みずほ情報総研,ICTを活用した医療産業の海外展開促進に向け,検討会を発足
〜医療ICT×医療機器が切り開く医療産業の未来を検討〜

2014-12-8


みずほ情報総研(株)および(株)みずほ銀行は,2014年12月から「医療産業の海外展開促進に関する検討会」を発足する。本検討会は,医療機器メーカー7社や医療法人などが参画し,民間企業の立場からICTを活用した医療産業の海外展開に関して,より実効性の高い日本の戦略を検討するものである。

日本における産業政策を振り返ると,21世紀以降,世界的に進む高齢化を背景に,医療産業はいずれの政権においても,経済の成長牽引分野として位置づけられてきた。しかし,現状,日本メーカー全体としての海外市場におけるプレゼンスは,欧米メーカーと比較して競争優位にあるとは言いがたい状況。このような背景から,官公庁が主導してきた医療産業の海外展開に関する産業振興策だけではなく,民間企業が個々に蓄積してきた海外展開の知見を集約し,ICTを活用した新たな戦略を立案するという目的のもと,本検討会の発足を決定した。

現在,内閣官房健康・医療戦略推進本部においては,「次世代医療ICT基盤協議会(仮称)」の開設が進められている。今般発足する検討会は,こうした政府の動向とも連動して,政府と民間企業が協力関係を築きながら,次世代医療ICT基盤(*)を活用した医療分野におけるソフト面の強化や効率化について議論する。さらに,このソフト面を強みとした「新興国の社会システム作り」や「長期的な医療機器輸出振興」の可能性を追究することを目指す。

本検討会は,2015年3月までに全4回の開催を計画しており,医療機器メーカー,医療法人,ICT関係団体等,異業種間の有識者が一同に会し議論を行う。また,2015年2月末には,医療機器メーカーを中心とした訪問団を組織し,市場として期待される対象国の調査やキーパーソンとの意見交換を行う。なお,これらの検討会の議論や調査結果は,検討報告書としてまとめ,2015年3月に政策提言を行う予定。

* 次世代医療ICT基盤とは,医療介護サービスの質の向上や産業の活性化,医療イノベーション促進,医療・介護・健康分野にまたがる情報の連携等を図ることを目的とした情報インフラを指す。

●検討会参加メンバー一覧

医療機器
オリンパスメディカルシステムズ株式会社
サクラファインテックジャパン株式会社
日本光電工業株式会社
ミズホメディカル株式会社
株式会社スズケン
上記の他 2社が参加

医療現場
独立行政法人 国立成育医療研究センター

ICT
特定非営利活動法人 医療福祉クラウド協会

事務局
みずほ情報総研株式会社
株式会社みずほ銀行

●本検討会で設定した課題

成長著しい新興国の多くは,最新の医薬品・医療機器に関する情報,医療施設・機材を運用する専門人材,オペレーションのノウハウ(ソフト面)が圧倒的に不足している。このような状況で,最新の薬や機材を投入しても,対象国の課題解決に資する結果にはならない。このため,製品単位で,日本の医療機器や資材がいかに優れた品質や機能を有していても,それだけで新興国を中心とした国際市場で有利な地位を占めることは難しい。
新興国にとって,最新の情報取得と,効率的・効果的な人材育成と施設運用支援を念頭に置いた社会システムの導入・定着が優先すべき課題となっている。

これらの課題の解決策として,一連の医療情報を集約・運用するICT基盤の導入に大きな効果が期待されている。そして,このICT基盤を活用したサービスと医療機器・資材の体系化が実現した時,個々の製品の優秀性に加え,パッケージとしての新たな価値の提供により,日本が国際市場で有利な地位を獲得できるとの考えのもと,本検討会にて議論を展開する。

 

●本検討会に関するお問い合わせ
みずほ情報総研(株)
社会政策コンサルティング部
日諸 恵利
TEL 03-5281-5275
http://www.mizuho-ir.co.jp


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