボタンをクリックすることで計測データを自然言語に変換してレポートに貼り付けることができる。AIアプリケーション単体で利用するのではなく,iRad-RWと連携させて運用することで,解析結果をiRad-RWに蓄積していくことができ,過去比較や経時的変化の把握をしやすいことも大きなメリットだ。AI解析結果を閲覧するだけでなく活用することで,レポート作成の手間を軽減し,診断にも有用な情報を提供できることをアピールした。

レポートシステム「iRad-RW」と「AI-Rad Companion」の連携事例を紹介

レポートシステム「iRad-RW」と「AI-Rad Companion」の連携事例を紹介

 

SRレポート欄にAI-Rad Companionの解析結果(計測データ)を表示

SRレポート欄にAI-Rad Companionの解析結果(計測データ)を表示

 

ワンクリックで計測データを自然言語に変換してレポートに貼付

ワンクリックで計測データを自然言語に変換してレポートに貼付

 

●放射線科のタスク・シフト/シェアに貢献するiRad-RSの機能・活用を提案

放射線情報システムiRad-RSでは,医師の働き方改革に伴って推進されている放射線科医から診療放射線技師へのタスク・シフト/シェアに貢献するために追加された機能や,活用方法を中心に紹介した。
STAT画像所見報告に関連しては,技師から医師への情報の伝達・記録にRISとレポートシステムを連携した運用を提案した。iRad-RSとレポートシステムiRad-RWが同じデータベース上で動く利点を生かし,技師がRISにSTAT報告を入力すると,レポート画面に瞬時に反映され,シームレスに情報を連携できることをアピールした。レポート画面にSTAT報告欄を設けることで,医師の所見と分けてレポートに記録できる。STAT報告の運用については病院ごとに異なるため,機能実装に当たっては病院に合わせてカスタマイズで対応していく。

iRad-RSのSTAT報告欄(右下)に入力すると瞬時にレポートシステムに反映され,確実な伝達・記録を支援

iRad-RSのSTAT報告欄(右下)に入力すると瞬時にレポートシステムに反映され,確実な伝達・記録を支援

 

また,CT検査に関する業務拡大で,造影検査におけるルート確保業務を技師が行えるようになったことから,iRad-RSの最新バージョンではルート確保の情報を共有・記録できる機能が追加された。ルート確保実施時に,ルート確保状況(未実施,保留,実施済,中止),ルート確保日時,ルート確保者の名前を入力すると,RISの検査一覧でルート確保の状況を一目で確認することができる。検査にかかわるスタッフ間で情報共有できるとともに,実施情報をRISに記録でき,安全で確実な医療の提供に貢献する。

ルート確保実施時に情報を入力して情報共有・記録を支援

ルート確保実施時に情報を入力して情報共有・記録を支援

 

RISの検査一覧でルート確保の状況を一目で把握可能

RISの検査一覧でルート確保の状況を一目で把握可能

 

●お問い合わせ先
社名:インフォコム株式会社
住所:東京都港区赤坂9-7-2 ミッドタウン・イースト10階
TEL:03-6866-3790
URL:https://service.infocom.co.jp/healthcare/irad/


TOP