バイエル ヘルスケア,マルチモダリティ対応X線線量管理システム「Radimetrics™」を新発売
〜ネットワーク型,マルチモダリティに対応した線量管理システム,患者さん毎の累積線量のトラッキング機能搭載〜

2014-7-16

線量管理


バイエル ヘルスケア社 ラジオロジー&インターベンショナル事業のグループ企業である日本メドラッド(株)(以下 日本メドラッド)は,X線線量管理システム「Radimetrics™ (ラディメトリックス)」を7月16日より販売を開始する。

Radimetrics™はCT装置,血管撮影装置,透視装置などの検査装置から発生する画像データを受信し,検査で照射されたX線線量に関する情報の保存,実効線量等の計算,Webブラウザによる線量情報参照および他システムへの線量情報の転送などを可能としたシステム。
本製品の使用により,CT装置等のX線を使用する検査で照射したX線線量の管理が広く普及し,患者さん毎での累積線量の管理,さらには線量データの解析により,各検査における照射線量の標準化に貢献することが期待されている。日本メドラッドでは本製品を通して,今後,日本の医療機関における包括的なX線線量管理の実現により,患者さんがより安心して検査を受けられる環境整備への貢献を目指す。

●医療被ばく及び医療放射線管理の国際的な動向
米国放射線防護審議会(NCRP) Report No.160(※1)によると,米国民が1年間に受ける放射線量は,1人あたり6.2mSvと報告されており,そのうちの約半分の48%が医療検査装置から発生した放射線量で,CTが24%と最も高い割合になっている。このレポートには,1993~2006年までの継時的データもあり,CT検査数が著しく増加していることも報告されている。これらの放射線検査の増加を受けて,国際的な動きとして,国際原子力機関(IAEA)から米国を含む先進国の主要団体に放射線被ばく管理の推進が促されている。そのような背景の中,米国では線量データの蓄積を目的に標準化された機器やシステムを利用して,線量登録制度(Dose Index Registry)の運用が行われている。米国放射線医学会(ACR:American College of Radiology)によるDose Index Registry制度が2011年4月に開始され,2013年8月時点で750施設が参加,550万件以上のデータが登録されていると報告されている。

●医療放射線管理の国内の動向
一方日本でも,JIRA(日本画像医療システム工業会)から各医療IT ベンダーに対し,線量データ管理を普及するために,国際規格を利用したインターフェースの早期導入の促進が求められている(※2)。また,一部の検査での標準線量値が関連団体から提示されているが(※3),今後,広範囲での線量データの蓄積及び検査での標準線量値の検討が日本でも必要になってくると考えられている。

●X線線量管理システム 「Radimetrics™ (ラディメトリックス)」
Radimetrics™は,CT装置だけではなく,血管撮影装置,透視撮影装置や一般撮影装置等のマルチモダリティに対応しており,それらの検査装置から発生する画像データ(DICOM画像)(※4)を受信し,検査で照射されたX線線量を一元的に管理できるシステム。各患者さんの累積線量の管理,線量のシミュレーション機能,使用するユーザ毎にカスタマイズ可能なダッシュボード機能や照射線量の標準化に向けた撮影プロトコル別の統計機能を備えている。また,収集した線量情報を病院内において有効活用するために,病院情報システムや放射線システムへの線量情報の転送機能等を有する。Radimetrics™は前述のACR Dose Index Registryにおいて標準機器として認定されている。

日本メドラッドの製品には,心血管,CT,およびMRI用の造影剤自動注入システム,またその関連製品(MRI室用患者モニター)などがある。Radimetrics™はこれらの製品同様,画像診断及び線量の最適化に貢献する製品として,日本メドラッドの販売ネットワークを通して医療施設に届けられる。

※1) NCRP Report No. 160, Ionizing Radiation Exposure of the Population of the United States
※2) http://www.jira-net.or.jp/information/file2/2011_0517_DITTA_sengensyo_japanese.pdf
※3) 日本診療放射線技師会 http://www.jart.jp/activity/hibaku_guideline.html
※4) DICOMとは医用画像のフォーマット及び医用装置間の通信プロトコルを定義した標準規格。

●主な特長・機能

・患者さん毎の線量トラッキング機能
・線量シミュレーション機能
・ユーザ毎に設定可能な豊富なカスタマイズ機能
・他システムとのインテグレーション機能
・プロトコル管理機能

●製品画面

累積線量表示画面 被検者の累積線量検査履歴を表示する。

累積線量表示画面
被検者の累積線量検査履歴を表示する。

 

線量シミュレーション画面 検査での線量分析や,スキャン範囲,管電圧,電流等を変更した場合の増減する線量のシミュレーションが行える。

線量シミュレーション画面
検査での線量分析や,スキャン範囲,管電圧,電流等を変更した場合の増減する線量のシミュレーションが行える。

 

●問い合わせ先
日本メドラッド(株)
TEL 06-6133-6250
http://www.medrad.com

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