日本メドトロニック,日本初のバルーン型「Arctic Front Advance冷凍アブレーションカテーテル」発売開始
〜発作性心房細動治療における新たな治療選択肢を拡大〜

2015-10-5

日本メドトロニック


冷凍アブレーションカテーテル「Arctic Front Advance」

冷凍アブレーションカテーテル
「Arctic Front Advance™」

日本メドトロニック(株)は,不整脈の一種である薬剤抵抗性を有する再発性症候性の発作性心房細動治療を目的とした「Arctic Front Advance冷凍アブレーションカテーテル(以下,Arctic Front Advance™;アークティック フロント アドバンス)」を,2015年10月5日(月)より全国にて発売開始する。バルーン型,冷凍方式のアブレーションカテーテルは日本初の発売となる。冷凍アブレーションシステムを用いたバルーン形状のアブレーションカテーテル「Arctic Front Advance™」により,肺静脈を閉塞しながら円周状に冷凍焼灼を行うことで,心房細動を引き起こす不要な電気刺激の回路を遮断する「経皮的カテーテル心筋冷凍焼灼しょうしゃく術(冷凍アブレーション)」治療が可能となる。

心房細動は肺静脈内からの異常な電気信号が原因であることが多く,治療法としては根治を目的とした,肺静脈入口部に電気的な絶縁部(隔離)を形成する心筋焼灼術(アブレーション)が知られている。既存のアブレーションは高周波電流で点状あるいは線状で心筋を焼灼することで不要な電気刺激の回路を遮断しているのに対し,「Arctic Front Advance™」を用いた冷凍アブレーションはバルーン形状のアブレーションカテーテルにより円周状に焼灼し遮断できるため,手技時間の短縮が期待される1)。また,従来の高周波電流を用いた焼灼術と比較し,血栓形成リスクの低さ2)3)や結合組織(コラーゲンなど)の温存2)3)など合併症発生の軽減につながると期待されている。そして,亜酸化窒素ガスを用いた冷却を利用した治療法であるため,肺静脈周囲の組織とバルーンが固着することにより,カテーテルを安定的に保持することができ,術者の負担軽減へつながる。欧州では2005年,米国では2011年より前世代品4)が使用されており,世界ではこれまでに15万症例以上の冷凍アブレーション治療が行われている。「Arctic Front Advance™」は前世代品と比べ,より均一かつ広範囲な組織冷却が可能となったことが特徴である。

日本不整脈心電学会 理事長 奥村 謙氏は,「心房細動は高齢者に多い不整脈ですが,超高齢社会を迎えたわが国では,心房細動に対するカテーテルアブレーション件数の増加が予測されています。冷凍アブレーションカテーテルが使用可能となったことで,心房細動治療の選択肢が増え,より良い治療を提供できると考えています。」と述べている。

1) DeVille JB, et al 2014.,
2) Khairy P, et al. 2008,
3) Lemola K, et al. 2008,
4) 日本では未発売

●冷凍アブレーションの手順は以下の通り。
足の静脈から当該バルーンカテーテルを挿入し,左心房内でバルーンを拡張する。次いで,拡張したバルーンを標的肺静脈入口部に押し当て,バルーン内に亜酸化窒素ガス(冷却剤)を注入する。最後に,バルーン内で気化した冷却剤がバルーン接触面の心筋組織から熱を奪い,心筋組織を冷凍壊死させることにより,肺静脈入口部を電気的に隔離する。

●冷凍アブレーションシステムは,以下の通り構成されている。

(1) Arctic Front Advance™
薬剤抵抗性を有する再発性症候性の発作性心房細動治療を目的としたバルーンカテーテル。バルーンにより肺静脈を閉塞した後,バルーン内で気化した亜酸化窒素ガスがバルーン接触心筋組織から熱を奪うことにより肺静脈の一括隔離を実施。

(2) メドトロニック CryoConsole (医療機器承認番号: 22600BZX00061000)
「Arctic Front Advance™」と「Freezor® MAX冷凍アブレーションカテーテル」専用の冷凍アブレーション装置。冷却剤である液化亜酸化窒素のガスタンクを格納,電気および同軸アンビリカルケーブルを介し,冷凍アブレーションカテーテルへの冷却剤の注入と気化した冷却剤の回収を制御。

(3) FlexCath Advanceステアラブルシース(医療機器承認番号: 22600BZX00064000)
カテーテルを経皮的に挿入する際に使用する心臓用カテーテルイントロデューサキット。止血バルブを有し,空気の侵入と血液漏出を防ぎながら,カテーテルやワイヤの挿入・引き抜き・交換が可能。

(4) Achieveマッピングカテーテル(医療機器承認番号: 22600BZX00063000)
心臓電気生理検査カテーテル。8つの電極が等間隔に並ぶ円形ループで,左心房から肺静脈間の伝導マッピングや一時ペーシングにて使用。

(5) Freezor MAX冷凍アブレーションカテーテル(医療機器承認番号: 22600BZX00060000)
Arctic Front Advance™を用いて治療を行う際,必要に応じて補完的なアブレーションを実施するために使用。(単品での使用は不可)

■本製品の導入にあたり,日本不整脈心電学会のウェブサイトに掲載されている経皮的カテーテル心筋冷凍焼灼術に関する施設基準を満たす必要がある
詳細は,日本不整脈心電学会のウェブサイトを参照。
http://new.jhrs.or.jp/guideline/com_ablation201407_01/

 

●問い合わせ先
日本メドトロニック(株)
http://www.medtronic.co.jp/

日本メドトロニック


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