オリンパス,交換用胃ろうカテーテル「イディアルボタンZERO」を発売
独自の低侵襲設計により,より安全な手技をサポート

2023-6-21

オリンパス


イディアルボタンZERO

イディアルボタンZERO

オリンパス(株)(以下,オリンパス)は,体外から胃に直接栄養を送るための交換用胃ろうカテーテル「イディアルボタンZERO」を,2023年6月30日から国内で発売を開始する。

経皮内視鏡的胃ろう造設術(PEG [ペグ]:Percutaneous Endoscopic Gastrostomy)とは,口から食事を取れない,あるいは飲み込むことが困難な患者さんの胃に栄養を送るため,内視鏡を用いて体外と胃をつなぐ小さな穴(胃ろう)をつくる手技。また胃ろうカテーテルは,その穴に留置させ胃に直接栄養剤等を投与するチューブで,定期的な交換が必要となる。

今回発売する「イディアルボタンZERO」は,カテーテル先端を挿入時にカプセルへ収納するなど,従来に比べて手技の安全性をさらに高める独自の設計を実現した。これにより,カテーテル交換における,患者の苦痛と医療従事者のストレス軽減,医療事故リスクの低減に貢献する。

●発売の概要

販売名 イディアルボタンZERO
発売日 2023年6月30日
製造販売元はSBカワスミ(株)

●発売の背景

近年,高齢化に伴う脳血管障害や神経疾患などを始めとして,食事を口から取れない,あるいは飲み込むことが困難な患者が増えている。PEGは,そのような患者が必要な栄養を摂取し生命を維持するだけでなく,再び自力で食事をするためのリハビリにも重要な役割を担っている。また頭頸部がん治療における支持療法としての適用も拡大している。いずれも,PEGによって十分な栄養摂取が可能なことにより,少しずつ自力で食事をしたり,体力,免疫力を落とさず治療に専念したりすることをサポートする。

交換用胃ろうカテーテルには,バンパー型とバルーン型の2種類がある。バンパー型は,カテーテルが抜けにくく交換までの期間が長い一方で,交換時には多少の痛みが伴うため,患者だけでなく医療従事者もストレスに感じることがあった。

今回発売する「イディアルボタンZERO」は,バンパー型を採用しながらも,手技の安全性をさらに高める独自の設計により,カテーテル交換における患者の苦痛や医療従事者のストレス軽減,医療事故のリスク低減に寄与する。オリンパスは,本製品により,PEGを必要とする多くの患者の治療・回復に貢献することを目指す。

左:バンパー・ボタン型,右:バルーン・ボタン型

左:バンパー・ボタン型,右:バルーン・ボタン型

 

●主な特長

1. カテーテル先端のバンパー(胃内部ストッパー)がカプセルに収納された独自構造により,安全でスムーズな挿入手技をサポート
留置時の意図しない抜去を防ぐため,カテーテル先端のバンパーは挿入ルート(ろう孔)よりも大きくなっている。本製品は,バンパーをカプセルに収納する独自の構造にすることで,スムーズな挿入をサポートし,腹腔内誤挿入のリスク低減に寄与する。挿入後はカプセルを胃内に脱落させバンパーを展開することで,カテーテルを留置する。

バンパー展開イメージ カプセルは胃内で溶解する素材でできている。

バンパー展開イメージ
カプセルは胃内で溶解する素材でできている。

 

2. 形状記憶ワイヤを先に引き抜くことで,バンパーを収縮した状態で抜去でき,患者の苦痛軽減に寄与
本製品は,独自の技術により,シリコンの膜と形状記憶ワイヤのリングにより形成したバンパーを実現した。これにより,留置時は形状記憶ワイヤのリングが展開していることにより意図しない抜去を防ぐ。また,交換時にカテーテルを抜去する際には,形状記憶ワイヤを先に引き抜くことでバンパーにはシリコンの膜のみが残る。シリコンの膜は折り畳まれた状態で回収できるため,患者の苦痛および医療従事者のストレス軽減に寄与する。

左:留置時のバンパー,右:抜去時のバンパー

左:留置時のバンパー,右:抜去時のバンパー

 

●問い合わせ先
オリンパス(株)
https://www.olympus.co.jp

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