AIメディカルサービス,東京大学社会連携講座「次世代内視鏡開発講座」を開設
次世代内視鏡AIの開発によりがん見逃しゼロへ

2023-1-11

内視鏡

AI

AIメディカルサービス


東京大学大学院医学系研究科と内視鏡の画像診断支援AIを研究開発する(株)AIメディカルサービス(以下AIM)は,2023年1月1日に,「次世代内視鏡開発講座」を開設した。東京大学とAIMは,内視鏡AIの社会実装に当たって生じる臨床的・技術的な課題を医学・工学の両面から検討し,実際の臨床現場で活用可能な次世代内視鏡AIの実現を目指す。

■開設の経緯

がん患者の年間死亡者数の内,約30%が消化管のがんで亡くなっている。この数値は,日本および世界においてがんの死亡者の中で最も大きな数値である。がんは早期に発見できれば多くの場合,完治が可能だが,発見が遅れると命にかかわる。

胃がんによる死亡率低下を目的とした公的医療サービス「対策型胃がん検診」において,2016年から内視鏡検査を選択できるようになった。内視鏡検査は早い段階で消化管のがんを確定診断できる唯一の検査。

そうした背景から,内視鏡検査の検査数が飛躍的に増加した結果,現在は医師の業務負担の増加と胃がんの見逃しリスクが大きな課題となっている。同時に,内視鏡検査は医師の技量に依存した検査方法であるため,手技の技量差の均てん化も喫緊の課題となっている。

これらの課題に対し,ディープラーニング等の最新のAI技術を医療分野へ応用されることが期待されている。本講座を開設することで,内視鏡検査におけるAI利活用のための研究開発を行い臨床現場で評価し,また,得られた知見を学内・対外的に教育を行うことで医療分野におけるAI人材の育成を目指す。

■次世代内視鏡開発講座の概要

講座名
(和文)次世代内視鏡開発講座
(英文)Next-generation Endoscopic Computer Vision

開設時期
2023年1月1日〜2025年12月31日(3年間)

代表教員
特任准教授 辻陽介

両者の役割
東京大学:
医師の実臨床の経験に基づいた正確な知識と豊富な経験を活かした次世代内視鏡AIに関する研究の実施,研究総括,臨床情報の収集およびその解析。
AIM:
臨床現場の医師のニーズを満たす次世代内視鏡AI開発にかかる研究の実施,研究評価,データの整理・解析。

研究内容
最新の画像解析技術により医師の診断を支援するソフトウエアプログラムの研究開発,及び臨床評価を実施する。

  • 内視鏡医の知見を搭載したAIを開発し,内視鏡診断の均てん化や見逃し低減といった内視鏡診断における質の向上を目指す。
  • AIを用いた次世代の内視鏡診断・治療法確立のため,実臨床の経験に基づいたデータ取得や加工・分類を行う。
  • 内視鏡AIの社会実装において課題となる少数データ,アノテーションコスト等に関する課題を画像解析技術の観点から解決する。

 

■講座代表教員 辻陽介について
辻 陽介(つじ ようすけ)医師 医学博士

【所属・役職】
東京大学大学院医学系研究科/
医学部附属病院22世紀医療センター
次世代内視鏡開発講座 特任准教授

【概略】
2004年東京大学医学部医学科卒業。2014年,東京大学大学院医学系研究科医学博士課程修了。東京大学医学部附属病院消化器内科,NTT東日本関東病院消化器内科勤務を経て,2015年より東京大学医学部附属病院消化器内科助教。2016年より杏林大学消化器内科非常勤講師。2022年より東京大学医学部附属病院消化器内科特任講師(病院),現在に至る。

 

●問い合わせ先
(株)AIメディカルサービス
https://www.ai-ms.com

内視鏡

AI

AIメディカルサービス


TOP