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中医協が2010年度診療報酬改定を厚生労働大臣に答申
─デジタルエックス線撮影料,16列以上のMSCTへの加算が新設

 中央社会保険医療協議会(中医協)は2月12日(金),2010年度の診療報酬改定を長妻 昭厚生労働大臣に答申した。今回の改定では,本体の医科が+1.74%(入院+3.03%,外来+0.31%)となり,4800億円が確保された。これにより診療報酬本体は+1.55%となり,5700億円が充てられる。一方で,薬科は−1.36%(−約5000億円)となり,全体では+0.19%で,10年ぶりのプラス改定となった。

  社会保障審議会の基本方針として,救急,産科,小児,外科医療の再建が掲げられ,救命救急センターや二次医療機関への評価が上げられた。また,勤務医の負担軽減対策として,医療クラークを採用した場合の加算として,「15対1補助体制加算」(810点)と「20対1補助体制加算」(610点)を新設した。がん医療・認知症医療・感染症対策・肝炎対策の推進,明細書の無料発行なども反映された。さらに,後期高齢者医療については,「後期高齢者診療料」が廃止された。

  画像診断に関しては,今年度で「デジタル映像化処理加算」(15点)が廃止されるのに伴い,新たに「デジタルエックス線撮影料」が設けられ,アナログ撮影と区別がつけられた。これにより,従来65点だった単純撮影がアナログ撮影は60点,デジタル撮影は68点となる。また,「電子画像管理加算」も見直され,単純撮影が60点から57点,特殊撮影が64点から58点,造影剤使用撮影が72点から66点,乳房撮影が60点から54点に引き下げられた。

 さらに「コンピューター断層撮影診断料」も見直された。CTは16列以上のマルチスライスCTによる評価として900点が新設され,2列以上16列未満のマルチスライスCTは820点,それ以外は600点となった。MRIの場合は,1.5T装置の評価が引き上げられ,従来1300点だったものが1330点になる。加えて,2回目以降の撮影料は,「所定点数の100分の80に相当する点数により算定する」となった。

  なお,答申内容の詳細は,以下のURLを参照のこと。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/02/s0212-4.html