熊本県内の6医療機関,遠隔医療診断支援システム「XMIX」の運用を開始
~脳卒中の急性期医療体制を強化~

2014-7-28


熊本県では,国の平成24年度補正予算において,地域の医師確保,地域医療連携など,地域の医療課題の解決を図るため,平成25年度に熊本県地域医療再生計画(平成25年度策定版)を策定し,その一つとして,県内の脳卒中急性期医療体制の強化を図る。

熊本県地域医療再生計画(平成25年度策定版)を活用し,熊本大学医学部附属病院,及び(有)TRIARTが共同開発した遠隔医療診断支援システム「XMIX」(読み方:エクスミクス)を熊本県内の6医療機関に導入し,脳卒中患者の救急対応等を行うため,平成26年7月18日(金)から運用を開始したことを発表した。

この遠隔医療診断支援システム「XMIX」は,平成24年6月から熊本大学医学部附属病院と阿蘇医療センター(旧名:阿蘇市国民健康保険阿蘇中央病院)において試用を開始していた遠隔医療診断支援システムで,専門医が勤務していない時間帯に救急搬送された脳卒中患者の状態を,離れた場所に居る専門医等に連絡を取ると共に,同時に脳卒中患者の画像情報をiPhoneやiPadで閲覧できるシステムとなっており,これにより必要な助言を専門医から得ながら,脳卒中患者を受け入れた医療機関で治療ができるという画期的なシステム。とくに迅速な診断と治療が必要となる脳卒中患者を救うシステムとして実績を上げてきた。

熊本県では熊本県内の6医療機関に遠隔医療診断支援システム「XMIX」を拡大展開し,一人でも多くの脳卒中患者の命を救うべく,活用していくこととなった。導入医療機関は以下のとおり。また今後,他の医療機関への展開も図っていく。

●導入医療機関(五十音順)

・阿蘇医療センター
・熊本医療センター
・熊本再春荘病院
・熊本大学医学部附属病院
・水俣市立総合医療センター
・山鹿中央病院

●システムの概要

「XMIX」は,iPadやiPhoneなどのiOS端末と専用のサーバシステムで構成されており,これらをApple社のFaceTimeと専用開発した放射線画像情報ビューアで情報共有を行う。これにより離れた場所に居る専門医等からの助言を可能にしている。また,各通信経路は独自の技術で強固なセキュリティを確保している。

搬入から搬送(もしくは治療)までの流れ

搬入から搬送(もしくは治療)までの流れ

 

本システムの構成図

本システムの構成図

 

本システムの画面イメージ

本システムの画面イメージ

 

●システムの特徴

「XMIX」は,機能を厳選することで,各医療機関で利用している既存の医療情報システムを改修せずに導入できるものとなっている。これまで遠隔医療システムでは,院内のシステムへの接続に関する開発費用や運用体制などの問題により導入は大病院に限られてきたが,「XMIX」は専門医が不在の中小医療機関でも導入しやすいシステムとして設計されている。

従来のシステムとの比較

従来のシステムとの比較

 

●セキュリティについて

「XMIX」では,厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第4.2版(平成25年10月)」を満たすセキュリティレベルをTRIARTのXCOA(クロスコア)の技術を応用して実現。この技術を利用することにより,通信経路の暗号化と分割通信ならびに通信内容の暗号化,端末内における時限性のキャッシュ,認証システムを実現している。これによりiOS端末の紛失や盗難により,関係者以外の手に渡ったとしても情報を閲覧することは不可能である。また,端末をハッキングしても情報を盗み出すことはできない。

セキュリティについて

セキュリティについて

 

●問い合わせ先
(有)TRIART
担当:津村 忠助
TEL/FAX 0948-80-1081
E-Mail: info@triart.co.jp
http://triart.co.jp/


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