オリンパス,超音波内視鏡下穿刺吸引術向け,ディスポーザブル吸引生検針「EZ Shot 3 Plus」を新発売
2016-4-18
ディスポーザブル吸引生検針
「EZ Shot 3 Plus:イージーショットスリープラス」
オリンパス(株)は,ディスポーザブル吸引生検針「EZ Shot 3 Plus(イージーショットスリープラス)※1」を2016年4月21日から国内で販売開始する。同製品は超音波内視鏡を用いて行われる「超音波内視鏡下穿刺吸引術」(以下EUS-FNA)に使われる針(処置具)である。
超音波内視鏡に挿入する部分(シース※2)は柔軟性を追及しており,膵頭部(すいとうぶ)など,臓器内のアプローチしにくい部位へのアクセスをサポートする。また,穿刺※3(せんし)用の針の素材や,針先の形状の工夫により組織への刺さりやすさを追及し,より精度の高い診断の向上に貢献する。
※1 本製品の愛称。販売名は「ディスポーザブル吸引生検針 NA-U200H」
※2 シース:針を覆っているコイル状の部分
※3 穿刺:血液や体液,細胞などの採取のために,体外から血管,体腔内, 内臓に針を刺すこと
超音波内視鏡下穿刺吸引術(EUS-FNA:Endoscopic Ultrasound-Fine Needle Aspiration)とは
超音波内視鏡を用いて行う検査の方法で,治療方針を決める重要な手技。口から超音波内視鏡を挿入し,超音波で粘膜下の状況を確認しながら,直接内視鏡ではアクセスできない膵臓(すいぞう),粘膜下腫瘍(しゅよう),リンパ節などに,消化管壁を介して針を刺し組織・細胞を吸引採取する。採取された組織は顕微鏡などで良性か悪性かの病理診断を行う。
●開発の背景
EUS-FNA(超音波内視鏡下穿刺吸引術)は,病理学的な確定診断に貢献する検査手技として普及が進んでいる。1990年初頭から欧米を中心に行われるようになり,国内では2010年の保険収載を期に広く普及している。EUS-FNAでより正確な診断を行うためには,狙った部位に穿刺できることが求められる。しかし,膵臓がんがよく発生すると言われる膵頭部などへはアプローチが難しく,内視鏡の先端を大きく湾曲させて行う場合がある。湾曲状態の内視鏡の中でも少ない力で滑らかに動かせ,狙った位置へ滑らず穿刺できる必要がある。今回開発されたイージーショットスリープラスは,それらのニーズに応えるために開発された。
●主な特長
1.高いアクセス性:挿入部に,柔軟なコイルシースとナイチノール針を採用。アクセスが難しい部位へのスムーズなアプローチに貢献
超音波内視鏡の先端が大きく湾曲した状態でも,イージーショットスリープラスを挿入しやすい設計を目指した。コイルシースの採用により,内視鏡を大きく湾曲させても抵抗の少ない挿入をサポート。穿刺用の針管には形状保持力と柔軟性の高いナイチノールを採用。急峻(きゅうしゅん)な角度でもスムーズな針の出し入れをサポートする。また,ナイチノールは弾性が高いため,優れた形状保持力を発揮。内視鏡の湾曲部を通過しても針が変形しにくく,耐久性を備えている。
2.高い穿刺性:鋭利に加工された針先(メンギーニ形状)を採用。硬い組織でもスムーズに刺せる高い穿刺性を追求
より組織へ刺さりやすい針先の設計で,硬い組織でもスムーズに穿刺することを追求した。針先はサイドホールあり,なし両方のラインアップをそろえている。
3.操作性・視認性の向上:ハンドルの使いやすさと,超音波下の観察での針の見えやすさを追及
手元の操作部は,すべりにくく使いやすいハンドル形状を採用。また針の先端の表面の加工を改良し,超音波下の観察での針の見えやすさを追求している。
●問い合わせ先
オリンパス(株)内視鏡お客様相談センター
TEL 0120-41-7149
http://www.olympus.co.jp