NVIDIA Claraプラットフォームが,新世代の医療機器を先導
Claraがレガシーの医療機器の能力を劇的に向上させ,AI医療デバイスの未来を形成
2018-9-14
NVIDIAは9月14日,NVIDIA Claraプラットフォームを公開した。このプラットフォームは,次世代の医療機器にAIの恩恵をもたらすハードウェアとソフトウェアを組み合わせたもので,疾病を早期に発見,診断および治療するためのパワフルなツールとなる。
プラットフォームの核となるのは,NVIDIA Xavier AIコンピューティング モジュールとNVIDIA Turing GPUをベースとした革新的なコンピューティング アーキテクチャであるNVIDIA Clara AGX。さらに開発者向けClaraソフトウェア開発キットにより,AIを活用して既存のシステムのデータを処理する,多様なアプリケーションを作成することができる。
Claraプラットフォームは,1秒当たり数十から数千ギガバイト規模で生成される,膨大なデータを処理し,医師や科学者が解釈できるようにするという,医療機器の大きな課題を解決するもの。これまで,このレベルのスーパーコンピューティングを達成するには,3つのコンピューティング アーキテクチャであるFPGAとCPU,GPUが必要であった。
Clara AGX
Clara AGXにより,このような課題は単一のGPUベースのアーキテクチャに集約される。このアーキテクチャは,NVIDIA Tensorコアによる世界最速のAI推論,世界でもっとも広く導入されているアクセラレーテッド コンピューティング プラットフォームであるCUDAによる加速,ならびに最先端のNVIDIA RTXグラフィックスを提供する。そのフレキシブルなデザインにより,プラットフォームは,エントリーレベルのデバイスから,もっとも要件の厳しい3Dデバイスまで対応することができる。
Clara AGXに興味を持つ開発者は,同日より,NVIDIA Jetson AGX Xavier開発者キットを通じて,このプラットフォームの使用を開始することできる。
Clara SDK
Claraは,通常の寿命が数十年であるレガシーの医療機器と,過去10年間にGPUの演算速度が1,000倍になっている現代のアプリケーションを作動させる能力の両立ができないという,基本的な問題も解決する。
Claraは,機器のデータを処理する機能があり,設置されている機器を最新のNVIDIA GPUに接続することで,上記の課題を解決する。つまり,CTおよびX線の反復再構成,ビーム形成によるMRIの超音波検出と圧縮検出といった,最先端の画像診断アプリケーションを,10年間使用している機器で作動させることができる。
Clara SDKは,コンピューティング,グラフィックスおよびAIのための一連のGPUアクセラレーテッド ライブラリ,再構成,画像処理およびレンダリングのためのサンプル アプリケーション,ならびにCT,MRIおよび超音波のための演算ワークフローを医療アプリケーション開発者に提供する。これらすべてを通じて,コンテナとKubernetesを活用し,あらゆる機器の医療機器用アプリケーションの視覚化および拡張が可能となる。
医用画像診断開発企業による対応
世界中の医用画像診断開発企業が,疾病の発見および診断で医師を支援する方法以外にも,AIを使って,ワークフローの自動化,機器の高速化および画像品質の改良を行ういくつもの方法を発見している。400以上のAI医療スタートアップが過去5年間に事業を立ち上げており,Claraにより,それらスタートアップがAIを活用し,医療ワークロードを一新できるようになる。
たとえば,NVIDIA Inception仮想アクセラレーター プログラムのメンバーであるSubtle Medicalは,4分の1の時間で画像を得られ,患者への造影剤の投与がわずか10分の1で済む,MRIアプリケーションに取り組んでいる。
Subtle Medicalの開発者たちは,AI推論の時間がただちに10倍以上の速さになるため,アプリケーションの作動時間が数時間になった。
Subtle Medicalの創業者であるエンハオ・ゴン(Enhao Gong)氏は,次のように話している。
「当社は,AIを使ってMRIおよびPET検査のワークフローを改善しています。NVIDIAのClaraプラットフォームにより,当社のテクノロジをさらに拡大させて,造影剤や放射線のリスクを減らし,画像診断の効率と安全性をさらに高めることができるようになります」
同じくInceptionのメンバーであるImFusionは,従来の2Dデータを使って3D超音波画像を作成し,超音波画像とCTを融合させて視覚化することができる。ImFusionの開発者たちは,2日も経たないうちに,自社のアプリケーションをClaraに移植し,Claraの推論,シネマティック レンダリング エンジンおよび視覚化機能を活用している。
ImFusionの創業者兼CEOのウォルフガング・ウェイン(Wolfgang Wein)氏は,次のように話している。
「当社は,医用画像のコンピューティングとガイド手術を専門としています。NVIDIAの Claraプラットフォームにより,当社では,2Dの医用画像を3Dに変換し,当社の技術を仮想的に展開できるようになります」
NVIDIA Claraプラットフォームは,現在,アーリー アクセス パートナーが利用可能となっており,ベータ版のリリースは 2019年の第2四半期を予定している。
NVIDIA Claraプラットフォームの詳しい情報
https://developer.nvidia.com/clara
●問い合わせ先
エヌビディアPR 事務局
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