キヤノンITソリューションズ,日本電気,日立システムズ,フィラーシステムズが「医療情報システム向け AWS利用リファレンス」を共同で作成・提供開始

2018-6-19

クラウド


キヤノンITソリューションズ(株),日本電気(株),(株)日立システムズ,フィラーシステムズ(株)の4社は,アマゾン ウェブ サービス*1(以下,「AWS」)の環境において,医療情報を取り扱う際に参照される各種ガイドラインに対応するための「医療情報システム向けAWS利用リファレンス」を共同で作成し,2018年7月を目途に,顧客に無償で提供を開始する。本リファレンス文書により,医療機関や医療情報システム事業者は,各ガイドラインで定められたセキュリティ対策・安全管理に対し,AWSのクラウドサービスが適合するか簡単に調査することができ,調査期間を大幅に短縮することが可能である。さらに,共同でリファレンス文書を作成した4社は,医療情報の取り扱いや各ガイドラインに関する知見を生かしてAWS導入支援サービスなど関連するサービスを各社それぞれ提供し,システムコストの最適化や運用管理の効率化を支援していく。

近年,医療分野ではIT化が進められており,厚生労働省「医療等分野のICTに関する取組」(平成29年2月15日)によると,一般病院(400床以上)において,電子カルテの普及は2014年度実績で78%に達している。しかし医療分野のIT化には,医療機器の進歩等に伴うデータ保存量の増大や,ITシステムの運用管理を担うIT専門家の不足,IT投資負担などの課題がある。クラウドサービスはそれらの解決策として従量課金によるシステムコストの最適化や運用管理から解放するサービスとして期待されている。
全ての医療行為は,医療法等で医療機関等の管理者の責任で行うことが求められており,クラウドサービスを利用する場合も,医療情報システムの構築や運用にあたっては,安全かつ確実な技術的及び運用管理方法を確立し,安全管理やe-文書法への適切な対応を行っていく必要がある。

さらに,そのシステムで利用される医療情報は,個人情報保護法における「要配慮個人情報」に該当し,医療情報の取り扱いにおいても,「収集」「保管」「破棄」を通じて,諸法令をはじめ,通知や指針等に定められている要件を満たす適切な取り扱いができる仕組み作りが必要である。
具体的には,厚生労働省,総務省,経済産業省の3省が定めた4つの医療情報システムに関するガイドラインに対して,必要に応じて医療情報に係る関連事業者や責任者が対策を施す必要がある。
クラウド環境の導入を検討する場合には,こうしたガイドラインに対応しているか否か各項目を検討整理し,必要となる対策項目の洗い出しや対応する情報,実施策の検討等を行う必要があり,これらがクラウドサービス導入における課題となっていた。

これに伴い,4社は米国で医療情報システムのクラウド基盤として多くの事業者に利用された実績を有し,セキュアで柔軟かつ低コストなクラウドサービスを実現可能なAWS環境において,医療情報システムの様々な要件に対応するための考え方や関連する情報を整理検討した文書を提供することにより,医療情報システムにおけるAWS環境の活用を促進するとともに,システムコストの最適化や運用管理の効率化を支援する各種のITサービスを広く提供する。

第一弾の取り組みとして,医療情報を受託する事業者となる立場の情報処理事業者に求められる経済産業省発行の「医療情報を受託管理する情報処理事業者向けガイドライン」に関するリファレンスを顧客に提供を開始する予定。また,今後その他のガイドラインに対応するリファレンスも年内を目途に順次提供していく。その中では,現在改訂作業が進められており本年7月を目途に公開が予定されている「クラウドサービス事業者が医療情報を取り扱う際の安全管理に関するガイドライン(第1版)」にもいち早く取り組む予定。

今回提供開始するリファレンスは経済産業省発行の「医療情報を受託管理する情報処理事業者向けガイドライン」の要求事項について「AWSの該当事項に関する対応情報」「ユーザーが医療情報システムをAWS上に構築する際の該当事項」「ユーザーの該当事項に関するAWSテクノロジーの活用方法」を解説している。また,AWS環境上での医療情報システムを実装する際に考慮すべき事項や,AWS環境全体の安全で効率的な活用方法についての情報を整理して記載している。

本リファレンスの概要と活用イメージ

本リファレンスの概要と活用イメージ

 

なお,本発表にあたり,AWSのクラウドサービスを展開するアマゾン ウェブサービス ジャパン(株)のパートナー アライアンス本部 本部長 今野 芳弘氏は以下のように述べている。

アマゾン ウェブ サービス ジャパンはキヤノンITソリューションズ株式会社,日本電気株式会社,株式会社日立システムズおよびフィラーシステムズ株式会社が,医療情報システム向けAWS利用リファレンスを発表したことを歓迎します。AWSは世界19カ所(リージョン)の55のデータセンター群(アベイラビリティゾーン)でセキュア,柔軟かつ低コストなクラウドコンピューティング環境を提供しており,米国HIPAAの対応など医療情報関連システムについて長年の実績もあることから,医療業界のお客様に幅広くご活用いただいております。今回のリファレンスが日本の医療業界におけるクラウド推進およびお客様のビジネス成長に貢献することを期待しています。

*1 アマゾン ウェブ サービス(AWS):Amazon Web Services, Inc.が提供するクラウドコンピューティングサービス。

 

●本リファレンス,および関連するサービス提供に関する問い合わせ先
キヤノンITソリューションズ(株) クラウドサービスコンサルティング部 上島
TEL 03-6741-9644

日本電気(株) サービスプラットフォーム事業部 大竹
TEL 044-431-7182

(株)日立システムズ 商品お問い合わせ窓口
TEL 0120-346-401

フィラーシステムズ(株) 広報担当 高森
TEL 06-6441-2155

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