フィリップス・レスピロニクス,京都府立医科大学と「ITを用いた高齢者における転倒・転落監視システム」について共同研究に着手
〜高齢者の転倒・転落を検知,自動で通報する「フィリップス緊急通報サービス」の効果を検証〜

2013-6-24

フィリップス・ジャパン


(左)通信機 (右)転倒・転落を自動検知するペンダント

(左)通信機
(右)転倒・転落を自動検知するペンダント

フィリップス・レスピロニクス(同)(以下 フィリップス)および京都府立医科大学は共同で,文部科学省の科学研究費の費用により,「フィリップス緊急通報サービス」の転倒検知機能を利用し「ITを用いた高齢者における転倒・転落監視システム」の有用性についての研究を6月より開始する。

日本の総人口に占める高齢者(65歳以上)の割合は24.1%*2で,全体の4分の1近くを占める。また,救急搬送された高齢者(65歳以上)の事故種別割合をみると,一般負傷で搬送された高齢者のうち,「転倒」と「転落・滑落」合わせて8割以上を占める*3。しかも転倒事故の半数以上の56.7%は自宅で発生しており*3,生活の中心である場所での危険が多いことを示している。

フィリップスが独自に691人のケアマネジャーに調査*4をしたところよると,現在担当中の利用者(総数 17,520人)のうち「転倒の危険がある」と思う利用者は7,473名で,全体の43%にものぼる。また,利用者のうち転倒によるケガや骨折で介護度が重度化した利用者は2,072名で,全体の12%を占めている。さらに,これまでに担当したすべての利用者のうち,転倒後,自分で起き上がれず数時間以上転倒したままだった利用者は全部で1,163名にのぼり,ケアマネジャー1人につき約1.7名,このような方が存在したことが分かる。

このような高齢者の転倒に関する実情を背景として,フィリップスは京都府亀岡市の協力のもと,京都府立医科大学と共同で,高齢者の方に実際に,「フィリップス緊急通報サービス」のペンダントを1年間装着してもらい,一般の見守りサービスや緊急通報システムでは対応できない転倒・転落を検知*1,自動で通報する独自のサービスの有効性について検証する。

ペンダントが転倒・転落を検知*1した場合,自動的に安全サポートセンター(コールセンター)を呼び出し,応答員が装着者の状態や持病・既往歴などを確認し,駆けつけ可能な協力者*5に救助を依頼することで,転倒・転落の早期発見につながり,利用者,およびその家族に安心感を生じさせ,その早期発見による効果により,医療費の抑制,介護の軽減,寝たきりの予防につながると考えている。

今回の研究に参加するのは,亀岡市の独居,昼間独居または高齢者世帯の高齢者の方々約100名。亀岡市は,2008年3月1日に日本で初めて,世界保健機構(WHO)協働センターが推進するセーフコミュニティ*6のメンバーとして国際認証を取得しており,日頃から人々が安心して暮らせる町づくりに積極的に取り組んでいることから,今回の研究に参加を表明した。

●共同研究概要

実施期間: 2013年6月から8月の間に順次開始し,約1年間実施*7
研究参加者: 京都府亀岡市の独居,昼間独居または高齢者世帯の高齢者の方々 約100名
実施概要: 研究参加者には普段どおりの生活を送りながら「フィリップス緊急通報サービス」の転倒検知機能付きペンダントを1日24時間,約1年間にわたり装着してもらい,転倒・転落事故発生時や急病等の緊急事態などの記録を取る。 本サービスの開始前,開始後1ヶ月後,3ヶ月後,半年後,1年後の計6回,研究参加者本人に,ADL(日常生活活動テスト)*8,老研式活動能力指標*9,転倒恐怖感,装着状態に対する違和感の有無,入浴時の違和感の有無,安心感,満足度評価等についてアンケート調査する。 家族や協力者*5の方にも,開始前,開始後1ヶ月後,3ヶ月後,半年後,1年後の計6回,同居・別居の別,安心感,本システムに体知る満足度評価等についてアンケート調査する。

●フィリップス緊急通報サービスについて

「フィリップス緊急通報サービス」は,北米でPhilips Lifelineという名称のもと35年以上の長い歴史を有し,延べ利用者数が600万人を超えシェアNo.1*10を誇る,高齢者の自立した生活をサポートするサービス。専用の通信機をご自宅の固定電話に接続し救助が必要なときに首から下げたペンダントのボタンを押すだけで,24時間365日,フィリップスの安心サポートセンター(コールセンター)に通報することができる。通報を受けると,安心サポートセンターの応答員が通信機本体に内蔵されたスピーカーを通じて加入者に呼びかけ,近所に住む協力者*5に加入者宅訪問を要請したり,必要に応じて救急隊員を手配*11するなどの対応を行う。転倒してケガをしたり気を失ってしまったときなど,自分でペンダントのボタンを押すことができない状況でも,ペンダントに内蔵されている複数のセンサーが転倒・転落を検知*1し,自動で同センターに通報する。

●フィリップス緊急通報サービスの特徴

1. 「24時間365日対応」 フィリップスの安心サポートセンター(コールセンター)が,24時間365日対応。
2. 「転倒を検知して自動で通報」 フィリップス独自の技術によりペンダントが転倒を検知し*,自動的に安心サポートセンターへ通報する。*検知率96%
3. 「防水仕様」 ペンダントは防水仕様なので,転倒事故の多い浴室でも使用できる。
4. 「工事不要」 設置のための工事は不要で,自宅の固定電話に取り付けるだけで使用できる。

●価格

・ 加入登録料…2,000円(税込)
・ 緊急通報サービス基本セット レンタル(通信機本体1台,24時間緊急通報対応,ペンダント1個)…月額3,980円(税込)

※「フィリップス緊急通報サービス」の詳細
http://www.philips.co.jp/hmservice/

*1 検知率96%
*2 平成24年9月15日現在推計。総務省統計局調べ
*3 東京消防庁「平成22年版 火災と日常生活事故のデータからみる高齢者の実態(平成21年中)」より
*4 2013年,フィリップス・レスピロニクス調べ
*5 家族,近隣住民など,緊急時の駆けつけ要員としてあらかじめ登録している方
*6 事故やけがは偶然に起こるものではなく,予防することができるという理念のもと,地域住民と行政などの協働により,誰もがいつまでも安全安心して暮らせる町づくりを推進する取り組み
*7 参加者のスタート時期が個々により異なるが,各人がスタートしてから約1年間を実施期間とする
*8 ADL(日常生活活動テスト)とは,日常生活での食事,衣類の脱着,トイレや入浴,歩行といった基本的な動作をどの程度行えるかを評価する検査
*9 老研式活動能力指標とは,ADL(日常生活活動テスト)の測定では捉えられない高次の生活能力を評価するために開発された13項目の多次元尺度
*10 2011年 北米(米国・カナダ)での利用者実績による
*11 応答員が加入者と全く会話が出来ない場合,救急車の出動要請ができない地域が一部あります。当該地域については協力者の駆けつけ後に救急車の出動要請を行う

 

●問い合わせ先
フィリップス・レスピロニクス(同) お問い合わせセンター
TEL 0120-504-840 / 048-660-1172
http://www.philips-respironics.jp/

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