ギブン・イメージング,大腸内視鏡検査が不完全であった患者さんを対象に大腸用カプセル内視鏡PillCam® COLONとCTコロノグラフィとを比較検討したヨーロッパの新しい試験結果を発表

2013-5-28

CTコロノグラフィ

内視鏡

ギブン・イメージング


PillCam® SB 2 plus カプセル。11×26mmと大きめのビタミン剤程度。これまで80か国以上で170万人以上の使用実績がある

PillCam® SB 2 plus カプセル。
11×26mmと大きめのビタミン剤程度。
これまで80か国以上で170万人以上の使用実績がある

※2013 年5月20日発表翻訳

ギブン・イメージングは,2013年5月20日,大腸内視鏡検査が不完全であった患者さんの大腸病変の検出,ならびに成人・小児のさまざまな消化管疾患のモニタリングにおけるPillCam® COLON(大腸用カプセル内視鏡)の有用性を確認したヨーロッパにおける複数の試験結果のデータを発表した。これらの試験結果は,フロリダ州オーランドのオレンジカウンティコンベンションセンターで2013年5月18日から21日の期間に開催されている米国消化器病週間(DDW)で発表されている。ギブン・イメージング社はこの期間中,ブース番号1059で機器展示を行っている。

イタリア・ローマのカトリック大学Cristiano Spada, M.D.は次のように述べている。
「大腸を直接観察できるPillCam® COLONの精度を裏付ける臨床エビデンスが次々と確認されています。われわれが実施した前向き試験の解析データからも,PillCam® COLONは従来の大腸内視鏡検査が不完全であった患者に対して有益かつ有効であることが示されています。こうした患者集団に向けたソリューションを提供してくれる新しい診断ツールはわれわれにとって歓迎するものです。」

Cristiano Spada, M.D.は,「従来の大腸内視鏡(CC)が不完全であった患者評価におけるPillCam® COLONカプセルとCTコロノグラフィ(CTC)の前向き試験」(口頭発表703)と題した試験の解析結果を発表した。さまざまな理由で従来の大腸内視鏡検査を完了できなかった患者さん100例にPillCam® COLONとCTCを実施して,従来の大腸内視鏡検査では観察できなかった大腸部位に対して,どちらの検査がより良好に可視化できたかを検討した。PillCam® COLONもCTCも患者さんの98%において大腸内視鏡では検査できなかった部位を可視化することができた。この試験の結果は,PillCam® COLONもCTCも大腸内視鏡が不完全であった患者さんに対して有効であったが,大腸内視鏡で可視化できなかった大腸部位におけるポリープについてはPillCam® COLONの方が高い検出能を示めしている。

Cristiano Spada, M.D.は「PillCam® COLONカプセル内視鏡(CCE)による大腸平坦病変の検出」(口頭発表857)と題する別の後ろ向き試験の結果も発表した。この試験では,がんの高リスク要因となることが示されている平坦病変に対するPillCam® COLONの検出精度の高さが示された。この後ろ向き試験では,大腸がん検査のゴールドスタンダードとされている大腸内視鏡検査を行った後にPillCam® COLONカプセル内視鏡検査を行った患者さんからデータを収集した。その結果,通常ポリープの検出数は大腸内視鏡で27個,PillCam® COLONで25個であったが,1例において,大腸内視鏡では確認できなかった11mm の平坦ポリープがPillCam® COLONによって可視化された。個々の病変に基づくPillCam® COLONの感度は90%,特異度は96%であった。

PillCam® COLONの臨床価値は,「小児潰瘍性大腸炎(UC)に対する第2世代大腸カプセル内視鏡(CCE‐2)の評価」(口頭発表689)と題した試験においても確認されている。既知の潰瘍性大腸炎小児患者様30 例にPillCam® COLON検査と大腸内視鏡検査を実施し,いずれの検査が大腸の炎症をより良好に検出するかを検討した。盲検下で検討した結果,PillCam® COLONの大腸炎症検出感度は95%,大腸炎症の可能性を正確に除外する特異度は100%であった。PillCam® COLONと標準の大腸内視鏡との比較検討の結果,PillCam® COLONは小児疾患の活動性と進行のモニタリングにおいて非常に有用かつ安全であり,患者様が痛みを感じない検査手技であると,Salvatore Oliva,M.D.を筆頭とする試験担当医らは結論している。さらにSalvatore Oliva, M.D.らは,PillCam® COLONは非侵襲性で患者さんに優しいという特徴を有するため,潰瘍性大腸炎の小児の精密検査の在り方に影響を与える可能性があると示唆している。Salvatore Oliva, M.D.はイタリアのローマ大学サピエンツァ校小児消化器病・肝臓内科に所属している。

スペインのバルセロナ・クリニックホスピタルのBegoña Gonzalez-Suarez, M.D., Ph.D.は次のように述べてる。
「カプセル内視鏡は侵襲性が低く患者に優しい手技であることを示す新しいデータが増えるにつれ,その適用件数も増え続けています。PillCam® SB とPillCam® COLONはクローン病などの変わりゆく小腸病変と大腸病変を直接観察できる非常に有用なモダリティです。」

スペインのバルセロナ・クリニックホスピタルの試験担当医らは,「クローン病患者(CD)の小腸病変評価においてカプセル内視鏡(CE)はMRエンテログラフィ(MRE)よりも優れる:比較試験」(ポスター発表Sa1635)と題する試験結果を発表した。クローン病および非確定大腸炎の患者さん,またはそれらが疑われる患者さん34 例をこの比較試験に登録し,まず全例にMRエンテログラフィを実施した。MRエンテログラフィとは,消化管を詳細に撮像するために造影剤を使用する特別な磁気共鳴撮影法(MRI)。MRE施行後,23例にPillCam® COLONを,残りの11 例にPillCam® SB を実施した。カプセル内視鏡では28例に小腸病変が認められ,MREでは22例にしか認められなかった。

さらに,カプセル内視鏡では,小腸の最初の部分(十二指腸遠位部)と中央部分の病変が9例で認められたが,MREではこれらの部位の病変は検出できなかった。これらのデータから,試験担当医らは小腸の最初の部分と中央部分におけるクローン病患者様の病変の検出において,カプセル内視鏡はMREよりも優れていると結論している。

PillCam® COLONはCEマークを取得しているが,米国では現在,FDAに販売承認を申請中。米国と日本,その他一部の国では入手することができない。

Cristiano Spada, M.D.はギブン・イメージング社の有償コンサルタント。

 

●問い合わせ先
ギブン・イメージング(株)
マーケティング部
TEL 03-5214-0571
www.givenimaging.co.jp

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